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三毛田
2025-08-07 22:34:08
1085文字
Public
1000字4
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77 077. 長い睫毛が揺れて
77日目
唇を重ね合わせる
見た目よりも長いんだな。そんな感想。
飲月になると、それが顕著に。
「何を見ている」
「丹恒の睫毛。針乗りそう」
「瞼に刺さったら、怪我をする。実際に行動するのはやめろ」
「はぁい」
怒られた。
まあ、そんなことをして証明しなくても、丹恒の睫毛の長さは俺だけが知ってればいいし。
「ちゅ〜していい?」
「
……
頬になら。したら、すぐに離れろ。続きを読みたい」
「はぁい」
軽く、触れるだけのキス。
楽しみにしていた本がようやく届いて、本当は夜通し読みたいのを我慢しているのを、俺は知っている。
だから、あまり邪魔したくないというのが本音。
でも、構って欲しいと思っているのも本当。
邪魔にならないように抱きしめ、目をつぶる。
あんまり抱き着いている時間が長いと、丹恒は火傷してしまう。
火傷させないよう、一度くっついたら、しばらくは離れて。それを繰り返す。
「ふう」
ぱたんと本を閉じ、感嘆のため息。
「終わった?」
「ああ」
「面白かった?」
「すごく」
珍しく語彙力がなくなっている。可愛い。
「ぎゅってしていい?」
「お前のぬくもりに包まれながら、反芻したい」
「じゃあ、ん!」
両手を広げて抱きしめる準備をすると、そっと目を閉じて体を預けてくれた。
「どういうところが面白かったとか、言いたくなったら聞いてるから」
俺が告げると、俺の背中に手を回し。それから、ボソボソと話しだして。
時々相槌を打ちながら、丹恒が話終えるのを待ち。
「
……
」
「どうかした?」
「誰かにこうして感想を聞いてもらえるのは、初めてだったから。効いてもらえて嬉しいのと、少々こそばゆい気持ちになる」
「そっか」
多分、いいこと。
しばらく抱きしめていると、もぞもぞと動き出して。
「丹恒?」
「穹の、顔が見たい」
「どうぞ」
腕を離すと、そっと体を離し。それから、俺の肩を掴んで。
「ん
……
」
自分からキスを。
伏せられた瞼を縁取る長い睫毛が揺れて。
舌をねじ込んで、深い口づけを交わしたい気持ちを我慢し、丹恒が満足するのを待つ。
「も、いい」
「はい」
「ぎゅってしてくれ」
「はーい」
しばらくキスをして満足したのか、ちょっとだけ放心状態のような表情で。
そっと瞼を伏せて、睫毛を揺らしながら俺の胸に倒れ込んでくる。
その背中に腕を回し、抱きしめればくるると嬉しそうな鳴き声。
頭も撫でれば、きゅうきゅうとまるで俺を呼ぶかのような鳴き声も。
「丹恒、可愛すぎる」
「可愛いのは、お前だろう」
「それはもちろんだけどさ。ほら?」
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