夜月祢音
2025-08-13 23:59:06
1946文字
Public 日記
 

キャラクターシートのリソース

キャラクターの能力はなるべく使いたいし、使わせたいという話です。

TRPGにはキャラクターシートというものがあります。
あなたのキャラクターの名前は? 年齢は? 職業は? 多くの情報を書きます。考えるのって楽しいですよね。私も最近、小説みたいな長さの設定メモを書きました。流石にここまでの長さを書いたのは初めてです。

そんなパーソナルなデータもキャラクターを演じる上では勿論大切ですが、TRPGというゲームを遊ぶためにはそれ以上に大切な部分があります。
キャラクターの強さを示すパラメータなど、システムデータ的な部分です。
パーソナルデータは後から生やすこともできます(これもTRPGの醍醐味)が、システムに直接関わる部分は、決まっていないとそもそもゲームを始められません。HPやMP、攻撃力、スキル……この辺りはシステムによって色々でしょう。
私はそこまでコアなTRPGプレイヤーではないので、正直多くの種類は知りません。しかし恐らく、ほとんどのTRPGで強さの上限は決められているのではないでしょうか。でないとHP∞の最強のPCなんかを作れてしまいますからね。
例えば、私が比較的遊ぶことの多いクトゥルフ神話TRPGやエモクロアTRPGでは、技能というダイス判定に使うデータを定められたポイントを割り振る形で取得します。

つまり、プレイヤーはキャラクターの能力/技能/スキルといった類の「できること」を増やすために、リソースを割いているのです。何かやりたいことがあって、そのために他の能力を捨てている。
TRPGで遊んだことがある人なら、誰もが一度はそのリソース不足に悩んだことがあるでしょう。クトゥルフ神話TRPGにおいて、「三大探索技能(目星/聞き耳/図書館)を取ったら他の技能がもう取れない!」なんて嘆いている人をよく見かけますから。
そうやって悩んで取った技能。せっかくなら使いたいですよね。だって使うために取ってるんですから。

ここからは私がゲームマスターをやる時の話です。
プレイヤーからの提案を断る場合、相応の納得感が必要だと思っています。
例えばプレイヤーが怪しい家への侵入を望む時、「シナリオ的にまだ進むことが想定されていないです」と言ってしまえば、良識的なプレイヤーであればそれで引き下がってくれるでしょう。そこでゴネるのは単なる迷惑行為です。
とはいえどうせなら、「人通りが多い場所なので見つからずに侵入するのは難しい」などといった、物語的に納得できる理由が欲しいところです。

しかし、そういった障害も技能があれば解決を試みられてしまうことがあります。
シナリオ的に序盤で来ることが想定されていないため、鍵の掛けられた部屋。鍵を開けられそうな能力を持っているプレイヤーであれば、それを使用することを試みるでしょう。
これを単に、「それをされると困るからダメ」と一蹴してしまうのは、非常にもったいないです。
ゲームマスターから提案を却下されれば、当然プレイヤーはそれに従うでしょう。特にゲームマスター経験もあるプレイヤーである場合は、セッションを制御する大変さもよく知っているため、大人しくしていてくれるはずです。
それでも、提案を頭ごなしに否定されては、「仕方ない」と納得はできたとしても、「嬉しい」と思えることはないでしょう。

解決策として考えられることはいくつかあります。プレイヤーが有利になることであればなんでも良いとは思います。とりあえず私が一番最初に思いつくのは、「目的は達成できないが、何かしらのヒントを与える」などでしょうか。
先程の鍵を開ける判定であれば、「特殊な鍵で開けることは叶わなかった。この珍しいタイプの鍵は××でしか作られていないはずだ」などの描写をし、次に調べるべき場所のヒントを出せます。
私はこのようなアドリブを非常に好むので(そのためにゲームマスターをやっています)、よくプレイヤーには「やりたいことがあったらとりあえず言うだけ言ってみてね」とアナウンスします。面白そうな能力があれば、それを使えそうな場面を事前に、あるいは即興で作ることすらあります。

ある程度慣れたゲームマスターであればこのような対応も容易でしょうが、不慣れな場合はきっと難しいでしょう。
であれば、キャラクターシートを作成する段階で蹴っておくことが無難であると私は考えます。「このシナリオでこの能力を使われると困るから、取ってきても使えないものとする」と一番最初に宣言してしまうのです。そうすることで、プレイヤーも不必要なものにリソースを割かずに済みます。
使えないと分かっているものをわざわざ取得してくるなんてただの迷惑な人か、使えなくてもいいから持っていたい拘りが強い変人くらいでしょう。私のことですね。