R
2025-08-03 16:06:15
1165文字
Public 本ロド
 

君の見た夢

デキてる本ロド
怖い夢を見たロナくんがドラちゃんに招かれて棺桶で寝るお話

夢を見た。

『あーあ、ロナルドくん死んじゃったね、ジョン』
『ヌー……
『大丈夫だよ、しばらくは寂しいかもしれないけど、いつか楽しい思い出になるさ』
『ヌン……
『さて、事務所は業者に任せる事になったし、そろそろ私達も行こうか。新しい場所へ』
『ヌン!』
『新しい場所ではどんな出会いが待ってるかな?ふふ、楽しみだね!』
『ヌンヌン!』
『さようなら、ロナルドくん、愛してたよ』
『ヌヌヌヌヌン、ヌイヌイ』

そう言って、ドラルクとジョンは事務所を後にした。
残されたのは暗い事務所だけだった。

「っはぁ!!」
薄暗い部屋の中、ロナルドは勢いよく飛び起きた。
心臓はまだ早鐘を打っている。
ソファベッドの横にある棺桶からはジョンの寝息が微かに聞こえ、ロナルドは中にドラルクとジョンがいる事にホッと胸を撫で下ろす。
「こんな時間にどうしたんだい、寝ぼけルドくん」
「!」
突然棺桶の中から聞こえた声にロナルドはビクリと肩を震わせる。
……起こしたか?」
「平気だよ。まだ寝ていなかったからね」
最近やり込んでいるソシャゲのイベントが今日の正午までだそうで、最後の周回をしていて気付いたらこの時間だったと棺桶の中のドラルクが言う。
「今日は夜のパトロールだけだろう?まだ起きるのは早いぞ」
「ああ、もうひと眠りするわ」
そう言ってタオルケットの中に潜ろうとしたロナルドをドラルクが「ストップ」と呼び止める。
「せっかく寝る時間が同じになったんだ。たまには招待してあげようじゃないか」
「招待?」
ドラルクの言葉の意図がわからずロナルドが首を傾げていると、棺桶の蓋がゆっくりと開き、枯れ枝のような細い腕がロナルドを手招いた。
「おいで、ロナルドくん」
「っ、」
ロナルドは招かれるままに棺桶の中に入り込む。
「ふふ、ぎゅうぎゅうだねぇ」
「ジョンのこと潰しそうで怖ぇ……
「大丈夫さ。ジョンの甲羅はオリハルコンより硬いんだぞ?君の力でも敵わないさ。だからほら、もっと体の力を抜いて」
ドラルクに肩を摩られ、ロナルドはゆっくりと体から力を抜いていく。
「そう、上手だね、いい子いい子」
肩を摩った手はそのまま背中に回され、ドラルクはまるで幼子を寝かし付けるように優しく、一定のリズムで背中を叩く。
「さぁ、もうおやすみ。今日の夜食は君の好きなものを作ってあげようね」
「ん……
ドラルクの優しい声に、ロナルドの意識はゆっくりと眠りに落ちていく。
……君がどんな夢を見たのかはわからないが、大丈夫、君には私もジョンもいる。安心しておやすみ、ロナルドくん。私の愛しい昼の子」
ドラルクはそう静かに呟き、そっとロナルドの額に口付けると自らも目を瞑って眠りについた。
数分後、棺桶の中には二人と一匹の静かな寝息が響いていた。