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syanpon
2025-08-07 22:49:19
1299文字
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誓いはいくつあってもいい
現パロ
オトスバ
誓いはいくつあってもいい
「よし」
同居人の帰宅を待つ一人の部屋、決意の声は思ったよりよく響いてスバルはなんとなしに口を閉じた。机の上にはリングケースが二つ。箱を開ければ控えめにつけられた装飾がLEDの灯りを受けてキラリと輝いた。
高校生の時から付き合って。
大学を卒業し、就職して数年。自分の力でこういった高い買い物も買うことができるようになった。
スバルは今日、友人で同居人で恋人のオットーにプロポーズをする。
こういうのは勢いが肝心だ。多分自分達には洒落たお店で夜景を見ながらロマンチックに指輪を渡すなんてことは似合わない。あと多分スバルがいいレストランを予約しようとすれば何か企んでるとバレるに違いない。
オットーが帰ってきた瞬間に玄関に迎えに行く、そしてそこで指輪を渡す。どう考えても行き当たりばったりな考えだったがきっとあの恋人は笑って受け取ってくれるに違いないのだ。もしかしたらちょっと泣くかもしれない。
ちなみにここまでスバルが自信をつけるまでにオットーの血管と胃に多大なダメージがあったことはいうまでもない。「俺じゃお前に相応しくないよ」と逃げ出した数が十七回、「他に好きな人できた?」と浮気を疑ったのが二回、「俺はお前のこと好きだけど同情で一緒にいてくれなくなっていいんだぜ」と地雷を踏んだのが十回である。
その度にオットーは怒り、呆れ、スバルの腕を掴んで引き戻し抱きしめて愛を囁いてきた。
ピタゴラスのカップの如く囁いた愛が全部溢れていってしまうスバルにオットーがとった行動はスバルごと大きい愛情のこもった水槽にぶち込んでやるという手段だった。
尚執着入りのためとても重い。
閑話休題。
ガチャリとノブが回った音をスターティングピストルにしてスバルは玄関に駆け出した。
「オットー!」
扉の前でスバルの大好きな灰色が揺れているのをみて早鐘を打つ心臓をギュッと押さえつけてスバルは声を出す。
「俺と結婚してくれ!」
「僕とずっと一緒にいてください!」
「「
……
え?」」
重なった声、スバルの視界には二つのリングが煌めいて見えた。
一つは間違いなくスバルの手のひらの上にあるスバルが購入したものだ。だが意匠は違えど小ぶりなリングケースに収まった綺麗な指輪がオットーの手のひらの上にも乗っている。
「お、俺。お前にプロポーズしようと思って
……
」
「奇遇ですね
……
僕もでした」
目の前の男が決まらなげに困ったような笑顔を浮かべながら灰色の髪をかきあげる。目の前に鎮座する二つの指輪とオットーの顔を見まわしながらスバルは笑った。
「なぁ、俺たち二人揃っておんなじ時にプロポーズしようとしたってこと?」
スバルは声を上げて笑った。目の前の男がバツの悪そうな、恥ずかしそうな顔をしているの含めて全部おかしくて愛おしかった。
「なぁ俺にお前の指輪をつけてよオットー」
そうして俺の指輪をお前につけさせてくれ。
揃いじゃないリングを左の薬指に揃えて、今日も明日だって二人は手を繋いで眠るのだ。
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