sn🪼
2025-08-15 11:10:16
597文字
Public 🏒短いdgsr夢
 

azmr君とオフの日

お題「azmrtrに/神社で/手を繋がれる」

 二礼、二拍手、一礼。決まり通りの流れで願い事を神様に伝えた私は、頭を下げたままちらりと隣を窺い見た。
 明るい癖毛、ビン底眼鏡、畔村家の次男坊。彼の願いはきっと、全国優勝。
 だから私の願い事はきっと、叶わない。

「今日はありがと。畔村くんが初詣付き合ってくれると思わなかった」
「まー三が日はオフだから」
「それもあるけど。冠吉先輩に怒られそうじゃない? 大権現様んとこチャラチャラ女連れで行くんじゃねえ!とか」
「あー、兄ちゃん言うかも」
 畔村くんは真面目な声で言った。それから思い出したみたいに、ていうか兄ちゃんて二年生から見てもそんなイメージなんだって笑った。
 眼鏡の奥はよく見えないけど、表情豊かなこの人が好きだ。去年委員会で知り合って、体育祭で好きになって文化祭で近づいて、警戒されない友達になるためのステップアップの先に獲得した一日だけのデート。もとい、初詣。これが忙しい彼に望める精一杯のゴール。

「でも俺、兄ちゃんじゃねーしな」
 不意に握られた手は私のよりあったかくて、固くて、大きくて。さすがスポーツしてる人の手だなぁなんて妙に感心してしまう。
 ワンテンポ遅れて顔を上げれば、畔村くんは軽い口調とは裏腹に固く口元を結んでて。

 ──神様、仕事早すぎませんか?!
 クレームみたいな感謝を天に投げて、遠慮がちなその手が離れないように私もそっと握り返した。