みんなで囲んだ真ん中の焚火がぱちぱち燃えている。火の上の鍋は塩味のスープの中で魚がぐつぐつ煮えていて、もう少しで食事ができあがりそうだ。でも、炎を見つめるナマエちゃんの横顔は元気がない。大変だ。食いしん坊のナマエちゃんが、ご飯を前にそんな顔するなんて。
「な、ナマエちゃん。どうしたのぅ?」
「………」
「悩みならこの僕が聞いてあげるよぅ! 仕事がキツいなら千空に言うし、ヤなやつがいるなら松風が……」
「違うのっ!!」
きっぱりした拒絶に胸がずきんとする。僕じゃ頼りない?……よねぇ。僕じゃナマエちゃんを支えてあげられない?……よねぇぇ……。でも僕、ナマエちゃんが困ってたらなんとかしてあげたくて。
「違くって、あの、ね?」
ナマエちゃんはやっと僕の目を見てくれた。
「その……、お魚好きだったのに、おいしいものたくさん知っちゃったから、……ちょっと飽きたなあって。科学って不便な時もあるねえ」
ナマエちゃんはてへへと笑う。なんだよぅとか、心配したのにとか、そんなのより先に出てきたのは。
「僕が頑張って捕まえた魚も入ってるよぅ。おいしく食べてあげてよぅ」
ナマエちゃんは、あ、って急にまじめな顔をした。
「ありがとう、銀狼。私やっぱり、お魚好き!」
楽しみだなって笑う横顔は見慣れたナマエちゃんで、ほっとする。どうせならその好きは僕に向けてほしかったなぁとは、思うけど。
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