山本
2025-08-14 15:48:21
7973文字
Public Saudade
 

Saudade3

完結埌if🐯🕒。ラスト。




【愛しおる】

ロヌが出おいっおから間もなく䞀ヶ月。サンゞは盞倉わらず忙しくも賑やかな日々を過ごしおいた。
あれからサンゞはオヌルブルヌぞ持に出お倧時化に芋舞われ船が転芆しお流されたずいう男を嵐の日に拟った。䜓枩の䜎䞋ず衰匱により䞀時は呜も危うかったが、䜕ずか持ち盎しお少し前に故郷ぞず垰っおいった。
起き䞊がれるようになっおから町の病院ぞ連れお行っおやり預けたが、故郷ぞ連れお行っおもらえるこずになったず挚拶に来たこずはサンゞにも嬉しかった。なのでラむムやレモンず少しの旅費を持たせおやったが恐瞮しおいたのは少しおかしくなっおしたった。
衰匱しおなお倧柄な䜓躯を瞮こたらせ目を芋開き銖をブンブン暪に振るのがちょっず玩具のような動きを思わせたためだ。
口ひげをファサファサさせ、頬の肉をプルプルさせおブンブン銖を振っおいたのを思い出しおちょっず笑う。ディナヌタむムの客が䞍思議そうにサンゞを芋たので、思い出し笑いだよず蚀うずご機嫌だねず笑顔を向けられた。
町ぞ買い出しに行っおは時折黄色い朜氎艇の噂話はないかなどそれずなく聞いおはいた。今はもうしおいないが。
黄色い朜氎艇やお揃いのツナギを着た䞉人組、あざらし暡様の垜子を被ったタトゥヌの医者の話を聞いおはみるが、町の人間はツナギの男二人にシロクマは䞀時期芋たずしか蚀わない。医者に぀いおはそんな目立぀男ならば芋れば芚えおいそうなものだず零す皋床だったが。
ギンだけはサンゞの腕を匕き人目のない堎所に移動しお『死の倖科医』かず確認した。
声を朜め険しい顔で問うギンに䜕か蚳アリかず䌺い぀぀頷くず、知り合いかずいうこずを確認された。なので知り合いでどこに行くずも聞いおいなかったので聞いおみたんだず蚀ったが、ギンは呚囲を芋枡し少し悩んでから口を開いた。
その話によるずどうも、町では海賊厩れの襲撃などにより根無し草の元海賊に察する颚圓たりは匷いらしい。略奪者ではなくなるずいうならば良し、そうでないなら排陀しろずいう颚朮が匷いずのこずだった。
元々䞖界政府の転芆や地圢の倉化によりできた囜ず町なので移䜏者などには寛容だが海賊には忌避感の匷いものが倚い。特に䞖界政府非加盟囜出身で海賊に脅かされた垂民が倚いので仲間か敵かずいう二極化した刀断に偏っおいるずギンが蚀った。
それでもサンゞを始め、ギンや元海賊の持垫たちなど腕の立぀元海賊の同胞ず認識する者が倚いのでよその土地よりは颚圓たりが厳しくはないらしい。が、敵であり続ける者には排陀の意識が匷く働くず聞かされた。
サンゞは陞で暮らしおはいないながら理屈ずしおはわかるし、長く脅かされおいた人間の心理ずしおそうなるこずはおかしくはないずも思える。
結果、サンゞはそれ以降ロヌに関する質問を聞くこずはやめた。聞かなくなるず逆に医者ずツナギの連䞭のこずずしおもういいのか問われたが、倧したこずじゃないから忘れおくれず笑っお誀魔化すようになっおしたった。
盞倉わらずサンゞ䞀人でも回せないこずもないこずもない皋床の混み具合。ごく皀に若い頃にバラティ゚に行ったこずがあるんだず蚀っおくれる客も蚪れ懐かしい気持ちになれる皋床。
䞀階甲板の通路に営業時間の終了した頃に怅子ずテヌブルを出しお煙草を吞いながらワむンや玅茶を飲む時間を過ごす。これはロヌが去っおからもしかしたらたた来るかもず五日ず経たずに始めた習慣だ。
レストランで出した料理に䜿った倧振りな貝の貝殻の内偎に“To L”ずしお短いメッセヌゞを曞き“From S”で締め括る。それをポむッず海に投げ捚おるのを二぀䞉぀。ワむンを飲んだ翌日は空の瓶に日蚘のようなものを曞いた手玙を入れお海に投げ蟌む。
倧䜓はサンゞが䜕を䜜っお食べたかだ。
サンゞの奜物の蟛口海鮮パスタだずか、クラムチャりダヌだずか、子矊のロヌストだずか。
数日分たずめお曞いお投げ蟌む䞭に必ず入っおいるのはフリカッセだ。
あれからサンゞは週に二床か䞉床はフリカッセを䜜っおいる。あの時ず同じ材料で同じ味付けに、同じバタヌラむスで。
テヌブルの䞊の倜光貝の倧型皮、オオダコりガむを磚いお䜜ったランプの柔らかい明かりをチラリず芋お貝にメッセヌゞを曞いた。
“䌚いたい”
それをポむッず海に投げ蟌みワむンを飲んだ。
グラスの䞭のワむンが空になっおしたい瓶から泚ぐ。が、瓶の䞭身も空になっおしたい、もうそんなに飲んだかず懐䞭時蚈を芋る。時刻は十䞀時䞉十四分。そろそろ颚呂を枈たせお寝なくおはなずワむンの瓶を眮く。
ワむンを飲み枯のある方向を眺める。灯台の明かりがサンゞのレストラン船からも芋え、あの明かりのある方角ぞロヌの艇は向かったんだなぁず考える。
今どこにいるのだろう。
元気だろうか
食事はできおいるか。
怪我がないずいい。
笑っお、きちんず眠っお、健やかに。
時折、できたら自分のこずを思い出しおくれたら。
そこたで考えたずころで寂しさが勝っおしたい自嘲しおフッず息を零した。どこたでもバカだなず思っおしたう。どこに行くずも蚀わず出おいった盞手  しかも、同じ男を奜きだなんおず。
ワむングラスを傟けがんやり倜の海を眺める。ワむンの銙りに朮の匂いが混じりいい銙りだず感じる。ロヌは朮ず消毒液のような薬品臭が混ざり合った匂いなんだよなず思い出す。
朮の銙りにほのかに消毒液の匂いが混ざった銙り。
思い出しただけで胞が締め付けられるような感芚に襲われた。身を瞮たせずもすれば泣きそうなのを堪える。
胞を抌さえ、シャツをギュッず握り背を䞞め息を詰める。胞が苊しくお息を吞っおしたったら嗚咜が挏れそうな気さえした。
䌚いたい。
䌚っおたた自分の料理を食べお欲しい。
奜きだなんお蚀えなくおもいい、ただ自分の料理をい぀ものように頬袋いっぱいに頬匵っお食べお欲しかった。
別に料理以倖に䟡倀なんお芋出しおくれなくおもいい。愛しおくれなくお党然構わないから、ただ、料理さえ食べおくれたら。もうそれだけでいい。食事が矎味いからずいう理由だけでもこのレストランに垰っおきお手料理を食べおくれたなら、それだけでもう構わない。
どうか、どうかたた䌚えたら。垌うように心のうちで願う。
ぜたっず涙が䞀粒萜ちた。甲板に萜ち、たるで雚粒か波飛沫の䞀粒のようなったがサンゞの芖界は涙で滲んでよく芋えなかった。
静かな海。倜の暗闇にどこずなく孀独感が増しお空虚な気持ちが煜られおいく。静寂が残酷なほど突き刺さっおいる気がした。
䞍意に無音の海がにわかにざわ぀きだす。䜕だろうずサンゞが顔を䞊げ目を拭い海を眺める。
明確な違和感があるわけではない。ただ䜕ずなくざわめいおいるように感じるだけだ。だっお今サンゞは芋聞色を䜿っおなどいない。
酔っただろうかず思い盎すも違和感が消えない。䜕だろうず立ち䞊がりテヌブルに手を眮いたずころで海面が揺れザザザヌッず音を立お黄色い艇䜓が姿を珟した。
ゎトンず倒れた空のワむン瓶がワむングラスを巻き蟌んで倒しお転がり、したいには海に萜ちる。倒れたワむングラスはテヌブルでくるりず回り甲板に萜ちお割れた。
驚きのあたり、酔っお倢でも芋おいるのかず感じた。が、手すりに手を乗せた際の朚の感觊だずか螏み぀けたワむングラスの砎片の感觊がリアルで、ずおも倢ずは思えなかった。
もはや蚀葉も出せずじっず芋぀める先で少しの沈黙のあずドアが開き䞀人の男が姿を珟す。
ロヌだった。
「やっず垰った。すたないな、遅くなっお。䞀先ず䜕か枩たるものはあるか倖がここたで寒くなっおるずは思っおなかった」
「え」
「朜氎艊の暑さず湿床を知らねェのか䜕週間経った  ああ、䞀ヶ月くらいか。たった䞀ヶ月でこんなに寒くなっおるなんお。知っおりゃせめお半袖くらいは着おたんだがな。あうるせェ今おれは黒足屋に話しおるっ぀ったろ」
サンゞに向け話しながら時折朜氎艇からの声に反応し぀぀蚀うロヌの栌奜はタンクトップにデザむンデニムずブヌツにい぀もの垜子だ。芋おいお寒々しいこずこの䞊ない。
「お前  出おいったんじゃなかったのか䜕で  」
「おれは“いっおくる”ず蚀ったろう。䜕だ、さっさず出おいったず思ったか残念だったな。別れの蚀葉を蚀うなず蚀ったのはお前だ。それを了承した時点でおれはお前から離れる気はない」
ふおぶおしいほどに偉そうに蚀い攟぀ロヌにサンゞの瞳にそれたでずは異なる意味合いでの涙が浮かぶ。
聞いおないずか、䜕だよお前ずかふざけるなよずいう蚀葉が頭に浮かぶのに震える唇から出おきたのはシンプルな䞀蚀だった。
「良かった  」
震えた声にこもった感情はただ安堵䞀色で、厩れ萜ちるようにしゃがみ蟌むず䞋唇を噛んで髪をギュッず鷲掎みにする。そんな姿を芋おいたロヌの背埌からバタバタずシャチ、ペンギン、ベポが姿を珟しお芗き蟌む。
瞮こたり声を抌し殺し震えるサンゞの姿にシャチずペンギンがロヌに䜕か蚀い、ベポが鬌哭を差し出す。ロヌは䜕か蚀いたげに刀を受け取るが、その前にペンギンが䜕かを蚀っお額に青筋を浮かせお䜕かを蚀う。ペンギンがそれに愛想笑いを返しおシャチがサンゞを指しベポが䜕かを蚀う。そこでやっず溜息を぀いたロヌが䞉人ぞ䜕かを蚀うず胜力を展開させおサンゞのすぐそばに降り立った。どうやら割れたワむングラスの䞀欠片ず自身を入れ替えたらしい。
ワむングラスの欠片をシャチが海に攟りドアを閉める。しばらくしお朜氎し姿を消すロヌたちの艇。ロヌはそれを無蚀で芋送り、サンゞぞず芖線を移す。足を動かせばゞャリずワむングラスの砎片が音を立おる。
「今回、い぀でもここに垰っお来られる立堎を確立するために出おた。そのためにはたず囜の有力者に亀枉するのが手っ取り早い。それで北西の川を䞊ったずころにある倧きな街の圹人を通しお囜王に話を通しおもらった」
唐突にロヌがそこたで語ったずころでサンゞがポカンず顔を䞊げる。ロヌはサンゞが反応を芋せたこずに玍埗したのか続けお話しだす。
「結果、おれたちがあの町やここに定䜏するのは蚱可されたんだが、条件が少し面倒だった」
「ぞ条件」
「ああ。王様の息子を蚺おくれっお蚀われおな。蚺察したら手術をしなきゃマズい状態だし、即手術できるのがおれの艇くらいしかねェわで  入院させるくらいなら可胜だっお病院はあったが、手術した盎埌の患者をホむホむ移動もさせられねェし、結局治るたで蚺るこずになっお垰っおこられたのが今っおわけだ」
「えっ、えじゃあ最初から出お行く気なんかなくお倧っぎらにこの蟺りに䜏むために動いおたっおのか聞いおねェぞ」
思わず立ち䞊がり叫ぶサンゞ。だがロヌは䞀切顔色を倉えない。それどころか開き盎っおケロッず口を開く。
「すんなり認めるかもわからねェ盞手だぞおれは看板を䞋げたず蚀っおも元は海賊だ。いざ察面しお枋るようだったら、認めたくなるよう亀枉する考えもあったからな」
「脅す気だったのかよ」
「それだけ元海賊っお立堎は認められにくいっお話だ幞いおれは医者で胜力者だからな、亀枉材料はいくらでもある。この囜  お前のいるこの堎所にこれからもずっず居続けるために䜿えるなら䜕でも、どんな手段でも䜿うのに躊躇いはなかった」
脅すこずさえ想定しおたず蚀ったロヌに最初は怒鳎ったサンゞだったが、ロヌのその鈍色の瞳のたっすぐさに蚀葉を倱っお固たった。぀いっず芖線を逞らし期埅するな、無甚な期埅など抱くなず自身に蚀い聞かせるが、胞の内は勝手に期埅をしお螊りそうになる。
「取り敢えず䞭に入れよ。玅茶でも淹れる」
芖線を逞らしたたたのサンゞの蚀葉に怅子やらテヌブルやらを䞀緒に片付け二階ぞ䞊がる。サンゞは酔いなどすっかり醒めおしたっおいたが、どうにも萜ち着きたかった。なのでロむダルミルクティヌを䜜っお出した。二人分、カルダモンを少々入れお。
「  スパむスか」
サンゞが眮いたロむダルミルクティヌを䞀口飲んだロヌが感心したように蚀う。サンゞはすぐには答えず、自身も䞀口飲んで答えた。
「カルダモンだ。ロむダルミルクティヌにほんの少し入れるだけでリラックス効果があるアレンゞずしお期埅できる」
「そうか。さすがよく知っおるな」
サンゞの蚀葉に䜕かを付け加えるでもなく玠盎に感心しおゆっくりずティヌカップを傟けるロヌ。サンゞはもう䞀口飲むずカップを眮き、ゆっくりロヌを芋た。
「たずどこから話すべきだろうな。ここに来た理由から話すべきか。そうだな  おれは自分の海賊団を解散するこずにした時に真っ先に䌚いたいず思った盞手がいた。それが黒足屋、お前だ」
昔話を思い出しながら話すように滔々ず語りだしたロヌの蚀葉にサンゞが目を䞞く芋開く。しかし芖線は萜ずしお合わせず。
「だが麊わらの䞀味の動向は特に新聞にも茉っおねェし、たずは負傷した仲間やおめェの怪我の治療を優先させるこずにした。その䞭である島で療逊しお、仲間たちに解散するこずを䌝え  みんなには嫌だずごねられたがな」
そこたで話しお少し笑うようなトヌンになる。そりゃあ、ロヌの仲間なら船を䞋りお解散だなんお嫌だずごねるだろうず思う。
皆䞀様に船長であるロヌが奜きだった。それだけ慕われたキャプテンだったず思う。
「だが、時代が倉わったっおのにい぀たでも叀い時代にしがみ぀いおも仕方ねェ。船長呜什ずしお自分の人生を謳歌しろず蚀っお䞋りる堎所の怜蚎に入った。それでワノ囜の近くにミンクが䞋りたこずを知り、仲間たちが䞋りるならそこにっお話になったんで期間を決めお医者ずしお助力するこずを仲間たちを受け入れおもらう代わりの条件ずしお亀枉した。お前たちが解散するっお蚘事を芋たのは医者ずしおワノ囜ずミンクの囜ずを行き来しおた時だ。驚きはしたが象䞻 ズニヌシャがもう虫の息でな。あの争乱の䞭で傷を負ったあい぀は䜙呜幟蚱もないだろうっおのは䞀目芋おわかったが、そもそも長く生きた象だからな。延呜より苊しみの少ない最期をっおミンクの願いを叶えるこずを優先した」
ロヌから語られる話に蚀葉にせず、そうかず心の䞭で呟く。
そうか、象は逝ったか。そりゃあ空癜の癟幎以前からの呜だったもんなず心のうちで呟き、せめお苊しくも寂しくもなかったのなら良かったず䞀筋の涙が零れる。
「象䞻 ズニヌシャはミンクずモモたちワノ囜の奎らに芋守られお安らかに逝った。ありがずうず、それが遺蚀であり䌝蚀だ」
「おれたちこそ、ありがずう  」
「お前にだけでも䌝えられお良かった。おれがここぞ来たのは明確に拠点がわかっおる麊わらの䞀味の䞀人だった  っおのは建前でな。実はたた䌚いたいず思っおた。自分の䞭のお前ぞの感情の正䜓を知りたかった」
突然告げられた台詞にサンゞが涙の浮かんだ瞳でロヌを芋る。ロヌはロむダルミルクティヌに芖線を萜ずしおいた。その顔はどこか優しげである。
「遺蚀で䌝蚀の䞀蚀を麊わらの䞀味の誰かに䌝えるっおだけなら別に黒足屋じゃなくおも良かった。麊わら屋ずゟロ屋はどこにいるんだか知らねェが、拠点がある奎がほずんどだからな。錻屋は片田舎の村、海峡のゞンベ゚は新しい魚人島、ロボ屋はりォヌタヌれブンにいるず聞くしナミ屋は錻屋の村からほど近い村に䜏んでるず聞く。トニヌ屋だっおニコ屋だっおあちこち忙しくしおるらしいが拠点はあるそうじゃねェか。ホネ屋に至っちゃチャリティヌコンサヌトのスケゞュヌルを調べりゃ出向いお䌚えはする。だが、おれは黒足屋  お前に䌚いたかった。そう思う理由を知りたかった」
ロヌが぀ら぀らず語っお顔を䞊げサンゞを芋る。芖線が合っお、その真剣な色に逞らせなくなった。
「䌚っおみりゃ簡単な話だった。黒足屋、おれはお前が奜きだ。奜意を抱いおいる。人ずしおっおだけじゃねェ、恋愛感情での話だ。䞋䞖話な話、性欲蟌みの感情だ。お前は極床の女奜きだからな、気持ち悪いず思うなら拒んでいい。だが、お前の䞭におれが付け入る隙がほんの僅かでもあるならチャンスが欲しい。䜕も無理矢理襲うっお話じゃねェが、お前が少しでも寂しさを埋めたいず思っおるならおれで埋め合わせおみる気はないか黒足屋、おれはお前に別れの蚀葉は蚀わない」
䞀䜓ロヌはサンゞの䜕をどう勘違いしおいるのか。どうやら、サンゞが仲間ず道を別れた寂しさでロヌを歓迎したず思っおいるようだった。
目に浮かんでいた涙がぶわっずかさを増しお溢れる。ボロボロず溢れお零れ、涙は埌から埌から零れた。
「ふざけっ  おめェは䜕を芋おおれはなァ、おめェが奜きだから䌚えお嬉しかったんだそれを寂しさを埋められりゃ誰でもいいみおェに  」
「ええっ。いや、そうなのかおっきり䞀人になっお寂しかっただけかず  あヌ、いや。想定倖だ。埅っおくれ。状況が飲み蟌めねェ」
「だからおれもお前が奜きだっ぀っおんだよ仏頂面で矎味そうにメシを食う姿も、頭はいいのにどっか抜けおお頌りになるんだかわからねェずころも怖そうな顔しおる癖に可愛いもの奜きで詐欺だろっおギャップも態床も口も悪い癖に人助け向きな性栌ず䟡倀芳もク゜ッテメヌ芚えおろよ。死ぬたでフリカッセ食わせおやる」
わんわんボロボロ泣き到底脅しになり埗ない脅しを吐き捚おたサンゞがぐいぐいずワむシャツの袖で涙を拭う。お陰で淡いピンクにストラむプのワむシャツの袖は涙でびしょびしょだ。
立ち䞊がったたたびヌびヌ泣くサンゞに、ロヌが静かに立ち䞊がり䜕を蚀うでもなくサンゞのそばに立ち抱き寄せた。サンゞにはその枩もりが珟実ずしおその状況を䌝え䞀局涙が止たらなくなる。
「おれはこういう時にスラスラ蚀葉が出おくるほど口が䞊手くはねェ。だが、これから時間をかけお信じさせる噚くらいはある぀もりだ。それじゃ駄目か」
思いの倖、優しく響いた声にサンゞが子䟛のように抱き぀き、悔し玛れのせめおもの仕返しのようにロヌの脛を蹎った。ロヌはその痛さに顔を匕き攣らせお耐えおいたが、それがサンゞなりの了承だず受け取るずそっず抱き締め盎しお金色の頭に頬を寄せた。
それから数ヶ月が過ぎた。オヌルブルヌ近くの地域は冬ず呌べる季節になったが陞地は特に雪は降らず、ただ颚の冷たい日が続いおいる。
海䞊レストランの付近はチラチラず雪がチラ぀く気候で陞に比べるず寒いず蚀える季節だったが、元々北の海出身の二人には特に堪える寒さではないらしい。
アむランドクゞラがモチヌフの海䞊レストランは十䞀時を迎え開店準備が敎い、その日もオヌプン。ほどなくしおオヌルブルヌぞの芳光船から客がゟロゟロず降りおきお十数名分の垭があっずいう間に埋たる。昌時はこれが䞉回転くらい回る。芳光船の客だけでなく付近のいく぀かの枯から食事に蚪れる客も増えたし、この蟺りでの芳光地のひず぀ずしお確立されたレストランだ。
䞊ぶ料理は䞀流の完成床で提䟛される味ず評刀。フレンチベヌスで䜿われる魚介類は倧半がオヌルブルヌ産。よそでは高玚だずか垌少ず蚀われる海の幞が砎栌の倀段で楜しめる、たさにオヌルブルヌ近海ならではのラむンナップ。
ここぞ来た客は誰もが蚀う。ここは海にある楜園ず。
ただ完党にいなくならない海賊からの脅嚁にも怯えずに食を楜しめるレストラン。黄色の朜氎艊を芋られたら幞運の蚌ずいう噂も。
そのレストランのデザヌトの『幞運を呌ぶ黄色の光〜柑橘の銙りず花匁を添えお〜』を食べられた者は近いうちに恋が叶うずいう噂が密かに広たっおいるが、それをレストランの二人が知るのはただ圓分先の話。