三毛田
2025-08-11 22:41:56
1070文字
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81 081. 息を切らせて

81日目
走って逃げる

「走れ〜!」
「穹! あんた何したの?!」
「お前はまた……
「今回は冤罪です!」
 二人からの視線が痛い。苦しく感じる。
 こうして走って逃げているけれど、本当に冤罪だ。
 犯人は、子供。ずるがしこいそいつは、俺に罪を擦り付けて逃げて行ったのだ。最悪。
 何とか路地裏に逃げ込み、やり過ごす。
「はあ、はあ……
 息を切らせて走っていたものだから、呼吸が苦しい。
 なのも苦しいのか、肩で息をしていて。
 丹恒だけが、涼しい顔で周囲を確認している。
「それで?」
「ゴホッゴホッ。店の商品を、悪戯で引き倒したクソガキがいたんだよ。近くに俺が痛んで、俺にそれを擦り付けて逃げやがった」
 思わず口が悪くなる。でも、仕方ないだろう。
「なるほど。それを伝えなかったのか」
「伝える前に、追いかけられたんだって!」
「うう……まだちょっと苦しい」
「なの、ごめん。折角の休暇だったのに」
「きちんと伝えて誤解を解け。それと、真犯人を捕まえろ」
「それはするよ」
 人目を避けつつ、店まで向かう。
 店の前で警備員たちに捕まったけれど、店の人が俺は何もしていないことを伝えてくれ。
 店員の話を聞き、俺に罪を擦り付けた子供を探すと人ごみへ消えていった。
「あー……
「お詫びにいいホテルに泊まれるようにしてもらえたのはよかったけど、疲れた」
「夕飯までには起こす。寝てもいいぞ」
「はーい」
「ウチも寝よう」
「三月、自分の部屋に戻れ」
 丹恒の言葉は、右から左へと流れていっているようで、ベッドに寝転がるなの。俺はいそいそとソファーへ移動。
 そんな彼女にタオルケットをそっとかけて、それから俺にもかけてくれる。
「丹恒は、寝なくて大丈夫なのか?」
「ああ。それに、俺まで寝てしまったら、誰がお前たちを起こす」
「それもそうだよなぁ……丹恒」
「どうした」
「落ち着いたら、デートしよう」
……そうだな。考えておこう」
「はい。か、イエス以外は受け付けませーん」
「なるほど。ずいぶんとどん欲だな」
「ふへへへへ。だって、元々そのつもりだったから、さ」
 瞼が重い。
 慣れない土地で、走り回った疲れだろう。
「おやすみ、穹」
 丹恒の優しい声に、すぐに眠りに落ちていった。
 結果だけ伝えれば、夕飯はとても美味しかったし、なのが自室に帰ってから丹恒とイチャイチャしたので結構満足してる。
 初めは嫌なことがあったけど、デートも出来たし、意外とこの星は悪くない所かもしれない。
 あの後真犯人はちゃんと捕まえたらしく、謝罪された。