わたしは結構行為中に別のことに意識が飛びがちだ。自覚はあるし、寧ろいつだってそうだ。と言うか、何かをして居る時に、そのことしか考え無いなんて、余りにも勿体無くは無いか。そのことをして居る時にしか連想出来無いような思い付きとか、インスピレーションの閃きの、なんと重大なことか。だから何かをして居る時に他事を考えるのは、ごく普通のことだし、そうすべきことだ。
だが、それは咎められるものであり、可愛い悋気だと言うことを知って居る。理解には及んで居無いが。
そして、この小男もまた、わたしが思考を何処かにやって居ることを、気付いて居る。なのにそれを咎めない。可笑しな男だ。
それを問えば、やはり可笑しなことを言って来た。
「おまえが気持ち良くて、それで気持ち良く何かを頭に浮かばせられて居るなら、それは喜ばしいことじゃないか。」
可笑しなことだ。まるでわたしがおまえの腕の中で幸せを享受しているような。
幸せなんて、理解が及ばないもの。
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