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もちゑ
2025-07-18 15:36:32
1491文字
Public
🖊️:文字
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【祝う】めでたいことを喜ぶ。幸いを祈る。祝福する。
VOID HO4SS 現行未通過✕ 同卓○
「誕生日おめでとう、X000」
不意に投げ掛けられた言葉の意味を瞬時に解析したX000は柔らかく微笑みを浮かべた。「誕生日」とは、また随分と擬人化された言い回しだが、今日は自機の初起動から丁度二年目にあたる。
「ありがとうございます、博士」
X000を寿いだ男はばきばきと腰を鳴らして立ち上がり、凝り固まった身体に顔を顰めながらアンドロイドを振り向いた。
「祝い事には酒だ! X000、シャンパンを持ってきてくれ。グラスは二つだぞ」
「はい、博士」
うあーいてて、と身体を解しながら悲鳴をあげる男を室内に残し、X000は隣室のキッチンへ入る。冷蔵庫を開けると、飲料水や軽食が雑多に収められた庫内の上段に深緑色のシャンパンのボトルがある。それを一本と、備え付けの棚からオープナー、グラスを二本取って戻る。
博士は今まで齧り付いていたデスクからソファ前に移動し、ローテーブルの近くにもう一つ椅子を寄せている所だった。X000はローテーブルにグラスを置き、コルク栓にオープナーのネジを回しながら押し込んだ。
「あー
……
つまみも常備しとくんだったな。まあいっか。お前、そこ座れよ。俺ソファでいい? 腰が痛くてさ」
「勿論」
X000は危うげなくコルクを抜きグラスに酒を注ぐ。もう一つのグラスにも同じようにしようとした時、待った待ったと男が立ち上がった。
「お前を祝うんだぞ。貸してみろ」
深緑色の瓶を受け取った男はボトルの底を右手で持ち、X000の前に置かれたグラスに恭しく注いだ。ギャルソンの給仕の仕方だと思った。
「では改めて」
男がグラスのステムを軽く持って差し出してくる。X000もそれに倣った。チン、と軽く音を立ててグラス同士が触れ合う。
「おめでとう、私!」
空になったビールグラスの分厚い底面を机に叩きつけた警部がやけくそ気味に言う。
「はーあ! 誕生日でも残業だよ。公僕は辛いね」
「お疲れ様でした。今日は長引きましたね」
灰原は低い机の端に置かれていった枝豆の皿を警部に寄せてやる。警部は肘を突きながら豆を頬張った。
「年、訊かないんだ。感心感心」
「女性に年齢を尋ねることは失礼にあたります」
「おっ。学習は進んでいるようだね」
「既に生年を知っていますし」
「余計だねー。そういうとこだよ灰原くん」
ビールでーす、と威勢のいい店員が追加の瓶を灰原の横に置いていく。冷蔵庫から出されたばかりの茶色い瓶はその表面を結露で濡らしている。
灰原は瓶の底を右手で持ち、警部のグラスに注いだ。警部が眉を上げる。
「お誕生日おめでとうございます、警部」
3:7の完璧な割合で泡と液体が注がれたグラス越しに警部は変な顔をした。
┈┈┈┈┈メモ┈┈┈┈┈
・ゲーム本編現時点(2025.07.17)、灰原は天城並びに有馬を覚えていない。従って本ssはこんな事があったかもな〜な場面の編集版である。今までのHO4ルートを匂わせる意図は微塵もない。
・天城はX000を眺めながら酒を飲むのが好きそう。やっぱお前は傑作だ〜流石俺たちだ〜とかいいながらべろべろになってそう。
・灰原は居酒屋店員に灰原の注文も聞かれるけど「ハンドルキーパーなので」って言ってた。警部と同席しているのもこの後マンションまで送るため。
・警部はジョッキでビールを頼まないのかと思いがちですが、ジョッキに瓶から注がんだろと考えた結果、この後しこたま日本酒を飲むつもりなのでエンジン掛ける分だったらグラスでいいかーとの判断を下して頂いたということで何卒
……
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