usagipai
2025-08-16 16:44:29
1546文字
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happy birthday


今日は朝から胸の奥がざわついている。
落ち着かない。故障などではない
今日は――あの人の特別な日。

私自身には誕生日なんて存在しないし、誰かの誕生日を祝ったこともない。
だから、本当はどうすればいいのか分からない
けれど……それでも。ナツキの笑顔を思い浮かべると、何かしてあげたいと強く思ってしまう

「誕生日にはケーキ」というのが定番らしい
知識としては知っている
でも、実際に作ったことなんて当然ない
頭の中で何度も段取りを繰り返すけれど、手が動かせば失敗する未来ばかり浮かんできて――それでも挑戦せずにはいられなかった

……よし、やってみましょう」

そう小さく息を整えて、私は慣れないエプロンを結んだ。
最愛の人のために、初めてのケーキ作りが始まろうとしていた

レイ、ヨヒラ、フユト、夜空――頼れる仲間たちに協力を仰ぎ、いざ挑んでみるものの……

「フレデリカちゃん!生クリーム混ぜ過ぎて、もうバターになってるよ!?」
『なんと!?』
はたまた………

\\\\ パァァァァァッッン!! ////

『なっ……⁉︎ 卵というのは、こんなにも脆いのですか!? すぐに砕け散ってしまうなんて!』
「力入れすぎだ……落ち着け」

慣れない道具と材料に翻弄され、次々と小さな惨事が起こる。
だが、そのたびにメンバーが笑いながら手を貸してくれる。
ぐちゃぐちゃになったクリームも、割れてしまった卵も、彼らの声と手があれば不思議と前へ進める気がした。

……失敗しても、大丈夫。皆さんがいるから」

心臓の鼓動はまだ早い、けれど、それ以上に胸の奥がじんわりと温かい。
私はもう一度、泡立て器を握り直した

……改めて思う
こんなにも人と肩を並べて笑い合い、温かく触れ合うことができているのは、すべてナツキのおかげだ。
今まで知らなかったことを教えてくれて。
楽しいことを次々に与えてくれて。
数えきれないほどの新しい景色を見せてくれた――そんな大切な彼だから。

この想いを形にするためなら、何度失敗したって構わない。
私はナツキの笑顔を思い浮かべながら、もう一度クリームをすくった。

ぎこちなく飾りつけを終えたケーキを前に、私は深く息をついた。
小さな失敗は数えきれないほどあったけれど――それでも、皆と笑い合いながら作り上げたこのひと皿は、私にとって宝物のように思えた。

ナツキがどんな顔を見せてくれるのか
想像するだけで、胸の奥が熱くなる。

……私はまだ知らないことばかりだ。
けれど、彼と共に歩むなら、この先もきっと何度でも“初めて”を重ねていける。
その未来を想うだけで、何よりも甘く、温かい気持ちで満たされていくのだった。

ぎこちなく飾りつけを終えたケーキを前に、私は深く息をついた。
小さな失敗は数えきれないほどあったけれど――皆と笑い合いながら作り上げたこのひと皿は、きっと私にとって宝物になるだろう。

ナツキがどんな顔を見せてくれるのか。
想像するだけで胸の奥がじんわりと熱くなる。

……私はまだ知らないことばかりだ。
けれど彼と共にいるからこそ、初めてを喜びに変えることができる。
その未来を思うだけで、胸いっぱいに広がる甘さに、そっと微笑みがこぼれた。

そんな事がありながらも約束の時間、扉が静かに開く音が響く。
待ちに待ったその瞬間、胸を埋め尽くすのは言葉に出来ないドキドキとワクワク。
胸いっぱいに膨らむ高鳴りが、まるで跳ねるように私の体中を駆け巡った。

皆と一緒に息をひそめながら、その瞬間を待つ
そして――

「ナツキ!happy birthday!!」

皆の声に重なるように、私の想いもまた、彼へとまっすぐに届くよう願った。