Kaori
2025-08-16 20:40:08
2111文字
Public ウルトラマンアーク
 

みんなのヒーロー

星元市商店街の夏祭りにSKIPのみんなで出掛けるお話。
ほぼ会話だけです。



星元市商店街の夏祭りの夜。

「ごめんねー、遅くなりました!」
「リン〜! 遅いよ」
「お疲れさまです、リンさん。浴衣、お似合いですね!」
「ありがとう。あ、ユウマとシュウさんも浴衣じゃない!」
「みんなで祭りに行くって言ったら、おばあちゃんが用意してくれたんです」
「私は着方もわからないので遠慮したのですが」
「おばあちゃん、なんだか張り切っちゃってて。僕とシュウさんに着せてくれました」
「スーツ姿じゃない石堂さんは新鮮ですね」
「所長もお似合いですよ」
「ですね。なんか貫禄があるっていうか」
「ユウマ、それは俺がふだんは貫禄がないみたいじゃないか」
「あ、いえ、そういうつもりは……!」
「ほら、ごちゃごちゃ話してないで、行きましょう!」




「和子さん! お疲れさまです! 今年も焼きそば屋さんなんですね」
「あらー、リンちゃん、ユウマくん、いらっしゃい! 唐揚げのお兄さんも久しぶり!」
「唐揚げ……シュウさん?」
「いっつも唐揚げ弁当を買ってくれてたからね」
……石堂です」
「それより、焼きそば、いくついる?」
「4人分ください!」
「了解! おまけしておくわよ」




「シュウさん、こういうの得意そうですよね」
「射的ですか。祭りの場でやったことはないのでどうでしょう」
「シュウさんがやったら反則じゃない!?」
「さすが石堂さん、構え方から違うな」
「リン、頑張れ!」
「シュウさんもがんばれー」



……な、なぜ、こんなことに……
「ふふーん! わたしの勝ちですね!」
「シュウさん、なんで全部外れるんですか……?」
「いつもシュウが使ってる銃と違って、照準とかがめちゃくちゃだから、使いにくかったんじゃないかな?」
「冷静に分析されると、かえって自分の不甲斐なさが身に染みます、ユピー……




「っあー! 破れた!」
「惜しい、ユウマくん」
「下手だなあ、ユウマ。どれ、俺に貸してみろ」
「所長、上手い! もうボール5個も取れてますよ!」
「俺に任せろ。スーパーボール掬いは、ツグミが小さいときよく一緒にやったんだ」
「あー! ユピーも破れた! もう1回!」
「こら、ユピー! 無駄遣いしない! ひとつのお店で1回ずつって決めてたでしょ!」
「だって〜、リン〜」
「ダメです」




あれこれ食べて、いろいろ遊んで。
そろそろ帰ろうかという雰囲気になってきた頃。

「あ! 見て、ユウマ! あそこ!」
「え? ユピー、何?」
「ほら、あそこ、あそこ!」

水色の指が示す先にあったのは、お面がずらりと並んだ屋台。
その一角にある、銀色に青いライン、黄色い目の顔。

「アーク……
「ユピー、見てくるね! リンも行こう!」
「はいはい」

ユピーたちとすれ違った子供たちの頭にも、アークのお面が乗っているのに気付く。

「子供たちにも人気なようですね」
……なんだか不思議な感じがします」
「そういうものですか?」
「その……アークって最初の頃は『ちょっと怖い』『何考えてるかわからない』とか言われてたこともあったし。それが、お面になってるなんて」

隣に立っていたシュウが、ふっと笑う気配がした。

「確かに最初の頃はそうだったかもしれません。でも、今は誰もそんなこと思っていませんよ。星元市の皆さんは知っています。ウルトラマンアークが星元市を守ってくれたんだ、ということを」
「シュウさん」
「アークとユウマくんは、星元市の皆さんにとっても最強のヒーローですよ」
「さいきょうの、ヒーロー……

浮かんでくるのはスケッチブックの中の絵。
あれを描いていたとき、あの姿はユウマにとってのヒーローだった。
けれど今は、ユウマひとりだけではない。みんなが思い浮かべるヒーローがあの姿なのだ。

「それなら、嬉しいですね」
「ユウマくんも被りますか?」
「えー、それはさすがに……あ!」
「どうしました?」
「ヒーローがお面になるんだったら、次はあそこに黒いアークも並んでそうですね!」
「え?」
「最近はアークだけじゃなく黒いアークも一緒に星元市を守っているでしょう? きっと並びますよ」
……そうなっていたら、光栄です」

星元市を守っている二人のヒーローが、顔を見合わせて笑い合う。

「ユウマー! 見て見て! 所長が買ってくれたよ!」
「もー、甘いですよ、所長!」
「いやー、なんかツグミが小さい頃を思い出しちゃってな」
「ユウマも被る?」
「遠慮しとくよ」
「じゃあ、シュウは?」
「お借りしてみましょうか」
「え!? シュウさん!?」







◇◇◇ ふわふわがいる世界だったら if ◇◇◇

「ユウマとシュウさんも浴衣じゃない! あ! ふわアークとふわギルも!」
「ユウマとシュウ、それぞれとおそろいの浴衣だね」
「おばあちゃんがふわふわたちの分まで作ってくれたんです」
《イヨワ!》
《ギヨワ!》
「っか、かわいい……っ!」
「さすがユウマのおばあちゃんだな」
「ふわギルもふわアークも、おそろいでご機嫌ですね」