しちろ
2025-08-10 09:41:52
3653文字
Public LOM・連載主人公の短編
 

男主の昔話の草稿晒上げ

男主人公n周目の話の草稿。相当やさぐれて(病んで?)おります。
『いつかどこかのファ・ディールで』の下敷きになっていたり、一部いろんな短編に出てきたりしています。ラスト部分は『十五夜草』の最後の場面に当たります。気が向いたら、部分的にちゃんと書いたりするかもしれない。


【砂浜のメモリー・カニバッシング】
 
バド「師匠、マドラ海岸行ったのにカニ一匹も踏まなかったの?」
男主「そうだけれど」
バド「逆にすごくない? あそこカニだらけで、どう歩いても何匹かは踏んじゃうのに」
男主「俺は心優しい友愛の種族(人間)なんで」
バド「またまた……

※以前、カニバッシングコンプリートしたら書斎がカニだらけになったので、凝りて以来踏まなくなった人。『いつかの宝石泥棒編2』でカニバッシングコンプしたことがあると発言しているのはこれが元。
 
 

 
【夢ならよかった】
※マナの聖域。『いつかどこかのファ・ディールで』ラスト部分の元になった話。
 
ポキール「やあ、シオン」
男主「……毎度毎度、待っていなくていいのに」
ポキール「これもボクの仕事というか。君とはすっかり長い付き合いになってしまった」
男主「繰り返すこのファ・ディールで時を重ねているものがわずかにある。女神と俺と、あんたら賢人。それから」
草人「しおん~」
男主「そいつら。個体差はあるようだけど」
ポキール「彼らはマナの樹の種。樹になった記憶をかすかに残しているのさ。なにか手立ては見つかったかい?」
男主「さあ。あんたは、女神はあらゆる手段を用意しているというけれど、今のところさっぱり見つかる気がしない。そもそも、俺はどうも、女神のお気に召さないらしい」
ポキール「……
男主「……時々思うんだ。今の俺は夢か何かで、本当の俺はあの日のまま女神と聖域にいるんじゃないかって。女神や俺なんかほったらかして、世界は何事もなかったかのように明日を迎えている」
ポキール「もし、そうだとしたら?」
男主「とても気が楽だ」
ポキール「……
男主「今のファ・ディールは、俺が道連れにしたみたいなものだよ。……女神も俺だけ連れていけばよかったのに」
 

 
 
【忘れてしまったこと】
 
真珠姫「おにいさまは、大切な思い出をおぼえていますか?」
男主「なぜ、そんなことを?」
真珠姫「わたし、瑠璃くんと会うまえのこと、なにもおぼえていないから……きっと大事なことわすれてるの……。それがなにかわからないけれど……。おにいさまは、どうかなって」
男主「そうだな……覚えているものもあるし……
真珠姫「……
男主「忘れてしまったものも多分たくさんある。その中には、本当は忘れてはいけなかったものもあるような気がする。けれど、それが何なのかは、もう思い出せない」
真珠姫「そう、なんだ……
男主「記憶喪失で悩んでいる真珠姫と比べてはいけないけれどね」
真珠姫「いいえ……わかる、気がします……わたし……
 
  
 

 【蔵書】
※『いつかどこかのファ・ディールで』に登場する話。
 
バド「師匠の書斎すげー! 宝の山じゃん!」
男主「魔法書もある。読みたい本は好きに読んだらいい。ただ」
バド「?」
男主「……この本だけは、絶対に開くなよ」
バド「は、はい(こわっ!)」
 
 
 

【禁断の書】
※上記に続けて、同じ話に登場。
 
バド「ダメと言われたら見たくなるのが人の常と言いますか……
コロナ「止めなよ、バドってば~! 」
バド「まさかのえっちな本とか……そーっと」
男主「バド」
バド「はいぃ!」
男主「やっぱりな。お前に魔法の勉強は早そうだ」
バド「師匠、わかってて試したのかよ! イジワル!」
男主「実際に約束破っただろう。それに、その本はその棚から動かせないんだ」
コロナ「どういうことですか?」
男主「何度捨てても戻ってくる」
バド「ぎゃあああ!」
コロナ「ちょっとシオンさん、冗談止めてよ!」
男主「冗談じゃない。手に入れた覚えもないのにいつの間にか蔵書に加わっていて、何度も手放そうとしたけど、その度帰ってくる。魔力が強すぎて他の誰かが扱える代物でもないし、仕方なくそのまま保管している。まあ、開きさえしなければただの本だよ」
コロナ「あの、もし、開いたら……?」
男主「地獄が待ってる」
バド「ぎゃあああ!」
男主「好奇心はけっこうだが、分を弁えなければ時に身を滅ぼす。大魔法使いになりたいならよく覚えておけよ。俺は無意味に犠牲は出したくないんだ」
 

 

【理由】
※『英雄の一番弟子』に登場するひとこまの元。
 
バド「師匠って、魔法書は読むわりに魔法使わないよね。なんで?」
男主「剣で斬ったほうが速いから」
バド「こっ、怖いこと言わないでよ! 師匠が言うとシャレにならないし!」
男主「あとは、まあ……
バド「剣は本当なんだ……
男主「そもそも俺は魔法に向いてない」
バド「ど、どこが? 魔力の強い師匠が向いてないなら、誰が向いてるんだよ」
男主「ただ強ければいいわけじゃない。魔法使いに向くのは二種類だ。精霊の声を聴き協力を得るのが上手い者か、精霊を力でねじ伏せ屈服させられる者。俺はどちらも向いてない。魔法を行使するたびに、いちいち声を聴いてやれるほど気の利いた性格してないし……
バド「……
男主「後者は一度やったことがあるけれど、精霊が血の涙を流して泣いた。だからもうやりたくない」
バド「……
男主「バド。魔法使いとしてどちらを目指すかは、お前が自分で考えることだ。答えを急ぐ必要はないけれど、後悔はしないように」
バド「……うん。わかったよ」
 
*シオンは一度、自分ごと女神を火の魔法で焼いたことがあります。
 


 
【天気予報】

バド「よーし! 支度は整えた! 明日はバド様初めての冒険に出発だ!」 
男主「明日は大雨だぞ」
バド「し、師匠! いや、あの」
男主「別に行くなとは言っていない。雨だからおすすめはしない」
バド「じゃあ、明後日」
男主「明後日も雨だ」
バド「……なら、そのつぎの日」
男主「雨」
バド「次!」
男主「雨雨雨雨、そのまた次も雨」
バド「いつならいいんだよ! 行かせる気ないじゃんか!」
男主「9日後には雨が抜けて……
バド「はあ?」
男主「10日後には晴れる。どうせ行き当たりばったりの思いつきだろう。それまでの間に気が変わらないなら、しっかり計画練って準備を整えておくんだな」
バド「……なんだよ、適当なこと言っちゃってさ」

 翌日 
コロナ「今日、すごい雨だね~。昨日はあんなにいいお天気だったのに」
バド「……本当に?」
 
10日後
コロナ「やっと晴れた~! お洗濯ものが干せるわ! こんなに雨続くなんて」
バド「嘘だろ……カレンダーに書いた天気……

『明日は大雨、明後日も雨。その次も雨で……』 
 
バド「師匠の言った天気……全部当たってる……
 
※周回世界だから天気も一緒です。
 



【斬ってほしいもの】
 
男主「俺が運命の剣で斬りたいもの?」
瑠璃「ああ」
男主「その剣は瑠璃のものだろう。俺なんかに聞かないで自分で決めろよ」
瑠璃「別になにか斬ろうってわけじゃないが……聞きたいだけだよ。アンタならどうするか」
男主「なんだ、代わりに斬ってくれるんじゃないのか」
瑠璃「…………場合によっては、斬ってやらんでもないが」
男主「うーん、そういうものなら、いくつかあるけれど……
瑠璃「……
男主「一番斬ってほしいものは、多分……瑠璃が一番嫌がる」
瑠璃「……
  
 

 
【涙も出ない】
 
草人「ココロのある人はどこかに行っちゃうんだって。ポキールが言ってたの」
男主「……
草人「シオン?」
男主「……俺はそろそろ、どこにも行けなくなるかも」
草人「?」
男主「……目の前で仲間や友達が死んでも、もう……」  

 
 

【試行錯誤の限界】
 
ポキール「こんばんは、シオン」
男主「……なんだよ」書斎で突っ伏している
ポキール「大した蔵書だね。魔道師や学者垂涎の書も多いだろう」
男主「……役には立たなかった」
ポキール(ふむ、取っているメモは弟子や仲間には読めない古代文字……。なんとまあ……彼らしいというか)「『他』にも行ってみたとか」※『ほかのファ・ディール』
男主「行ったけど、それが?」
ポキール「……
男主「……用がないなら、帰ってくれない?」
 
 


【もう一人の自分】
※『十五夜草』ラストシーンの元。

 
暗黒面(昔の男主)「俺はお前の暗黒面……らしいけど」
男主「……
「俺のほうが穏やかで優しいって、おかしくない?」
「うるさい、どこだか知らないがとっとと帰れ。お前見てると気分が悪い」
「はぁ……我ながら口が悪いなあ……
……
「言いたいことはわかってるよ」
……
……なあ、あの時俺は、どうすれば良かったんだろう。女神の涙なんて構わず斬れば良かった? それとも、あのまま目を覚まさなければ良かったのかな。そうすれば、みんなに違う未来があったんだろうか……。わからないんだ、ずっと」
……