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2025-08-03 13:46:02
3609文字
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本ロド
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バレンタイン2024
今年のバレンタインに書いた付き合い始めて初めてのバレンタインを迎えるロドです。
2月14日。
バレンタインデー。
恋人たちの甘いイベント。
最近相棒兼同居人の吸血鬼、ドラルクと恋人同士になったロナルドはきっと雑誌やテレビで見るような甘い夜を過ごせるのだと思っていた。
前日までは。
2月13日。バレンタインデーの前日に、ロナルドと恋人同士になったばかりのドラルクは忙しそうにチョコ系のお菓子を作っていた。
ブラウニー、チョコ生地のクッキー、チョコチップクッキー、生チョコ、トリュフ、チョコのババロアなどなど。
「お前そんなに作ってどうすんだよ、さすがの俺とジョンでも1日じゃ食いきれねえぞ」
「は?何言ってるんだこれはギルドや街の人達に配る用だ。全部君たち用な訳ないだろ」
「は!?」
「ニューン
……
」
「君たちのは別に作ってあるよ。何を作ったかは明日までお楽しみだけどね」
「ヌン!」
一瞬落ち込んだジョンだったがドラルクの言葉にすぐに顔を上げて嬉しそうな表情になる。
「
……
」
しかしロナルドは不満そうな顔をしていた。
いくら特別枠を用意しているとはいえ、愛しい恋人が自分以外の男(もちろん女性もいるだろうが)にあげるためのチョコ菓子を作っているのだからいい気分にはなれなかった。
「そろそろパトロールの時間じゃないか?ほら、さっさと着替えて行ってくる」
「
……
そのお菓子、俺にもひと通り残しとけよ」
「はいはいわかってるよ」
ドラルクの言葉にロナルドはようやく動き出す。
ジャージから退治人服に着替え、武器の確認をして再度ドラルクたちに声をかける。
「じゃあ行ってくる」
「いってらっしゃい、気を付けてね」
「ヌヌヌヌヌヌヌン、イッヌヌッヌーイ!」
「いってくるね〜ジョン〜♡」
かわいいジョンのいってらっしゃいとロナルドにいってらっしゃいを言う時にしっかり目を合わせたドラルクに少し気持ちが上を向いたロナルドは、メビヤツにもいってくるな、と声をかけて帽子を被ると寒空の下に一人出掛けていった。
結局ロナルドが帰宅したのは夜明けぎりぎりだった。
まだ前日だというのにポンチたちが浮かれ騒ぎひと騒動起こしていたからだ。
野球拳を蹴散らし、ビキニを殴り飛ばし、ゼンラにコゼンラを回収させ、唐突に湧いた下等吸血鬼をひと通り片付けてVRCに引き渡し、ようやく帰宅できた。
少し外が明るくなっていたのもあり、さすがにドラルクやジョンももう寝ているだろうと肩を落としながら帰宅しメビヤツにただいま、と声をかける。
ロナルドを見て嬉しそうにビッ!と返事をするメビヤツに頬を緩ませながら居住スペースに続くドアを見ると、なぜか明かりが漏れていた。
もしかして、と思い足早に居住スペースに向かうとドラルクが一人でソファに座っていた。
「おかえり、随分遅かったじゃないか。ジョンは先に寝かせたよ」
「
……
お前は寝なくていいのかよ」
「君が帰ってきたから私ももう寝るさ。それより帰ってきたらまず何て言うんだ?」
「
……
ただいま」
「はい、よくできました」
話しながらロナルドに近付いていたドラルクは、きちんとただいまが言えたロナルドの頬に笑顔でキスをした。
「ヴァ!?」
「ほんとは抱きしめてあげたいけどだいぶ汚れてるし、夜までお預けだな。それ、ホコリとか泥とか落としてから洗濯するから下着とかとは別にしておいてね」
「お、おう」
「それじゃあおやすみ。ああ、君が出る頃に作っていたお菓子たちはテーブルと冷蔵庫にそれぞれあるから寝る前に食べるならちゃんと歯を磨いてから寝るように」
「わーってるわ!」
「5ちゃいのロナルドくんに覚えていられまちゅかね〜?」
「殺ッ!」
ロナルドの拳で砂にされたドラルクはすぐに再生するとそっとロナルドに寄り添う。
「!」
「冷えてるな
……
ちゃんとお風呂で温まるんだぞ。あと私がいないからって適当に乾かさずにちゃんと髪を乾かすこと。さっきも言ったがお菓子を食べたあとは歯を磨くこと。わかったかね?」
「ひゃい
……
」
「ふふ、じゃあ今度こそおやすみ、ロナルドくん」
ドラルクはロナルドの唇に軽くキスをするとすぐに棺桶に入ってしまった。
残されたロナルドはドラルクの残り香と近すぎる距離にいたドラルクが頭から離れずしばらく固まったまま動けなかった。
そして迎えたバレンタインデー当日。
前日に言っていた通り、ドラルクは街行く先々でお菓子を配っていた。
近所の小学生、ご近所の奥様方、商店街の人々などなど。
あれだけつくっていたというのにドラルクのお菓子は飛ぶようになくなっていき、最後にギルドに着いたときにはもうほとんど残っていなかった。
しかしギルドの面々の分は別によけておいたらしくギルドにいた退治人一人一人渡していた。
荷物持ちを任されていたロナルドは今までお菓子が入っていたいくつものバスケットをカウンターの端に置くと、ぶすくれた顔で退治人仲間に囲まれているドラルクたちを見る。
「おっす、お疲れロナルド」
「おー、お疲れショット」
「お前すげー顔してんぞ」
「ゔっ」
ショットに指摘され、ロナルドはドラルクに背を向ける。
「まー気持ちはわからんでもないが、年に一回だろ?そこまで気にしなくてもよくね?」
「
……
わかってても、やなもんはやなんだよ」
「なら先に言えばよかっただろ、俺以外のやつに渡すなって」
「
……
そこまで言ったら、あいつに出て行かれる気がしたから」
「は?」
「あいつは楽しいことしかしたくないしやりたい事しかやらないだろ、だから、俺があいつのやりたい事をやめさせたら、つまんなくなって出て行かれる気がしたんだよ」
さすがにそれだけで出て行くようなドラルクではないと思ったが、どうやらロナルドは本気でそう思っているようだった。
「ま、なんにせよ思うことかあるならちゃんと話し合えよ」
「
……
」
ショットは頑張れよ、とロナルドの肩を叩くとドラルクたちの輪に加わわりにいった。
ギルドからの帰り道、ロナルドはドラルクの腕の中にジョンがいないことに気付いた。
「あれ、ジョンは?」
「ジョンなら今日はヒナイチくんのところにお泊りだよ」
「お泊り?なんでだよ」
「なんでって、そりゃあ、」
ドラルクはそこで言葉を切るとほんの少しあったロナルドとの距離を縮めてぴっとり寄り添った。
「付き合って初めてのバレンタインだから、今日は二人で過ごしていいって」
「!?」
予想外の展開とドラルクの近さにロナルドは真っ赤になった。
「ほ、ほら、早く帰るぞ!」
「おおおおおう!!!」
一瞬固まったロナルドだったが、ドラルクの声で我に返りぎこちなく歩き始める。
「
……
こういう時は手くらい繋がんか」
「!!お、俺、こっちがいい、」
ロナルドはドラルクから繋がれた手を一度解くと、指を絡めた所謂恋人繋ぎにして繋ぎ直した。
「
……
うん」
ドラルクからの返事は聞き逃しそうなくらい小さな声だった。
ちらりと見ると、ロナルドと同じくドラルクも耳まで真っ赤になっていた。
ロナルドは可愛すぎる恋人をこれ以上自分以外が見れる場所にいることに耐えられず、ドラルクをお姫様抱っこにするとダッシュで事務所に向かった。
「ちょ!?」
「無理、お前可愛すぎるから他の奴らに見せたくねえ」
「だ、だからっていきなり、」
「うるせえ黙ってろ舌噛むぞ」
そう言われたドラルクは文句を言うのを諦めて大人しくロナルドの首に捕まった。
普段にっぴきで10分弱かけて歩く距離は、ドラルクを抱えた状態にも関わらず5分で事務所に着いた。
階段を一段飛ばしながら上がり、ドラルクを抱えたまま器用に鍵を開けるロナルド。
「ただいまメビヤツ」
「ビッ!」
嬉しそうに返事をするメビヤツに帽子を預けると、そのまま居住スペースに向かう。
そしてソファに座ると、ドラルクが死なない程度にぎゅっと抱きしめる。
「
……
ほんとは俺とジョン以外にチョコ渡してほしくなかった」
「ふふ、知ってるよ、全部顔に書いてあったからね」
「っ、ならなんで、!」
「そんなの、君の口から直接聞きたかったからに決まってるだろう?」
「!」
「好きな人からの嫉妬や独占欲はね、本人の口から直接聞きたいものなのだよ」
ふふ、とドラルクは嬉しそうに笑いながらロナルドを見つめる。
「さぁ、着替えて私達のバレンタインを始めようじゃないか!まずはお風呂、その後はご飯、チョコレートはデザートだ」
その後、お風呂を済ませたロナルドはドラルクに優しく髪を乾かしてもらい、ハート型のハンバーグが乗ったデミグラスソースのオムライスを食べたあとは膝に乗ったドラルク手ずからデザートのフォンダンショコラを食べさせてもらい、最後は遮光カーテンを閉めたリビングのソファベッドでドラルクを抱きしめ、期待していた以上の甘い夜を過ごし幸せいっぱいで眠りについた。
ハッピーエンヌ♡
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