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Public まほやく
 

『ここは下り坂、振り向かないで』解題


この話を書いたときにフェイクドキュメンタリーにハマってました。
影響を受け、「意味深な描写がたくさん出てくるけど、解釈は読み手に開かれている」という話を書きたく、『ここは下り坂~』はそういう雰囲気になりました。
なので、私が今から書くことは「正解」でもなんでもなく、そもそも「正解」は存在しないのですが、それでも私の筆力の問題で読み終えてから「なんだったんだこの話は?」とモヤッとしている方がいらっしゃるなら少しでもスッキリする助けになれば&私はとても忘れっぽい人間なので、自分的にはどういう話のつもりだったのか書き残しておこう~という「解題」です。

【前提】
・アクスイ軸の特徴って、魔法舎軸ですでに亡くなっている人が生きていることだと思っていて、つまりあの世界は「黄泉の国」とか「煉獄」とかで、それを賢者が夢を通じて覗きに行って、無事に帰ってきたのがアクスイのイベストなのでは?
・イベスト中で夢から覚めた全員は、魔法舎の設定を思わせる即興劇を演じており、つまりは「魔法舎の存在」を前提にした即興劇を行うことが、夢から覚めるキーなのでは?
・イベスト中で魔法舎のフィガロが賢者を救いに来たように、魔法舎の世界からアクスイの世界には意図的な介入が可能なようだ

【タイトル】
『ここは下り坂、振り向かないで』
この坂は日本神話での黄泉平坂のこと。あるいは、魔法舎における、それに近い場所。生者の世界と死者の世界のはざま。
オエ視点でカに言ってるイメージ。
彼は生よりも死に近い(何度でも死ねるし地獄の番犬を飼っているし)ひとなので、帰属意識(?)がそちらにあり、上から下に向かう坂という認識になる(坂道は目的地が坂の上か下かで「上り坂」か「下り坂」か呼び方が変わりますよね)。
あと、この坂を転がり落ちたら戻れない(バッドエンド)から、決して振り向かないで自分を置いていけ(ノーマルエンド)という含意もある。

【ひねくれたコメントをする視聴者】&【ダークウェブに動画あげたやつ】
別の世界線にいるオエ 前述のとおり、何度でも死ねる人だから、黄泉の世界を覗けるオエもいろんなところにいそう
(バッドエンドのほうではいよいよカインが元の世界に戻れなそうで焦って、「早く思い出せ」と言っている)

【分岐】
本当に欲しいものを手放さなければ、欲しいものは得られない(例:僕と共にある君を救おうとして何度も失敗した、君を救うには僕が消えなければならないのだ)というのはタイムループものやパラレルワールドもののお約束かな~と思って、賛成する(離れ離れになる可能性を受け入れる)→ノーマルエンド、反対する(離れ離れにならないようにする)→バッドエンドとしました。

【ノーマルエンドの即興劇】
>「魔法舎の存在」を前提にした即興劇を行うことが、夢から覚めるキーなのでは
ということで、実は演技の巧拙は関係ない。
なのでカインが消えた(夢から覚めた)あとのどっかのタイミングで、一緒に即興劇をやったオエも消えて(目を覚まして)いる。
ただし、前述のとおりオエは生よりも死に近い人なので、あの世に留め置かれてしまう可能性もあるような気がしており

【ノーマルエンドの大オチ】
・「そこにはなにか原初的な恐怖が潜んでいるような気がした。暗闇や死を恐れるのと同じたぐいの恐怖。」
死者の世界を覗いてきたから漠然と怖さが残っているんだよ~という匂わせ(わかりづらい)

・「世界が揺れた気がした」
ただの夢から覚めたというよりは、別の世界から移動してきたので、まだ世界の境界が不安定的な(的な?)

・「掴んだ手は、あの世とこの世のあわいにあるように、冷たいけれど確かに温もりを持っていた。」
オエは生死のあいだをたゆたってる人なんだよな~という描写。

・「おまえは本当に演技が下手だね」
これは読み方が二種類あると思っていて、
①「演技が上手いカインのことを覚えていないオーエン」=「このオーエンはアクスイ軸のオーエンではない」=「やっぱりアクスイ軸のオーエンはあの世界に囚われたままなんだ!?」(怖い)
②「演技が下手」といいながら懐かしげにしている=このオーエンはカインと一緒にアクスイ軸にいて戻ってきた魔法舎のオーエンであり、カインが魔法舎に戻ってきた(任務以外のときでは嘘が下手な本来のカインに戻った)ことを喜んでいる(めでたい)
どっちでもいいです。

【バッドエンド 3タイプの事件解説動画】
正解は③「『ファンタジックな異世界』に飛ばされてしまったのでは?」

【バッドエンド オエの再生した解説動画】
『これまで演じられてきたアクスイと今回のドラマ版が異なるのは、劇中の即興劇が実際に即興で演じられたことだ。アクト・スイッチというタイトルは、出演俳優の中身が入れ替わる、すなわちアクターがスイッチするということ、また、出演俳優がスイッチをオンオフするように自在に役と自分自身、あるいは自分自身と他者を行き来する様から取ったものだろう。しかし――
だからドラマ版以前のアクスイでは失踪者が出なかったんだよ~という言及(台本通りに演じていたら、魔法舎の記憶が出てくるはずがないので)。
ダッシュのあとは、失踪(=夢から覚める)のスイッチが(即興劇を)アクトすることであるから『アクト・スイッチ』というタイトルなのでは?という話に続いている。

【検索結果に出てこない】
この世界に魔法舎の記録がない。
自分から思い出すことが戻るためのスイッチなら、調べて思い出しては意味がないので、核心的な記憶は伝聞ではわからない構造になっているかも?

【ダークウェブに動画を投稿した人】
前述のとおり、どっかの世界線のオエ
動画を悪用したモブは本当にただのモブ
オエは悪い人だけどなんだかんだ常識人だし性癖も実はそこまで歪んでいなさそうなので、こんな悪用のされ方は想像してなかったんではないか

【「ふたりで探そう。この世界のどこかにまだいるはずの、9人を」】
もうアクスイの世界のどこにもいないです

【「祈りを忘れてしまえば、簡単なことだった」】
魔法舎の記憶(1.5部)への言及(オエは気づいていない)でもあり、単純に「あきらめてしまえば」という意味でもある。

【バッドエンドの最後】
「まるで世界にふたりきりみたいに。」「この世界に残された、僕の唯一の友だち。」
魔法舎のまほたちは次々に記憶を思い出して現世に戻っていき、やがて生者はこのふたりだけになるのかもしれない……