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kanaco
2025-08-17 21:38:14
7436文字
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【四信】あなたに似ている動物は?
《四信》俺って何の動物に似ている?と信くんに聞かれて悩んだ四さんが、色々な人に聞きこみをしながら考えるお話。
「あるーひ」
「診療時間外」の札をドアに下げて人払いをした診療所。四仔が午後からの診療のために医療器具の煮沸消毒をしていると、すぐ近くからノンキな調子の歌声が聞こえてきた。
「もりのなかー くまさんにー であーった」
歌詞はちゃんと聞こえてくる。しかし歌っている本人はあくまで鼻歌のつもりであろう、小さくてご機嫌な声色だ。それは四仔より少しだけ離れた場所でDVD棚を整理している信一から聞こえてきた。
「はなさくもりのみちー くまさんにであったー」
何やら森の中で熊に出会ったらしい瞬間、並べられたDVDパッケージがバタバタと音を立てて棚から落ちる。それは信一が整頓していた2つ上の場所から降ってきた。反射的に受け止めようとした信一が失敗して、自分が手に持っていた分もろとも豪快に滑り落とす。床に散らばったケースを見て信一が「あちゃぁ」と肩を落とした。
「その歌」
四仔はDVDのことは咎めずに声をかけた。
「ん?」
落ちものを拾うためにしゃがみ込んだ信一が疑問だけを返す。
「ニホン語か?」
「そうみたい。この前、集金に周ってたら婆ちゃんグループに捕まってお前の話になってさぁ。そこで先生って熊に似てるよなって話になって。そしたら流れでお婆ちゃんの中に日本に詳しい人がいて、熊が出てくる童歌があるのよって教えてくれて
…
」
「なんだその話題は」
「なんだと言われてもな...。しかも俺、歌詞をここまでしか覚えてない」
信一は「くまと出会って終わっちゃった」と何が面白いのかケラケラと笑い、拾い上げたパッケージをまた棚に並べ始める。
「でもさぁ、近所の婆ちゃんたちにまで熊に似てるって思われてるお前ってすげぇよな」
「
……
」
「まぁ、イメージあるよなぁ」
四仔は何とも言えない顔を信一の方に向けた。確かに自分は熊のお面を被っているし、親近感は湧いている。だが違う角度でそんなところにまで周知されているとなると微妙な気持ちにはなる。その様子に気がついた信一は首を傾げて四仔を見返した。
「どうしてそんな不思議そうな顔してるんだよ?自分でも熊に似てるって言ってたじゃん」
「そうだが、そこまでの深い意味はなかった」
「そうなの?気に入ってるのかと思ってた」
手に持っていた物を全てしまい終わって、四仔の方に歩み寄ってきた信一が「意外だ」と顔色を伺う。いつもの四仔の澄ました表情だが、少しだけ腑に落ちない色を滲ませているのを読み取って思わず「ふはっ」と笑った。
「嫌とかではないんだろ?」
「嫌とかではないが
…
そんなに世間から言われるほどかと
…
」
「まぁ、動物に例えやすいヤツっているよな。例えば十二少とか
…
」
「似ているというか、あれはその筋だろう」
「本人も虎って言われると喜々としているしな。まぁまだずいぶんと若い虎だけどさ」
言って信一が頷く。それから好奇心が宿った目をクリっと丸くさせて四仔を見た。
「なぁ、俺は?」
「お前?」
「そう。何の動物に似ていると思う?」
四仔は清潔なタオルで器具を拭いている手は止めずに、考えるために目の前の青年に顔だけを向けた。あざとくも小首を傾げた恋人は、期待を滲ませたその見目麗しい顔を真っすぐ四仔に向けてくる。ちょっと甘えたような瞳と上がった口角が愛らしくて、四仔は顔色は変えずにそっと感心をした。まったく
…
意の内容は問わずして、その甘いマスクには誰もが手を差し伸べずにいられないだろう。それをこの男は自分でもよく分かってやっているところが子憎たらしい。しかし魅力の1つではあると四仔は素直に認めていた。そんなことを、決して口には出さないが。
そして考えても、思い浮かびそうでいて、ピッタリとハマる動物が思い浮かばない。
「なんだろうな」
素直な気持ちで質問に疑問を返すと信一は少しだけ不満そうな顔をした。しかしすぐに機嫌を取り直して「じゃぁ、宿題な」と言った。
「次会う時までに考えておいて」
気楽に考えろよ、お遊びなんだからさ。
そう言って朗らかに笑う信一に、ふむ
…
と四仔は難しい顔をした。
*★**★**★*
「信一が何の動物に似ているかだって?」
夕食をとるために1人でやってきた阿七冰室。珍しく厨房から出てきた阿七がいたので、意見を参考にしようと四仔が声をかけると、彼は「そりゃぁ、もちろん」と迷うことなく断定した。
「犬だろ」
「犬か」
四仔としても九龍城砦の住人のほとんどはそう言うだろうな、と思っていた。龍兄貴に対する忠実な態度や心の底から懐く様子は間違いなく犬っぽい。部下を従えていればNO2として統率も取る。序列がしっかりしているのが龍捲風の一派だ。それが砦での信一の自然な姿だった。それに九龍城砦内において、信一はルールから逸脱しない住人に対して親切でご機嫌な男であるし、気さくだ。言わずもがな兄貴が1番の青年であるが、フレンドリーさで言えば人をあまり限定しなかった。
「人懐っこいし、少々元気があり余って失敗する時があるのもそれっぽいし
…
喜怒哀楽が分かりやすい。縄張り意識も強いしな」
それから阿七は懐かしむような表情もした。
「小さい頃は龍兄貴や俺たちの周りで子犬みたいに愛嬌振りまいて、コロコロと転がってたけどなぁ。あっと言う間に大きくなりやがって、今じゃずいぶんとしっかりした」
城砦の住人はすぐ去る者もいるが、長く住みついた者たちも多い。そんな彼らは信一を子供時代を知っている。龍捲風の子育てと信一の成長を近所からずっと見守ってきただろう。特に龍捲風の側近である阿七は信一の兄とも、年上の親友とも言える存在だ。そういう人たちからすれば、信一の今の忠犬、そして番犬ぶりは誇らしいに違いないし、一方で長年の付き合いがモノを言うような親しみある身近な存在であるに違いない。
「まぁ、今でもキャンキャンはしてるけどな。シッポをブンブン振って駆け寄ってくる可愛げのあるヤツさ」
子犬の頃に比べれば「待て」も立派にできるようになったしな、と阿七は愉快そうに笑った。
異論はなかった四仔は「そうだな」と穏やかな声色で返事をした。
*★**★**★*
「信一兄貴に似ている動物?」
夕食をとり終わって部屋を移動する途中、信一の部下たちとすれ違った。龍捲風の配下にいる部下たちは何かと四仔の診療所を頼りにするし、あまつさえAV目当てで訪れる者もいる。黒社会を嫌う四仔ではあるが、気がつけば顔見知りが何人もいた。
「そりゃぁ、猫でしょ」
紫色のジャケットを着た青年がそう言うと、隣にいた青シャツの青年が同意するようにうんうんと頷く。
「強いし頼りになる人だけど、マイペースで気まぐれ」
「ニコニコしながらこっちにやって来たから機嫌いいなぁと思っても、距離詰めすぎるとスルリと逃げてツンツンする」
「ヘタに手を伸ばしたら引っ掻かれるよなぁ。でも自分からなら甘えてきたりするんですよ」
「そう思いきや今度はワガママや無茶振り言ったりさぁ。まぁ、それされても嬉しくなっちゃうのがこちらの末期なトコなんスけどねぇ」
「そのくせ、俺らのことけっこうちゃんと観察しててさ。ここぞという時にゃ優しいトコとか強ぇトコを存分に見せてくるからさぁ
…
あのツンデレ具合で仲間は大概オちるっていう」
「その上、あの見た目でしょ。俺らみたいな古株ならあの人の素の感じが分かってるからいいけど、心をヤられているヤツら多数」
うちのボス、モテるから俺らも大変なんスよ~と信一の側近である2人が矢継ぎ早に喋るので四仔は「そ、そうか」と少しタジタジとしながら理解を示してやった。信一に猫っぽい一面があるといのは四仔にも心当たりがあった。四仔に対しては懐いてくるばかりだが、独立心が強く、美しく笑って翻るような掴みどころない一面も持っている。
「でもさぁ、猫なんていう可愛いものかなぁ」
先輩が喋っているのを黙って聞いていた、先の二人よりも若くて背の高い青年がポツリと呟いた。
「んん?」
「なんかもっとこう
…
鋭い感じの」
「例えば?」
「
…
猫科の肉食獣とか。ガッシリしたのじゃなくて、スレンダーな風の」
「つまり?」
「
……
豹とかさ」
先輩2人が顔を見合わせた。そして左右から親指をグッと後輩に向けて四仔の方を見た。
「見て先生。これが、信一兄貴に脳をヤられたタイプ」
そう指さされた後輩がやや恥じたように頬を朱にしながらも、食い下がるようにムっとした感じで語彙を増やした。
「だってもっと不思議だろあの人。勝気だし、クレバーじゃないか」
そう、同意を求めるように言うので先輩たちは「間違いはねぇな」と笑った。
「まぁなぁ。豹みたいにとびきり美人だしな」
「色気をなぁ、敵味方かまわず不用意に振りまかないで欲しいよな。面倒だからよ」
そう先輩が困ったように眉間に皺を寄せて目をつむり、頷く。
四仔もそれについては切実に同意する、と人知れず溜息をついた。
*★**★**★*
部下たちと別れて四仔は馴染みの空き部屋に向かった。今日は信一、洛軍、そして十二とそこで麻雀をする予定になっている。部屋に入ると先に洛軍と十二が寛いでいて、信一がまだであった。夜のパトロールに行っているのだろう。これまでの集まり具合から予測を立てれば、あと15分もすれば信一も来るはずだった。
「信一が何の動物に似ているか、か」
洛軍がふむ、と言いながら顎を触って考える。それから「あぁ!」と穏やかに声を上げた。
「鳥かな」
「それは新しい意見だな」
「そうなのか?」
四仔が言うと洛軍が大きな瞳をパチクリとさせた。「その心は?」と十二が興味深そうに聞く。
「九龍城砦の中を自由に飛び回っていて、それで困っている人のところにフワッと舞い降りてきて傍にいてくれたり、問題解決の道しるべになってくれるだろう?空を舞える鳥は翼を持っているから羨望される存在だし、鳥の羽が鮮やかで美しいように信一もハンサムだ。それに傍にやってきて賑やかに囀る感じが、楽しそうに俺たちに喋りかける感じと似ている気がした」
にこやかな雰囲気のままに洛軍は理由を述べていく。
「人馴れしていてすり寄って来てくれるし、何があっても龍兄貴の肩へと飛び戻っていく鳥だ。そして見た目に反して嘴も爪も鋭利だ」
「なるほど」
四仔が納得したように返事をすると、十二が笑う。
「ふはっ、確かにな。あと雛鳥にせっせとモノ運ぶ親鳥みたいに洛軍をかまってるとこあるよな、信一は」
服とか、メシとか、遊びとかさぁ、と十二が言うので洛軍が少し困ったような顔をした。
「確かにそうか...。甘えすぎだろうか
…
」
「いいんじゃねぇの?アイツは楽しくてお前にあれやこれやと世話焼いてるんだから。断ったりしたら逆に気にして凹むぜ。しょげる姿が目に浮かぶさ」
そう軽快に肯定する十二に、四仔は目線を向けた。
「そういうお前はどうなんだ?」
「俺ぇ?」
会話が始まっても髪をセットする手を止めない十二は、それでも考える表情だけは見せた。
「兎だな」
「それも新しい意見だな」
「どうしてそう思う?」
今度は洛軍が興味深そうに聞き返した。
「マイペースな面はあれど人に懐きやすくて世話焼きだし、とにかく愛されるのが好きだろ」
ありゃ龍兄貴の影響だよな、と十二がフフンと笑いながら言った。
「だから兎みてーに方々に愛嬌を振りまいてるけどさ、同じく兎みてーに実は警戒心が強くて怖がりだ。それを表に出すか出さないかは本人の判断として、周囲のちょっとの変化によく気がつくし敏感だから静かにストレスをためやすい。かまわれるのは好きなんだけど、変にかまわれる過ぎると、弱る。楽しくバカをやるのも好きなのはそうだが、あいつは案外、静かで落ち着いた場所の方を好むよ。だから龍兄貴や四仔や、洛軍の傍が好きだろ?お前らは基本、気性が穏やかで控えめだからよ」
そう十二が言うと、洛軍が感心したように口を開いた。
「言われてみれば、十二と一緒にいる時もそうかもしれない」
「まぁ、信一が俺に兄貴風を吹かせようとすることはあっても、わざわざ気を張ることはねぇからな」
「騒ぎたければそうするし、マッタリしたい時はそうするさ」そう言った十二がニッと笑ったのは、根拠を言い切ったからなのか、髪型のセットが決まったからなのかは四仔は分かりかねた。しかし洛軍の意見に同意した時のようにまた「なるほど」と言った。
そこに話の中心にいた信一がやっと部屋に入って来た。話も丁度区切りが良い。信一には知られずに3人は動物の話題を切り上げた。
それから信一を交えた四仔たちは予定の通りにそのまま麻雀へとなだれ込んだ。
*★**★**★*
気心が知れた仲間たちとの楽しい時間を終え、四仔は信一を連れ立って自分の住居へと戻っていった。今日の麻雀の成績が悪くない勝率だった信一はずっとご機嫌だ。昼頃にも歌っていたあのクマに出会う歌を楽しそうに口ずさみながら、軽やかな足取りで四仔の前方を歩いていく。
部屋に入って四仔がベッドに腰かけると、さも当然のようにその膝の上に乗ってきて四仔の首に腕を回した。信一の首元からふわりと馴染みある良い匂いがする。今日は気分が良いためなのか、いつも以上に素直にくっついていたいらしい。四仔が信一の腰に腕を回してゆるく抱きしめてやれば、信一が満足そうに寄りかかって体重をかけた。
人前でこのような振る舞いはしない。しかし2人きりであればそう珍しことではなかった。そして四仔がその信一を邪険にも無下にもしないのも2人にとっては真っ当なことだった。なんせ、恋人同士の時間である。四仔からすればその時間は甘ければ甘いほど素晴らしかった。つきあい始めはまだ残っていた恥じらいや遠慮は、今ではすっかりないものになっている。
「なぁ、俺が何の動物か思いついた?」
信一が昼間の話題を蒸し返す。聞かれるだろうと思っていた四仔は答えた。
「
……
今日、何人かにお前を何に例えるか聞いて周った」
「へぇ?おもしろ!何だって?」
「阿七や何人かの住人に聞いたところでは犬だそうだ」
「まぁ、犬って意見が一番多そうな気がするよな。俺、いい子だもん。聞き分けがいいでしょ」
「お前の部下は猫だと言っていた」
「犬と正反対じゃん!うーん。まぁ部下と住人とじゃ俺が取ってる態度は違うか」
「豹だという意見もあった」
「いいじゃん、そっちの方が強そう」
「洛軍は鳥だと言っていた」
「ちょっと意外な角度
…
でもいいな。洛軍の肩に止まってりゃ優しい時間が過ごせそうだし」
「十二は兎だと」
「は?アイツに俺が兎に見えてんの!?虎が物理的に肉として食おうとしてる!?怖っ!」
「龍兄貴は
…
」
「え!兄貴にも聞いたの?何だって??」
信一が思わずといったように四仔の腕の中で大きく身じろぎ、向かい合った瞳がキラキラと輝く。しかし四仔は「残念ながら
…
」と続けた。
「お前の期待には沿えない。龍兄貴にははぐらかされてしまった」
部下たちに質問した後、十二と洛軍が待っている部屋に向かう丁度間の時間。偶然に龍捲風と通路ですれ違った四仔は(一番気になる)と思わず尋ねたのだ。兄貴は一瞬だけ不思議そうな顔をした後には、ただ柔らかく笑っただけだった。「お前にはどう見える?」と逆に聞かれ「考えている」と素直に応えると面白そうに四仔を見て「そうか」と言った。信一と付き合うようになってから、四仔はどうも龍兄貴のこの手の表情や瞳が苦手だった。どうにも試されているというか、推し測られているような気分になる。兄貴にはそんなつもりはないかもしれないが。
「ふぅん」
義父に寵愛されている青年は、答えが分からずガッカリするかと思いきや愉快そうに目を細めてニヤリと笑みを浮かべた。訳知りに「そうだろうね」とでも言いたげな瞳だった。
「残念」
やはりそうでもなさそうな声色で言うと「じゃぁさぁ」と本題に入った。
「それで?聞いて周ってからの四仔の結論は?」
「
……
全部お前だと思った」
犬のように忠義に溢れ身近なパートナーであり、猫のように気まぐれだがミステリアスな魅力を持ち、豹ように鋭い牙や色気もある。鳥のように囀って周りに華を持たせながら自由に羽ばたき、兎のように愛されながらも、繊細に誰かの傍に寄り添う。
「随分と多面的なヤツだな、お前は」
「一面しかないような単純な人間なんているの?」
「俺は熊一択なんだろう?」
「あははは」
信一は軽快に笑うと「でもみんなといる時の四仔と、俺と2人っきりの四仔はやっぱり違うよ」と言った。
「子供の頃の俺の素は兄貴が独り占めだったけど、近頃じゃ俺は四仔に全く取り繕ってる気持ちがないからさ。普段の、という意味では“今の俺のあらゆる素”を四仔は兄貴と同じくらい知っていると思っているから...」
信一が喋りながらも徐に四仔のマスクに手をかける。四仔が好きにさせていれば、信一はマスクをゆっくりと取り上げた。
「だから四仔が俺を何の動物に例えるか興味があったんだよね」
四仔の素の顔が晒されると信一の細い指が頬の傷に触れる。その素顔に触れることが許される特権が嬉しいと、信一が綺麗に笑って自ら唇を寄せていった。受け入れる四仔が信一の腰をより自分に引き寄せてそのまま強引に横に倒せば、口がはなれた信一が楽しそうな笑い声をあげながら素直にベッドに押し倒される。
密着すればするほど四仔の気持ちを落ち着かせる信一の体の匂いと、夜にもなればもう薄れてきてほんのりとしている香水が香った。全部が相まって甘い。それは心地の良い甘さだと四仔は思う。
「お前は意外と気分屋だからな。変幻自在なんだろう」
「それで結局、俺は何に一番似てるんだよ?」
「
………
はちみつ?」
「生きものですらないな!?!?」
ただの熊の好物じゃん!と信一が叫んで「まぁ、いいや」と言った。
「ちなみに今はワンコみたいに好きな人に心ゆくまで構い倒して欲しい気分」
「そうか」
それならたくさん触れて撫でてやろう、と言って今度は四仔から顔を寄せていけば、信一が満足そうに笑ってその首へと腕を回した。
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