Mae❍
2025-08-13 12:23:10
1020文字
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始まりの予感

2年生 冬の始まりの爆轟
(べったーから移行)

冬の始まりは、恋の終わり。
少し前まで紅葉として人々を楽しませていた葉は、役目を終えたように色を変えて、木から落ちる。それが落ち葉になって、子供の玩具になったり。クシャクシャと踏まれて誰かの暇つぶしになったりする。

あ?」

爆豪が学校から寮への道を歩いていると、道端にしゃがんでいる紅白頭を見つけた。爆豪に背中を向けているので何をしているのか分からないが、冬の冷たい風が彼の紅白髪を揺らしていた。

「おい、」

爆豪が側に行き声を掛けると、轟はビクッと肩を揺らした。

「ばく、ごう
「なにしてンだ」

轟は左右違う瞳をパチリと見開いて彼を見る。その手には、一枚の葉が握られていた。

?」

爆豪は轟と目線を合わせるように屈むと手に握られている葉を見た。それは、彼の髪色のような綺麗な紅色をしていた。

「キレーな色だな」
「うん

轟はその葉をくるくると回しながら見つめる。

「爆豪の目の色に似てる」

そう言って笑うものだから、爆豪は思わず轟の頭を撫でた。それはいつもの彼とは想像が出来ないほどに優しく、温かいものだった。轟は暫く目を見開いていたが、嬉しそうに目を閉じた。

「テメーの髪にも似とるだろ」
「ぉ、そうか」
帰るぞ」
「うん」

二人は立ち上がって寮までの道を歩く。その間にも、道にそびえ立つ木々からは絶え間なく葉がこぼれ落ちている。その中には赤、黄など、他にも茶色や黒に近いものもある。
轟は落ちてくる葉を見つめながら歩く。爆豪も視線を空に移す。青の半分が赤に染められた空は、一度染まってしまえばあっという間にその色に染められてしまう。彼らが恋を自覚し始めた頃に似ていた。

──カシャ、カシャ、クシャ、クシャ

地面を踏みしめる度、愉快そうな音が鳴る。轟はそれに頬を緩ませながら歩いていく。

「それ、楽しいンか」
「?うん、楽しい」

隣りに歩くのを許してから、何ヶ月が経っただろう。彼が、こんな笑顔を向けてくれるようになるまで長かった。爆豪はそんな事を考えて、意を決したように目の前の人物を見る。

轟、」
「?」

確かに焦がれ続けた彼に、爆豪は意味のある吐息を吐き出した。

「好きだ」

顔を赤くして爆豪が言った。そしてそれは轟にも伝染して、彼も顔を赤く染めた。その次の応えは、もう決まったようなものだった。
──冬の始まりは、恋の終わり。そして、お付き合いの始まり。