夕陽が空を橙色に染め始めた頃、イベントの準備のためにドットは一足先に海を後にした。他のメンバーも片付けをして帰る準備を進めている。ゴミもしっかりまとめて袋に詰める。ある程度終えたところでリコは水着についた砂を払っていた。そしてふとロイの方を見た。
一日彼氏…あの時ロイはどんな気持ちでそう言ってくれたんだろう。意識とか…してくれてるのかな。期待するのは、よくばりだと分かっているけれど…聞いてみたいな。
「リコ?どうしたの?さっきからじっとこっち見てるけど…」
「ふぇっ!?あ、いや…」
「みんなもう帰り始めてるよ。僕らも早く行こう」
「う、うん…」
リコが荷物を手に取ると、二人は一緒に歩き始めた。自然と歩幅が合って、同じペースで二人は進む。リコがちらりとロイの方を見ると、目が合った。一瞬、時が止まった。足はそのまま動く。
「はは。見てたのバレた?」
「み、見てたの…?」
「今日のリコの水着これで見納めだなあって思って…」
「…そっか。気に入ってくれた…?」
「うん」
ロイは大人っぽいのが好きなのかな。今度またオリオたちに相談に乗ってもらおう。次はデート…してみたい。リコはどんな服がいいか考えながら歩いた。
それから数時間後、月も少し雲に隠れる暗い夜になり、いつもの服装に戻ったリコ、ロイ、ウルトはぐるみんのイベント会場に向かった。そこはミサキタウンの外れにある深い森だ。目的を同じくするイベント客が大勢いる森の入り口。せっかくのイベントなのに、リコのテンションはいつもより低い。
「リコ、楽しみじゃないの?ぐるみんのイベントだよ?」
「楽しみだけど…だって…だって…」
「だって?」
「…肝試しなんだもん!」
リコがそう言うと、ウルトは大声で笑った。ロイは怪訝な顔で彼を見た。
「こんなもん怖がるなんてガキだなあ!」
「大丈夫だよリコ、ウルトの方がガキだから」
「うん…」
「おい!!」
大声で騒ぐウルトの隣でリコの頭をロイが撫でる。リコも少し頭を寄せて、周りの人たちはくすくすと笑っているが、マスカーニャは呆れ気味だ。しばらくして、森からぐるみんが飛び出してきた。集まっていたリスナーたちの視線が一気に集まる。
「よーーっす!ポケモントレーナーのみんな!!今日はドキドキ!?ガクブル…?なミサキ肝試しとぐるみんのコラボイベントだぜ!!道中にはこわ〜いお化けが出てくるかも…?ゴールにあるぐるみんお札を持ち帰った人には、このぐるみんアクリルスタンドをプレゼントだ!!」
「アクスタ…!!」
リコはぐるみんの手に乗ったアクリルスタンドに目を輝かせる。一方ウルトはくだらねーと不満な様子だ。
「景品はあいつの絵かよ。オレ様は帰るぜ」
「なんだウルト、怖いのか?」
「はぁ!?怖くねーよ!!なんなら一番にゴールしてやる!!」
「競争じゃないだろ…」
相変わらず負けず嫌いなやつだなあとロイが呆れていると、受付が始まった。ぐるみんがデザインされたシャツを着たスタッフが森の地図と懐中電灯、そして首からかけるイベント参加証を配っている。次々と森に入っていく人たちの列にウルトも並んだ。するとリコがロイの服の裾を軽く二回引いた。
「ロイ、いっしょに行ってもいい?」
「元々そのつもりだよ。僕も怖いの得意じゃないし…それに、今日は一日彼氏だから。リコのしたいこと、なんでも付き合うよ」
「うん…!ありがとう」
正直、あれは海を出たら終わる約束のつもりだった。でも、ロイはほんとうに<一日>が終わるまで彼氏でいてくれるんだ。怖い気持ちより嬉しさが溢れた。
受付を済ませた二人は森に足を踏み入れた。明かりがないと足元も見えない暗い森は、いつどこから何が出てくるか分からない恐怖に満ちている。リコとロイはいつもよりゆっくり歩いているが、ラウドボーンとマスカーニャは彼らの前をいつも通りのペースで歩いていた。
「マスカーニャ、あんまり先に行かないで…」
「二匹とも暗いとことか怖くなさそうだし仕方ないよ。僕たちは僕たちのペースで歩こう」
ゴーストタイプで幽霊に慣れているラウドボーンは炎の鳥と口の周りの炎で視界も十分に広く、ゴーストタイプに強く暗い場所に目が慣れているマスカーニャにとって、この程度の森はなんてことないという様子だ。
しばらく進んだところで彼らは立ち止まった。道が四つに分かれているからだ。受け取った地図でも途中で四つの道のどこかに進むようルートが示されている。どこに進むかリコとロイが悩んでいると、マスカーニャとラウドボーンが右から二つ目の道へ向かって歩き出した。
「え、ちょっとマスカーニャ!?」
「ラウドボーン、待って待って」
二人が引き止めると、いいからついてこいと言わんばかりにマスカーニャが手招きしている。どうしてその道に行きたがるのか、不思議に思いながらも二匹が行ってしまうので二人もついていくことにした。そうして歩いて二分ほど経った頃、先行していたラウドボーンは突然足を止めた。マスカーニャも同時に足を止め、リコとロイの足も釣られて止まる。すると、ラウドボーンはゆっくりと後ろを向いてリコとロイの方を見た。
「どうしたの?」
「ラウドボーン…?まさか…」
「えっ?まさかってなに?ロイ?」
「…ラウドボーンがどこかをじっと見てる時ってね…大体…」
ロイが言いかけたところで、ラウドボーンの鼻の上にいた炎の鳥がゆっくりと飛んでリコとロイの顔の間をすり抜ける。ロイは何か分かった様子で、リコは困惑しながらも首を回す。炎の鳥の光が彼らの背後にいた何かの輪郭を映し出した。真っ白な骨が顔を成し、その隙間で赤い目が蠢く。
「ヨッマアアアアア!!」
「きゃああああ!!!」
それが大きく叫んだ直後、リコも大きな悲鳴を上げた。炎の鳥は下に降りて、何かの姿が見えない。
「リコ、落ち着いて!!あれ…今のやつ…どこに…」
すぐにロイが懐中電灯の光を当てるも、そこに何かはいない。しかし、そこに何かの笑い声は響く。確かに近くにいる。ロイはあちこちに光を向ける。しかしそれでも全く姿が捉えられない。
「くそっ…どこだ…」
「ロイ…早く離れよう」
「でもどこにいるのか気になる…」
「なんでそんなに冷静なの!?ロイだって怖いの苦手だったでしょ!?」
「ラウドボーンと夜に散歩してるとこういうの多いから…ちょっと慣れたんだよね」
平然と笑っているロイを見てリコは少し目を細めた。昔は一緒に怖がってたし、さっきも得意じゃないと言ってたのに。なんて考えていても変わらず声は響く。こうなったらもう…
「マスカーニャ、トリックフラワー!!」
幽霊なんていない。きっとゴーストポケモンに決まっている。そう思ってリコは指示を出した。しかし、マスカーニャの動きがない。不思議に思って前を向くと、そこにマスカーニャとラウドボーンの姿はなかった。
「え、マスカーニャ…?どこ…?」
「ラウドボーン!?どこに…」
「まさか幽霊に連れていかれて…」
「だ、大丈夫だよ…ラウドボーンがついてるしそんなことは…とりあえず二匹を信じて一旦逃げよう」
「うん…」
ロイはリコの背を支えて歩き出した。早歩きから徐々に駆け足になって逃げると、笑い声は遠のいて次第に消えた。どうやら逃げ切れたらしい。リコとロイはその場に腰を下ろした。
「はあ…怖かった…マスカーニャたち一体どこに行ったんだろう…」
「僕らが遅いから先に行ったのかな…」
「ロイ、どうする?ドットに連絡して探すの手伝ってもらう…?」
「そうだね。一応連絡しておこう」
ロイはスマホを操作してドットに電話をかける。プルルルル…プルルルル…コール音が静かな森に響くが、一向にドットには繋がらない。結局、そのまま電話が切れてしまった。
「ダメだ出ない…」
「ドット忙しいのかな…」
「色々やらないとだもんね…あ、そうだ。もしかしたらラウドボーンたち、ぐるみんの仕掛けではぐれたのかも」
「そっか…それなら後で会えるよね」
「きっと大丈夫だよ。だから僕たちは僕たちで先に…」
うわああああああああああああああああ!!!!!
ロイが言いかけたところで、強烈な叫び声が森の奥から響いた。二人はしばらく固まって目を合わせた。
「今の声って…ウルトの声だよね…?」
「あいつがあんなに叫ぶって…一体何が…」
「…ロイ、ここから…手繋いでもいい?」
「ああ。大丈夫。なにがあっても離さないよ」
「うん…」
リコが出した手を握り、引っ張り上げながらロイは立ち上がった。お互いの顔をしっかり見て頷き、彼らは再び深い闇を探り始めた。先が見えない道は怖くても、手に伝わる熱がほんの少しの安らぎをくれる。懐中電灯で周りを照らしながら歩いていると、木にぶら下げられた小さなお化けの飾りを見つけた。さすがにこんなのじゃ怖くないねと二人は笑う。そのまま進もうとしたところ、ロイは何か固いものを踏んだ。気になって下に懐中電灯の光を向けると…
「これは…コレクレーのコイン…?なんでこんなところに…」
「あ…!ロイ、先の方にも落ちてるよ」
「ほんとだ…集めないといけないのかな?」
「ぐるみんはそんなこと言ってなかったけど…一応拾ってみよっか」
リコとロイはしゃがんでコインを一枚ずつ拾う。どうも先へ続いているコイン。けっこうな距離が続いていて、しゃがんでの移動は大変だ。
「もう何枚目だろ…」
「次は…え?」
「リコ?」
また少し先に光を当てたリコはぴたりと止まった。ロイも光を当ててみると、そこには黄金の足。顔を上げると、暗闇でもうっすらと輝く体が見える。そして、懐中電灯を完全に当ててみると…
「サァァァァァァァァァァフ!!」
「わわっ!?」
サーフゴーの大声に驚いた二人は思わず尻餅をついた。それでも互いの手は離さず、片手だけをついた。二人の口を開けた顔を見てたくさん笑ったサーフゴーは黄金のボードに乗ってその場を後にした。
「びっくりした…サーフゴーがおどかすためにコイン置いてたんだ…」
「そうみたいだね…いつの間にかコインも無くなってる…」
「リコ、怪我はない?」
「うん、平気…気を取り直して…ひゃああああ!!」
「リコ!?」
「上…上…」
地面を蹴ってロイの方にすり寄るリコは下げた顔を上げない。ロイがゆっくりと顔を上げていくと、人一匹丸呑みできそうなほどに巨大なアリアドスがリコとロイをじっと見つめていた。巨大なアリアドスの巣には糸に包まれた何かがたくさんついている。中には人のシルエットをしたものも…
「や、やばい!逃げるよリコ!!」
「う、うん…!」
再びロイがリコの手を引いて前に走る。アリアドスはそんな彼らを目ですら追わず、じっと固まっていた。走っていると、あちこちから悲鳴が聞こえてくる。こうも声がすると、ぐるみんの仕掛け以上に怖い。そして走ると足元の確認を怠ってしまう。ロイは何かに躓いて、体が前に傾いた。
「ロイ!!」
転げそうになったロイの手をしっかり握って、リコはその場で力強く踏みとどまった。どうにかロイも体勢を立て直し、二人とも一息ついた。
「ありがとうリコ…でも手離してくれてもよかったのに」
「ロイに転んでほしくなかったし…それに、ロイの手このまま握ったままがよかったから…」
「そっか…」
暗闇でよく見えない相手の顔が、ちょっぴり赤く見えた。気恥ずかしさから下を向いたリコは繋いだ手の向こうに一瞬、あるものを見た。
「あれ…今…」
「どうしたのリコ?」
「なんか…少し太い糸みたいなのが見えたんだけど…気のせいかな」
「確かにそんな感じのに引っかかって転けたな…でも、ここには何もなさそう」
地面に光を当てても、リコの言うような糸は見つからない。真相は闇のまま、二人はひとまず進むことに決めた。ゴールまであと少し。お札を手に入れたら帰りは専用の道があるからゴールに着けばもう大丈夫だ。
しかし、リコはゴールに向かうことに少し後ろ向きの気持ちを抱いていた。怖いものにこれ以上襲われなくなるのは嬉しい。でも、ゴールしたら…リコの視線はずっとロイの左手を握ったままの右手に向いている。一方、前を見て歩いていたロイの足は不意に止まった。気づいたリコが視線を高くすると、青紫の炎が宙に浮かんでいる。
「鬼火だ…」
「どうする…?ロイ…」
「ここまで来たんだ。このまま行こう」
二人は鬼火を避けて前へ進む。通り過ぎてしまえばどうってことはない。そう、思ったのも束の間、鬼火は彼らの背後を不規則に揺れながら追ってくる。後ろが気になりつつも、二人は歩く。するとどこかから鬼火が一つ増えた。さらに進めばもう一つ。もっと進むともう一つ。そしてとうとう五つになった。すると突然、鬼火はリコとロイを囲むようにくるくると回り始めた。ゆっくり回ったかと思えば速くなり、またスピードが落ちる。つかみどころのない動きに翻弄されて二人は身動きがとれない。
「くっ…リコ…離れちゃダメだよ」
「うん。絶対この手は離さない」
鬼火はきゃきゃきゃ、きゃきゃきゃと笑って回転する。大丈夫、大丈夫。お互いの手を強く握って、リコとロイは一緒に唱えて鬼火を見つめる。すると、鬼火が一つになって、伝説のポケモン<ファイヤー>を思わせる姿になって大声で叫んだ。しかし、それでも二人が毅然とした表情を見せると、鬼火は散り散りになって消え去った。
「ふぅ…よし、行こうリコ。もうゴールはすぐそこだ!」
「うん!」
再び歩き出した二人は木々の間を抜けて、ついにゴールであるミサキ神社に辿り着いた。森の中とは違って照明があって、怖い雰囲気はあまりない。そこで二人が一息つくと、ニャっという声がした。見ると、途中ではぐれたマスカーニャとラウドボーンがいる。
「マスカーニャ!ラウドボーン!よかった…無事だったんだね」
「もう…急にいなくなってびっくりしたよ」
リコとロイがそれぞれ声をかけると、マスカーニャは少し得意げに笑っている。ラウドボーンもなにかちょっと悪い笑顔だ。パートナーたちの不思議な様子に首を傾げながらも、リコとロイは二匹を連れて奥のゴール受付に向かった。そこではぐるみんがお札を配りながら参加者と握手をしている。前の人が終わり、二人がやってくるとぐるみんもすぐに気づいた。
「よーっす!ゴールおめでとう!!」
「えへへ…ありがとうぐるみん」
「ん〜?おや〜?お二人さんずっと手繋いできたのかなぁ?仲がいいなあ?」
ぐるみんがそう言うと、リコとロイの頬は一瞬で赤くなった。今度は明るいのでお互いにもぐるみんにも丸見えだ。しかしそれでも二人は手を離さない。これは…完全にデキたか…?とぐるみんが二人の様子を伺っていると、リコがごほんと咳払いをした。
「お、お札!ください!!」
「おう!このぐるみんお札を持ってスタートの受付に行ってくれよな!!アクスタと引き換えだぜ!」
「やったー!!」
「よかったね、リコ」
「うん!」
元気一杯に笑うリコを見て、ロイも頬が緩んでいる。さっきまでの恐怖はどこへやら、幸せいっぱいの空間になっている。ぐるみんが握手するか聞くと、リコは元気にします!と答えた。
「あ、じゃあリコ、そろそろ手離そっか。両手で握手したいでしょ?」
「うん…ほんとにありがとう、ロイ」
「お礼なんていいよ。僕も楽しかったからさ」
とうとう離れた手が、少し寂しい。
リコがぐるみんとの握手を済ませると、手を振ってその場を後にした。ゴールからスタートまでは森を迂回した街灯もたくさんついた明るい道を通って帰る。怖かったけど、楽しかったね。リコはそんな話をしながら、もう繋がっていないロイの手をちらちらと見つめていた。
受付でアクスタを引き換えてしばらくした頃、肝試し終了のアナウンスが響いた。それからさらに十五分ほどして、片付けを終えたドットがスタート地点にやってきた。
「ドットお疲れ」
「おー。ああ…疲れた…さすがに大変だった」
「その箱に入ってるのって…」
「仕掛けといたやつだよ。例えばこれとか…膨らんだらでっかいアリアドスになるんだ」
「あれ風船だったんだ…じゃああの巣とかも?」
「そ。この町で元々やってた肝試しで使ってたんだって。町の人とかポケモンにもたくさん協力してもらってさ。おかげで大成功だよ」
得意げに笑うドットの後ろで、ウェーニバルたちも同じようにいくつか箱を持っている。リコたちが通ってきた道以外にはまた違った仕掛けがたくさんあったようだ。
「おい…じゃあアレもドットの差し金か…?」
「ウルト?どうしたんだそんなしんどそうにして」
「そういやゴールに来なかったけど…なにしてたんだ?」
「出口が分かんなくなって今出てきたんだ。悪いか?」
また道に迷ったのか。ロイが呆れて言うと、そんなことより!!とウルトはドットに詰め寄る。
「おい!アレも仕掛けなのか!?」
「アレってなんだよ…」
「白い手に白いワンピースの女の子だよ!!急に後ろに出てきて…あの子に脅かされたせいでこんな目に…」
「女の子…?手伝ってもらったのは大人の人とポケモンだけだよ。それに参加者にもそんな格好してた子は多分いなかったな…」
ドットがそう言うと、場が凍った。仕掛けじゃないなら、その女の子は…四人が息を飲む中、ラウドボーンがウルトの後ろをじっと見つめていた。
「ラウドボーン…?もしかしてそこに…?」
「あ?なんだ?なんなんだよ?」
「みーつけた」
ウルトの背後から囁くように響いた声。彼が振り向くと、そこには肌も服も白い女の子が宙に少し浮かんでいる。
「おにーちゃん。あーそーぼ?」
「うわあああああああああああああ!!!!」
ウルトは叫びながら全力でその場から走り去る。白い女の子はまってまって〜と笑いながら空を泳ぐように彼を追った。
残されたリコたちはしばらく黙り込んだ。ひとまずウルトの無事を祈り、ドットは町の会館へ荷物を、リコとロイは飛行船への帰路を歩んだ。その帰路の途中で、リコがロイの手を握った。
「ロイ…その、またお願いがあるの」
次回、「夏祭り」へ続く。
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