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三毛田
2025-08-03 22:02:11
1082文字
Public
1000字4
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73 073. 解れた糸の結び目
73日目
初めて見た
「うわ〜ん! 丹恒、助けて〜」
「貸してみろ」
ため息とともに、丹恒は俺の手から布と針と糸のセットを受け取り。
「これは切って新しく結び直した方が早いな。毛糸くらい太い糸なら、解いて結び直したりできるんだが」
すっと糸を切って、また綺麗に結んで。
「丹恒」
「なんだ?」
「糸を結んだあと解くと、どうなるんだ?」
「ちょっと待っていろ」
と、手にしていたものをテーブルに置いて腰を上げる。
「この紐を使って解説しよう」
「お願いします」
縫物の途中だが、丹恒に教えてもらう。
「まずこうして結び目を作る」
「うん」
「あまり強く結ぶと解けないから、締めすぎないようにするぞ」
そろそろと、そっと結んで。それから、解く。
「ちょっとへなへなだ」
「そうだな。満足したか?」
「こっちの紐と紐を結ぶと?」
「やってみろ」
彼は優しい表情で、俺を見ている。
そんな表情を向けてくるとは思っていなかったから、ちょっとドキッとして。
結んでみたけれど、材質の違いからか上手く結べない。
「んぐぐぐ
……
」
「ふ。そういうことだ」
「わかってたなら、教えてよ」
「それも学習だ」
「むう」
一度解いてまた結んだ糸の結び目は、歪だ。
まるで。
「まるで?」
「俺、口に出てた?」
「ああ」
「なんていったらいいのかよくわからないけど、ちょっと好きじゃないってことだけはわかる」
「そうか」
「じゃあ、続きやるから出来上がったら見て」
「わかった」
まずはなみ縫い。簡単だし、基礎だと教えてもらった。
他にもいろいろあるって言ってた気がするけど、覚えてない。
「まさかお前が縫物をするとは」
「話しかけないでくだしゃいっ。痛い!」
集中力が切れた瞬間、指先に針を刺した。
地味に痛い。
「すまない。ほら、端まで縫え」
「わかってます!」
噛みつくように答え、深呼吸をしてから再開。
「出来た!」
「お疲れ様」
何とか端まで縫えたので見せると、丹恒は優しく目元を緩めて頭を撫でてくれる。
「次はボタン付けだな」
「すぐ!?」
「いや。すぐでなくていい。だが、開拓先でボタンをつけないといけなくなった時に、自分で出来た方がいいからな」
「丹恒も出来るんだよな?」
「あまり上手くはないがな」
「じゃあ、今度俺の隣でやって」
「わかった」
頷いてくれたので小指を差し出すと、そっと絡めて。
それから数日後。パムから、ボタン付けをやってみろ俺専用の裁縫セットと布の端切れ、ボタンを渡され。
丹恒に見本を見せてもらいながら、俺もやってみる。難しい。
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