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饗李
2025-08-09 02:28:35
734文字
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微睡みとベッドの中で
跡部夢、名前変換有。
跡部が腕の中で寝ている彼女を見ている話。
饗李
饗李
「けいご、せんぱい」
上手く呂律も回っていない口で、名前を呼ばれる。それに答えるように頬に手を添えれば、嬉しそうに微笑まれた。ぎゅう、と抱き締めると饗李も擦り寄ってくる。
……
起きている時も、これだけ素直で居てくれればいいのだが。
寝る前、
饗李
が素直になって甘えてくると知ったのはいつだろうか。付き合い始めた時期は寒い時期であったし、家に泊まるようになって一緒に寝るようになってやっと気付いたこと。寝る前までは「照れる」だの「近い」だの言って逃げようとするが、暖かくなると眠たくなる。そうなると、素直にベッドに入って腕の中に居てくれる。
「
饗李
」
「けーごせんぱい」
蕩けるような笑顔を浮かべた。それが愛おしくて堪らなくて、思わず抱きしめる。どうしたんですか、なんて笑いながら問いかける彼女はもう既に眠たそうだ。
あやす様に背中をさすれば、暫くして寝息が聞こえてくる。腕の中で気持ちよさそうに寝る彼女の額にキスを落とした。
いつもであれば顔を真っ赤にさせて起こりそうではあるが、今は夢の中だから何も言われない。ぎゅうと強く抱き締めて、自分も目を瞑る。
……
ここまで来るのに、本当に時間がかかったものだ。照れる彼女を口説いたのだって、付き合い始めてからここまでの距離感を許されるのだって、同じベッドに眠ることだって。愛おしくてたまらないからこそ、ここまで口説き落としたのだ。あからさまに好意を持たれていると気付きながら、知らないフリをしていた。指摘したら逃げられてしまうから。
……
そんなところも好きなのだ、と言ったらどうなってしまうのだろうか。ふ、と笑みがこぼれた。
あわよくば、この時間が続きますように。柄にもなく、どこかに祈った。
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