まきわ
2025-08-02 13:46:03
2819文字
Public クロリン
 

君に包まれる

ぱんつの日なので去年書いたぱんつ話を再掲しますべったーにはなかったので
学院時代クロリン、ぱんつの日なのにのーぱんの後輩君です(?

実は今日、リィンはノーパンである。

別に趣味や嗜好でそうしているわけではないし、罰ゲームでもない。
このところばたばたしている内にあっという間に日が過ぎ去り、気づけば洗濯物が溜まりに溜まって持っている下着を使い切っていたのだ。
第三学生寮の家事については基本的にシャロンが受け持ってくれているし、洗濯だって頼めば完璧にこなしてくれるだろう。
だがリィンも年齢に比して落ち着いている方とはいえ思春期の少年である。
他人である女性に下着を含めた洗濯物を洗ってもらうのは少し、いやかなり抵抗があるのだ。
それに関しては男子一同意見が一致しており、洗濯については全員が自分でしようと決めていた。
だからこんなことになってしまったのだ。
さすがに下着がないから授業を休むというわけにもいかず、リィンは直接ズボンを履いて寮を出た。
(ううなんだか落ち着かないな
布一枚減るだけでこんなに感覚が変わるものだろうか。
リィンは学院へと歩きながら腰に手を当てた。
(バレるような機会もないと思うし、水練の授業もないし、うん、大丈夫だ。俺が変に気にしなければ問題ない!)
たかが布一枚無いだけだ。
動く度に普段当たらないところが擦れる気もするが気にしすぎというものだろう。
リィンは何に対してか一つ頷くと、心を無にする想いで学院に向かう足を速めた。

休み時間。
授業で使った資料を図書館に戻してほしいと頼まれたリィンは、書籍を預かった箱から棚に戻す作業をしていた。
できればあまり動き回りたくはないのだが、自分の事情を理由に頼まれ事を断るという選択肢もリィンにはない。
あまり下半身を意識しないようにしながらさっさと本を棚に戻していく。
「よっ、リィン。休み時間まで仕事かよ?」
声と共にぽん、と軽く尻が叩かれた。
「ひぁっ?!」
普段より防御の低い部分への衝撃に思わず声が零れる。
静かな図書館に響き渡った声に咄嗟にリィンは口を押さえた。
変な声出すなよ」
「出してないっ!クロウが急に叩いたりするからだろ!」
「お前なら気配で事前に気付くと思ったんだけどな。そんな集中してやってたのか?」
聞かれてリィンは言葉に詰まった。
作業に、というよりも下着を履いていないことから意識を逸らすことに集中するあまり、周囲への警戒が疎かになっていたようだ。
「ま、まぁその休み時間も限られてるからな。さっさとやってしまおうと思って」
誤魔化すと、クロウは怪訝そうな顔をしつつも箱に手を突っ込んだ。
「んじゃとっとと済ませちまおうぜ」
えっと、いいのか?」
「尻触ったしな」
「変なこと言わないでくれ」
ため息をつきつつも感謝の視線を向けてリィンは作業を再開した。
本を棚に戻しながらクロウが意味ありげな視線をちらりと向けたことには気付かずに。

放課後。
なんとか一日を終えられそうでほっとしつつ、リィンは一人残った教室で持ち帰る参考書を纏めていた。
(今日はもう早めに切り上げて寮に戻ろう。いくらなんでも落ち着かなさすぎる)
とにかく早く帰って洗濯をするべきだろう。
リィンが決意とともに教室を出た瞬間だった。
「よっ」
「ひぁぁぁっ?!」
声と共に尻を撫でられた。
「クロウ!!いい加減にしてくれ!」
「いやーわりぃわりぃ、そんな驚くと思ってなかったんでな」
「勘弁してくれ
ズボンを履いてはいるはずなのに、下着が無いだけでやけにしっかりとクロウの体温と撫でられる感触を感じてしまう。
リィンは熱くなった顔を冷ますように大きく息を吐いた。
そんなリィンの様子を見て、クロウがにやりと笑った。
「それよりもしかしてお前さ」
「え?」
首を傾げている内に、避ける間もなくクロウの手がリィンの腰に伸びた。
そして今度は撫でるでも叩くでもなく、しっかりと尻を揉まれた。
「んな゛っ、ちょ、や、なにをっ
「お、この感触はやっぱりな。お前下着つけてねーだろ」
尻に手を伸ばしたことにより近づいたクロウの顔が間近でにや、と笑う。
その瞬間リィンの顔は林檎もかくやというほど赤くなった。
「どっどうしてっ
「昼に叩いた時にちょっと変な感じしたんだよなぁ。そーかそーか、リィン君にそういう趣味があったとは」
「ち、違う違う!絶対そういうのじゃないから!!」
「別にんな焦ることねーだろ。オレ様割とそういうのには理解ある方だぜ?」
「だから本当に違うんだって!その、ばたばたしてたら洗濯物を溜めてしまって気づいたら洗ってある下着がなくなってただけだから
俯いて、顔が熱くなるのを感じながらそう告げるとクロウは小さく目を見開いた。
「なんだ、んなことなら言ってくれりゃ下着くらい貸してやったのに」
「へっ?」
考えもしながった提案に今度はリィンが目を瞠った。
確かにそこまでサイズの違いが影響のあるものでもない、同性であれば借りることは可能だろう。
だが、下着の貸し借りはさすがに聞いたことがない。
「でもいいのか?その、あんまり人に貸すものじゃないだろ?」
おずおずと尋ねるとクロウは苦笑を返した。
「そりゃま、その辺のヤツに貸してくれって言われてもごめんだけどよ。あー……なんだ、ほら、部屋が向かいの縁ってやつだ」
急に歯切れの悪くなったクロウの言葉にリィンはきょとんと首を傾げた。
部屋が向かいだといいのか?」
そんな基準は聞いたことがない。
お隣さんの縁とかそういうものだろうか。
クロウは何故か気まずそうに視線を逸らしながら頭を掻いた。
ま、お前ならいいってことだよ」
その答えはなんだか嬉しかった。
友人として、近しく思ってくれているということだろうから。
じゃあその悪いけど借りてもいいか?今日帰ったら洗濯はするつもりなんだが、すぐには乾かないだろうし明日の分もないんだ」
「ククっ、お前がそんな抜けたことやらかすのは意外だがな。いいぜ、好きなの選ばせてやるよ」
「いや適当なのでいいんだが
そんなこんなで、リィンは翌日もノーパンで登校するという事態に陥らずに済んだのだった。

翌日。
リィンはクロウから借りた下着をつけて登校した。
これでなんの問題もなく一日を過ごせるはずだった。
なのに。
(なんだろう!クロウの下着を履いてるんだって思ったらなんか変な感じがする!!)
自身の机につきながら、リィンは下半身を包む布の感触を妙に意識していた。
(なんか、クロウに触られてるような気分に昨日の触られた時の感覚を思い出しちゃっていやいや!俺は何を考えてるんだ?!授業に集中しないと!)
ぐるぐると混乱する頭を必死に抑えようとしながら顔を赤らめるリィンを複雑そうな顔で見つめていたクロウはその日一日さりげなくリィンの横に居続けた。
曰く、なんか妙にえろくて放っておくのが心配だった、とか。