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2025-08-03 14:22:47
8289文字
Public Δロド
 

ハッピーメリークリスマス

Twitterにて行われている企画#2022RDメリクリホーリーナイトに提出させて頂いた作品①。
Δロド。
何でも許せる方のみどうぞ。

朝晩の冷え込みが強くなってくる12月上旬。
吸血鬼対策課ドラルク隊隊長であるドラルクは忙しい勤務の合間を縫って編み物に勤しんでいた。
「ドラ公何してんだ?」
「何って、見たらわかるでしょ」
話しながらもせっせと手を動かし何かを編んでいるドラルクの手元を興味津々といった顔でロナルドが覗き込む。
「編み物?」
「正解」
「何編んでんだ?」
「これはジョンのマフラーだよ」
「ジョンの?」
「そう。本当なら毎年11月に入ったら編み始めるんだけどね。今年は誰かさんのせいで書類は増えるわ出動は増えるわで大忙しだったから暇がなかったんだよ」
そう言いながらドラルクは溜め息を吐く。
ドラルクの溜め息を聞いたロナルドはドラルクの足元に座り込むと隊服の裾をきゅっと握りさっきまでのわくわく顔から一転不安そうな顔でドラルクを見上げる。
「どらこー怒ってる……?」
ただでさえ顔のいいロナルドが子犬のような表情を浮かべ、更に上目遣いで見つめられてしまえばドラルクに勝ち目はない。
ドラルクはくすっと笑うと、一度編み途中のマフラーをデスクに置き不安そうな顔の恋人の頬を両手で包み込む。
「今はもう怒ってないよ。数ヶ月前に比べたら君も随分と力加減が上手くなったしね」
「!ほんとか!?」
「本当だとも。君が来る前と比べてしまえば書類は増えたが、それでも1番多かった頃に比べると大分減ったよ」
「へへ、そっか、怒ってないならよかった」
ドラルクの言葉に嬉しそうに笑うロナルド。
その笑顔にドラルクはきゅんとときめく。
「そうだ、君にも編んであげようか」
「!いいのか!?」
「もちろん。何色のマフラーがいい?」
「赤!」
「赤か……君の瞳と同じ色だね、きっと君によく似合う」
自分の編んだマフラーを巻いているロナルドの姿を想像したドラルクの頬に自然と笑顔が浮かぶ。
「よし、そうと決まれば今日の帰りに材料を買いに行こう」
「おー!」
「ということで私は仕事に戻るので大人しくしているんだぞ。わかったかね?」
「おう!わかったぜ!」
「よろしい」
ドラルクはロナルドの返事に満足気に頷くと編みかけのマフラーをエコバッグにしまう。
「あ、なぁなぁどらこー」
「ん?」
ロナルドの声に顔を上げると、すぐそこにロナルドの顔があった。
ちゅっ
わざとリップ音を出して口付けると、ロナルドはにっこり笑う。
「仕事が早く終わるおまじないだぜ!」
ロナルドはへへっと笑うと「ギルドに遊びに行ってくる!」と隊長室の窓から飛び出していった。
残されたドラルクは真っ赤な顔でしばらく動けなかった。

夜。
珍しく出動やロナルドの邪魔が入らなかったため、ドラルクは定時を少し過ぎたところで退勤することができた。
「もしもしロナルドくん?仕事終わったから帰るよ」
『お!今日は早いな!』
「君のおまじないのお陰かもね」
『へへ!そっか!』
「ところで君は今どこにいるんだい?まだギルドに?」
「『ここにいるぜ!』」
スマホと耳と両方からロナルドの声が聞こえ、ドラルクは驚いて後ろの窓を振り返る。
「ドラ公から電話来たから飛んできた!」
「そうなのかい?ふふ、急いで来てくれてありがとう」
「おう!」
ドラルクは文字通り飛んで来たのであろうロナルドの乱れた髪を軽く整え、コートを着るとカバンを持って部下達に声をかける。
「それじゃあお先に失礼するよ」
「お疲れ様でした、隊長」
「さっさと帰りなさいよバカップル」
「お疲れ様で〜す」
「お疲れ様です」
「ムン!また明日!」
「お疲れ様でした」
部下達の声に軽く手を上げて応えると、ドラルクはロナルドを連れ立って署を後にした。

「さて、赤といっても色々な赤がある。君はどんな赤が似合うかねぇ」
署を出たドラルクとロナルドは自宅に帰る前に昼間話していたマフラーの材料を買いに行きつけの手芸屋に立ち寄っていた。
「へー、赤だけでも色んな種類があるんだなぁ」
「そうとも。様々な種類のある赤で君に似合うのは……
ドラルクは棚に並べられている様々な赤色の毛糸を1つ1つ手に取りロナルドに近付ける。
「これは少し派手だな……こっちは……うーん色味がな……
そうして何色も試した後、これだと思う色を見つけたドラルクは嬉しそうに同じ色の毛糸を何玉もかごに入れる。
「もういいのか?」
会計を済ませると、少し離れたところで待っていたロナルドが声を掛けてくる。
「ああ、待たせてすまないね」
「んーん。な、それ俺が持つ」
ロナルドはドラルクの隣に立つとそう言って手を出す。
「毛糸を?そんなに重くないから平気だよ」
「だって俺のマフラー作ってくれるための毛糸だろ?なら俺が持ちたい!」
荷物を持ちたい理由が思いの外可愛く、ドラルクはくすりと笑みを零す。
「ふふ、そういうことならお願いしようかな」
「おう!その代わりドラ公の手はこっちな!」
毛糸の入った袋をロナルドに渡したドラルクの手は、そのままロナルドの手に握られた。
「俺体温高いから暖かいだろ?」
きゅっと握られた手と弾けるようなロナルドの笑顔にドラルクは一瞬ぽかんとするも、すぐに笑い始める。
「ああ、とっても暖かいよ」
普段は吸血鬼らしくないことを嘆く彼がその体温で自分の手を温めてくれるのがドラルクはとても嬉しかった。
しばらく2人で他愛のない話をしながら夜道を歩き、ヒナイチとパトロールに出ていたジョンと合流するとにっぴき揃ってドラルクのマンションに帰宅した。

その後ジョンのマフラーを編み上げてからすぐにロナルドのマフラーを編み始めたドラルクは1週間程でロナルドのマフラーを完成させた。
「はいどうぞ。ロナルドくんのマフラーだよ」
「すっげー!!!!ありがとうドラ公!!!」
「どういたしまして」
ワインレッドの毛糸で編まれたマフラーはロナルドの吸血鬼らしいクラシカルな装いによく似合っていた。
早速ドラルクから手渡されたマフラーを首に巻いたロナルドは、嬉しそうにマフラーを撫でるとゆっくり深呼吸をする。
「へへ、ドラ公の匂いする」
「へ、」
「俺ドラ公の匂い好きだからすっげー嬉しい!!」
「!?」
仕事中と寝る時以外は文字通りドラルクが肌身離さずに持ち歩いていたためマフラーにドラルクの匂いが移るのは当然なのだが、改めてそれを言葉にされるのはかなり恥ずかしくドラルクは頬に集まる熱を冷ますように手の甲を頬に付ける。
「あー、ロナルドくん」
「ん?」
「その、あんまり外ではそういうことは言わないように」
「?そういうことって?」
「だからその、私の匂いがどうのとか、」
「?ドラ公の匂い好きって言っちゃだめなのか?」
「だめってわけじゃ……いや、だめだな、うん、だめだ」
「なんで?」
「なんでって……その、私が恥ずかしいから」
「俺がドラ公の匂い好きって言うとドラ公が恥ずかしいのか?」
「まぁ、うん……
どう伝えたらロナルドにわかってもらえるか先程より少し熱の引いた頬から手の甲を離して考えていると、ふーん、とロナルドが頷く。
「よくわかんねえけどドラ公が恥ずかしいなら言うのやめる」
「お、本当かい?」
「ん、だってドラ公の恥ずかしがる顔、俺以外のやつに見せたくねーもん」
「へぁ、」
ロナルドが了承した理由が予想外すぎて、思わずドラルクの口から意味のない言葉が漏れ出る。
「お前が恥ずかしそうに顔赤くしてるとこすっげーかわいいから、ジョンと俺以外のやつに見せたくねぇ」
「えぇ……
自分の事を可愛くて完璧な存在だと自負しているドラルクだが同時にその魅力が万人受けするものでは無いことも理解しているため、自分のようなガリガリのおっさんの恥ずかしがる顔のどこか可愛いのか理解できなかったが、それでもロナルドがわかってくれたのならいいか、とドラルクは考える事をやめた。
「ギルド行って自慢してくる!」
「はいはい、気を付けてね」
窓から出て行くロナルドを見送ると、ドラルクはスマホを取り出しある人物に電話をかけた。
「もしもし、私だけど、君に頼みたいことがあってね」

数日後、ロナルドは吸血鬼対策課の仮眠室で眠っていた。
側には食べ掛けのバナナケーキが転がっている。
ドラルクはロナルドを観察しながら部屋の外にいた人物、ミカエラを中に呼んだ。                           
「これでやつは最低でも30分は起きないだろう……頼んだよミカエラくん」
「はあ……
呼ばれたミカエラは気乗りしないといったように返事をすると、メジャーを構えている上司を見つめた。
そこからミカエラはドラルクの指示のもとロナルドの腕や体を持ち上げたりし、ドラルクがそれぞれの部位のサイズをメジャーで測りスマホのメモ帳に記録していった。
「よし、これで最後だな」
測定は10分程で終了し、体格のいい成人男性を何度も転がしたり持ち上げたりしたミカエラは大分疲れていた。
「いやー助かったよミカエラくん!」
「もういいですか……
「ああ、君のお陰で全部しっかり測ることができたよ」
「そうですか……それでしたらよかったです」
ドラルクがミカエラに頼んだのは、ロナルドの体のサイズを測定する補助だった。
一度ドラルクが自宅で試した事があるのだがドラルクの力では眠っているロナルドの体を支えながらメジャーを使うことが難しく、早々に断念した。
始めにミカエラに打診した時は断られ、葵に頼めばいいのではと提案されたのだが、いかんせん葵は声が大きいため万が一ロナルドが起きる可能性を考えると葵に頼むのは避けたかった。
起きている時に協力してもらえばいいのではという提案もあったが、ドラルクはどうしても秘密にしてロナルドを驚かせたかったため、それも断念していた。
結局兄弟の好きな高めの菓子折りを人数分差し入れすることで折れてもらい、こうしてドラルク特製睡眠薬入りバナナケーキを食べて眠ったロナルドの測定を手伝ってもらうことになった。
「例のものは君の自宅に送ればいいのかな?」
「ええ、お願いします」
「了解」

それからドラルクの動きは早かった。
退勤後ロナルドのマフラーの材料を買ったいつもの手芸屋で材料を買い込み、帰宅するとすぐに書斎に篭り型紙を描き始めた。
少しして型紙を描き終えると、手芸屋で購入した材料を取り出し早速編み始める。
合間に軽く食事を摂り、クリスマスに間に合うようにせっせと手を動かす。
ロナルドは今晩開かれる吸血鬼たちの宴会に参加しており、ジョンはロナルドに誘われそちらにお邪魔するとこになっているため編み始めである今日が1番時間を取れるためドラルクは少しでも進めようとかなり集中していた。
日付が変わって少しした頃、ロナルドとジョンから写真付きで『これから帰る』と連絡が来た。
仲間内の誰かに撮ってもらったようで、写真にはほろ酔い状態で笑顔のロナルドとジョンが写っていた。
「ふふ、楽しそう」
『了解』と送ると、ドラルクは送られてきた写真を保存し鍵の付いたフォルダに大事にしまう。
「さて、帰ってくる酔っ払いたちのために簡単なデザートでも作るかね」
ドラルクはスマホを閉じて編みかけのセーターをデスクに置くとぐっと体を伸ばし、キッチンへ向かった。

次の日、ドラルクの編んでいるセーターはすぐにロナルドに見つかった。
「なぁ今度は何編んでんだ?」
「今編んでるのはセーターだよ」
「ふーん……誰のセーター?」
「お祖父様さ」
「ドラ公のじーさん?」
「そう。まだまだお元気だけどもう大分お年だからね」
見付かれば何を編んでいるのか、誰に編んでいるのか聞かれるであろう事を予想していたドラルクは、ロナルドの問いにすぐに用意していた答えを伝える。
「ふーん……
ドラルクの答えに一応は納得してようだが、その顔は明らかに不満気だった。
しかしクリスマスまであと1週間。
今のドラルクに拗ねたロナルドをフォローする余裕はなく、ロナルドの事はクリスマスと年末年始に好きなものを沢山作ると約束したジョンに任せる事にしていた。
「ヌヌヌヌヌン!(ロナルドくん!)」
「お?ジョンどうした〜?」
「ヌンヌ、オヌンヌイヌー?(ヌンと、お散歩行こー?)」
「おっいいな〜!!ドラ公!ジョンと散歩行ってくる!」
「イッヌヌヌヌ!(いってきます!)」
「気を付けて行くんだよー」
「おう!」
「ヌー!」
編みかけのセーターから顔を上げてロナルド達を見送ろうとしたドラルクは、一度彼らを呼び止める。
「あ、ちょっと待って!」
「あ?」
「ヌ?」
ドラルクのところに戻ってきたロナルド達の首に、ドラルクがマフラーをかける。
「忘れ物だよ」
「へへっサンキュードラ公!」
「ヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌー!(ドラルク様ありがとー!)」
「はい、今度こそいってらっしゃい」
「おう!」
「ヌン!」
自分の編んだマフラーを巻いて窓から出ていった愛しい使い魔と恋人を見送ると、ドラルクは一度セーターをしまい仕事に戻った。

そして迎えた12月24日。
セーターを編みつつ仕事もきっちりこなしていたドラルクは24日と25日でしっかり連休を勝ち取っていた。
前日からドラルクおすすめのクソ映画やロナルドおすすめのアクション映画を観ながら夜更しをしてにっぴきでゆっくりと朝寝坊し、何度寝かを繰り返しお昼をすぎてからようやくベッドから出る。
軽めのランチを済ませると、ドラルクは夕食の仕込みを始める。
ジョンとロナルドは一緒にテレビゲームをしたり、ゲームに飽きるとメビヤツを誘って外に散歩に出掛け行った。
暗くなってから戻ってきたロナルド達を迎えたのは、ドラルクの作る料理たちだった。
「すっげー!!!これ全部ドラ公が作ったのか!?」
「ヌヌイ!ヌイシヌー!(すごい!おいしそー!)」
「ふふん、そうだろうそうだろう!私が腕によりをかけて作ったクリスマススペシャルディナーだからな!」
ロナルド達の歓声にドラルクは嬉しそうに胸を張る。
「さぁ良い子たち、手洗いうがいを済ませておいで」
「おー!」
「ヌーイ!」
ドラルクに促され、ロナルドとジョンは洗面台に向かった。
手洗いうがいを済ませてリビングに戻ると、ほとんどの料理がテーブルに運ばれていた。
「ロナルドくん、これテーブルに運んでくれるかい?」
キッチンから声がかかり、ロナルドがドラルクの元に向かう。
「どれ?」
「これだよ」
「!すっげー!デカい鳥!!」
「クリスマスターキーだよ」
「ジョン!見て見てデカい鳥!!」
「ヌ?ヌー!?」
気合いを入れて作ったクリスマスターキーにはしゃぐロナルドとジョンに、ドラルクはくすりと笑みを零す。
所狭しと並べられた料理に、ロナルドとジョンの目は輝いていた。
「それじゃあ食べようか」
「いただきます!!」「イヌヌヌヌヌ!」
「はい、召し上がれ」
ドラルクの声に、ロナルドとジョンは勢いよく食べ始める。
「うめー!!」
「ヌイシー!!」
「ふふ、それはよかった」
うまい、ヌイシー、と言いながら次々と消えていく料理たち。
「ドラ公!!これすげーうまい!!」
「ヌン!ヌイシー!!」
「ありがとう2人とも。頑張って作ったかいがあるよ」
料理を食べながら何度もおいしいと言ってくれるロナルドとジョン。
ドラルクは自分用に先に取り分けていた料理を摘みながらにこにことその光景を見つめていた。

メインの料理達をあらかた食べ終えると、次に待っていたのはケーキだった。
こちらももちろんドラルクの手作りで、その見た目は専門店に引けを取らない完成度だった。
「これもドラ公が作ったのか!?」
「当然だろう?今日君たちが食べるのは全て私の手作りさ」
「すげー!!!売ってるやつみてえ!」
「ヌヌヌヌヌヌヌヌーイ!!(ドラルク様すごーい!)」
「ふふ、さぁ切り分けようか」
ロナルドとジョンの反応に満足したドラルクは、早速ケーキを切り分けて2人の前に置く。
「さぁ、召し上がれ」
「うんめー!!!!!」
「ヌー!ヌイシー!!!」
柔らかいスポンジに甘いいちごと甘さ控えめな生クリームの相性が抜群で、ケーキはあっという間にロナルドとジョンの胃の中に吸い込まれていった。
「ごちそうさまでした!」「ヌヌヌヌヌヌヌヌヌ!」
「はい、お粗末さまでした」
食べ終えてしっかり手を合わせた2人に、ドラルクも笑顔を返す。
「はー美味かったぁ」
「ヌイシヌッヌー(美味しかったー)」
「ふふ、満足したかい?」
「おう!全部すっげー美味かった!!」
「ヌン!!」
「それはよかった」
その後にっぴきで後片付けを済ませると、ドラルクはジョンに袋詰めしたクッキーを持たせた。
「それじゃあジョン、ヒナイチくんによろしくね」
「ヌン!」
「へ?」
ドラルクとジョンのやり取りに、何も聞かされていないロナルドはぽかんとしていた。
その内にジョンはリビングから出ていき、ドラルクとロナルドはふたりきりになった。
「え、ドラ公、ジョンは?ヒナイチによろしくって……??」
状況が飲み込めていないロナルドの手を取り、ドラルクはロナルドをソファに座らせると自分も隣に腰を降ろした。
「その、今年は君と恋人になってから初めてのクリスマスだろう?だから君と2人で過ごしたくて、ジョンとヒナイチくんにお願いしたんだ」
「!!俺と、2人で過ごしたくて……??」
「うん……それにほら、ここ1週間中々君に構ってあげられなかっただろう?だから、そのお詫びもかねてね……
頬を赤く染めながら上目遣いで話すドラルクに、ロナルドは愛おしさが爆発してドラルクを抱きしめた。
もちろんドラルクが潰れてしまわないよう、きちんと加減をして。
「君、すっかり私を抱きしめるのが上手くなったねぇ」
「!ほんとか!?」
「本当だよ」
ドラルクはそう言うと、ロナルドの背に手を回して自分からも抱きしめた。
「ふふ、ロナルドくんの匂いだ」
「!!」
ロナルドはドラルクの可愛さに思わず抱きしめる力が強くなりそうになるが、ぐっと堪える。
そんなロナルドの心を知ってか知らずか、ドラルクは「そうだ!」と言うとスッとロナルドから離れる。
ドラルクは体を後ろに捻ると、ソファの横に置いていた紙袋から赤い包装紙に包まれたプレゼントを取り出した。
「メリークリスマス、ロナルドくん」
「え、い、いいのか?」
「もちろん!君のために用意したんだ、受け取ってくれないと困る」
ロナドラはドラルクにそう言われ、両手でプレゼントを受け取った。
「開けていいか?」
「どうぞ」
ゆっくりと包装紙を開けると、そこには真っ白いセーターが入っていた。
「!ドラ公、これ、」
「驚いたかい?」
「すっげー驚いた……
「ふふ、君のマフラーを編み終わってから編んでたセーター、実はお祖父様のじゃなくて君にあげるために編んでたんだ」
「俺のために……?」
「そう、君のために。驚かせたくてお祖父様のって嘘をついてごめんね」
ロナルドはそう言って申し訳なさそうな顔をするドラルクをそっと抱きしめる。
「すっげー嬉しい……ありがとうドラ公」
「喜んでくれて私も嬉しいよ」
ドラルクはロナルドに擦り寄ると「ねえ、」と耳元で囁く。
「恋人に服を送る意味、知ってる……?」
「えっ、い、意味とかあんの……?」
「あるよ……知りたい?」
急に雰囲気が変わりえっちなお姉さんになったドラルクに、ロナルドは受動のえっちで溺れそうになりながらもこくこくと頷く。
「恋人に服を送るのはね、その服を脱がせたいって意味なんだよ」
「!!」
「それからね、」
「まだ何かあんのかよ……!?」
「ふふ、少し前に君にマフラーをあげただろう?」
「お、おう、もらった……
「マフラーはね、あなたに首ったけって意味なの」
「首ったけ……!?」
「ね、私の言いたいこと、もうわかるよね……?」
ドラルクはそう言うと、甘えるようにロナルドの首に抱き着く。
「〜〜〜っドラ公!」
ロナルドは堪らずドラルクをソファに押し倒す。
「ふふ、メリークリスマス、ロナルドくん」
「ん……メリークリスマス、ドラルク」
ソファでそっと囁きあうと、2人は夜が開けるまでゆっくりと甘い時間を過ごした。
ハッピーエンヌ♡