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輪子湖わこ🔞
2025-07-31 12:14:17
3535文字
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黄金のあと光サン光
サンクレッドでてこない
サンクレッドでてこない光サン光
黄金7.0あたり 今更気付いたバカうさぎ
エスティニアンが出張ってる
ーーーーーー
正直な所、特別が何かはよくわからなかった。恋愛対象だってそこらじゅうに居たし、嫉妬とか、独占欲とかもいまいちピンと来ない。
痴情のもつれの真ん中に居ても、平手打ちの一つや二つ、たまに刺されかけたりしながら、とりあえず渦中から飛び出し脱兎の如く。特定の相手も作らず自由奔放に、欲望に忠実に。のらりくらり生きてきた訳だ。
好意的に思ってる相手は山ほどいて、友情と恋愛の境目も曖昧で、人に言わせりゃアバズレとかヤリチンとか罵られて来たけど、正直何も気にしちゃいない。何の因果か英雄などと言われる存在になってからも、俺の性質は大きくは変わらなかった。
変わらなかった、筈なのに。
名店シャバーブチェ。ゴーニトクルの宝浜が見えるここは、トライヨラが誇る食事処だ。砂浜に置かれたガーデンテーブルに陣取り、俺とエスティニアンはまっ昼間っから一杯引っ掛けていた。
トラル大陸での王様決定レースをチャチャっと終わらせ、美味い飯と酒とエロいことと、後はダラダラしまくるバカンスを楽しみに渡って来たはずなのに。結局また面倒事に巻き込まれ、世界の危機っぽいものに瀕し、なんやかんやひと段落して、今に至る。
とりあえず、最低限酒と飯だけでも楽しもうと、丁度近くをフラフラしていたエスティニアンを捕まえ、タコスと肉をつまみに酒を煽っていた。まぁ、もちろん一杯どころで済む訳がなく、そこそこグラスを開けて、ボトルも頼み、気持ちいい酩酊状態に浸って居た訳だけど。
「俺を誘ったということは、サンクレッドは捕まらなかったのか」
「なんで?」
違うのか?と唇についた串焼き肉のタレを拭って、エスティニアンは言った。何で今サンクレッドの名前が出てくるんだ。継承の儀も別チームだったし。あっちはあっちでウリエンジェとよろしくやってんじゃなかろうか。
「一段落付いた時は大体一緒にいるだろ」
「そうかぁ?気のせいじゃね?」
「お前ら二人、そういう事だと思っていたが違うのか?」
「そういう事ってなんだよ
……
」
「やってただろ」
「ブッ」
事もなさげに言われ、一気に酔いが覚めた。確かに暁の中ではかなり親しい方だし、随分前から肉体関係がある。けど、俺はともかくサンクレッドに関してはかなり警戒心が強い。見知らぬ他人ならいざ知らず、身内に少しでもバレる可能性があるならそもそもヤらないし、俺を蹴り飛ばしてでも中断する。鈍いエスティニアンが気付いたと言う事は、決定的な現場を見られたと言うことで。
「え、何、待っ、いつ、どこで
……
」
「グリダニアのアパルトメントだ。時期は
……
お前が回復して暫く経った頃だったか」
見てはいないが、聞こえたからな。と。目視されなかっただけマシだったか。いやそんな問題ではない。
心当たりは、大いにあった。
ウルティマトゥーレでの戦いの後、ズタボロになった俺は、珍しく長期の療養を強いられていた。軟禁されていたバルデシオン分館から解放された時には、それはもう浮かれていた。
とりあえず一直線にゴールドソーサーに向かってそこそこの金をすった後、バスカロンの親父からいい酒が入ったと連絡が来たので、グリダニアに飛び、泥酔。ぐでんぐでんになった所で、どこからバレたのか暁の誰かに連絡が行ったらしく、サンクレッドが俺を引き取りに来た。
とりあえず酔いを醒ませと言われたから、グリダニアに半ば放置してある俺のアパルトメントの部屋を教えて、引きずっていって貰った訳だが。
「まじかぁ」
「美味い酒が手に入ったからな、快気祝いに持って行ってやろうかと思たんだが」
邪魔したら悪いと思って俺が全部飲んだぞ、と。
自分のアパルトメントの部屋を知る奴なんか誰もいないと思っていたけど、忘れてた。この男がいた。
エスティニアンとは飯と酒の趣味が合う。だから、美味い酒があれば教えあったり、持ち寄って呑んだりしていた。ただ、お互いあっちこっちにフラフラしている身で、どうもタイミングが噛み合わない。だから、良いものが手に入ったら俺の部屋のドア前に酒を置いたり置かれたりと、交換場所にしていたのだ。
誰も来やしないと思って好き勝手していたら、何故か最中やけに止まれやめろとうるさかった。でも、とにかく泥酔してたし、体も完全に回復して調子にのっていた。自室なんだから良いだろ、と、背中をガンガン蹴りまくるサンクレッドを無視してベッドに押し付けて、まぁいつも通りめちゃくちゃした訳だが。
その後異様にテンション下がっていたし、当たりがキツかった原因はこれか。
「その、サンクレッドには
……
」
「謝罪された。あと口止めもな。嫌なものを聞かせてすまなかった、と」
「マジかぁ〜
……
」
青い顔でエスティニアンに謝罪しているサンクレッドがありありと思い浮かび、流石の俺も罪悪感に頭を抱えた。
自分だけがバレるなら気にもしないが、身内にバレることを何より嫌がっていたのはサンクレッドだ。てか俺に言ってくれりゃ多少はサンドバッグになったのに。バレた事すら言いたくなかった。というか、思い出したくもなかったんだろう。
「それに、他の面子からもお前の悪癖が治ったと聞いてな。ついに年貢を納めたのかと思ったが、違ったか?」
「治ったァ?俺は何にも変わってねぇよ。ただ相手が他にいないだけ
……
」
そうか、とだけつぶやいてエスティニアンは串焼きの最後の一本をたいらげた。
いやしかし、確かに。
言われてみれば最近はサンクレッド以外と寝ていない。次から次へ、色々と巻き込まれそれどころじゃなかったのはある。にしても、エレンヴィルだって正直かなり好みだったし、道中ちらほら目を引く男女も存在した。今回の冒険は最終的にはまたとんでもない事になったけど、最初はそこまで事態が切迫していなかった。以前の俺だったら、つまみ食いの一つや二つしていただろう。
「うーん?」
性欲が半減したとかそう言うことでもない。第一世界から戻ってきた頃はまだチョロチョロ他にも手を出していたが、どうにも物足りない。身内以外なら好きにしろとは言われているけど、大体のことはサンクレッドでどうにかなるし、というか結局アイツとヤるのが一番イイんだよな。どんどんエロくなるしさぁ。
(あ、れ)
いつからだろうか、他の奴と遊ぼうとした時アイツの顔がチラつくようになったのは。
(待ってくれよ)
一区切りついた時一番最初にアイツの顔を見に行きたくなったのは。
(嘘だろ、まさか)
自分にとっての最大の報酬が、アイツ自身になったのは。
「ぁあ゛〜〜〜」
情けない声を漏らし頭を抱え続ける俺を無視して、エスティニアンはグラスに残った酒を一気に煽る。いらんなら貰うぞ、と、返事も待たずボトルに残った酒の残りも全て注いだ。全然いい、全部飲んでくれ。酔いなんか全部すっ飛んでいってしまった。
「じゃあな相棒。支払いは任せた」
顔を白くしたり赤くしたりしている俺を横目に、エスティニアンは俺の分のタコスも奪い、いつのまにやら皿を空にしていた。そして、もう用済みとばかりに席を立ち、瞬時に消えた。
「な、おい!待てエスティニアン!」
こういう時の逃げ足だけは俺より早い。まぁ、悪いもん聞かせた迷惑料と思えば、仕方ないか。しっかりと完食したテーブルの上の皿を見渡してから手を上げて店員を呼ぶ。追加で食べる元気はもうなかった。
「へい兄ちゃんお勘定!」
「ゲッ」
伝票に並んだゼロの数を見てギョッとした。街の食事処で見るような額じゃない。それこそ、今回の冒険の報酬がほとんど飛んでいく金額だった。言われてみると目の前で空になっているボトルは、かなり高価なもので。
「アイツ
……
やりやがったな」
俺より金持ってんだろ、と悪態をついても後の祭りだ。追いかける気にもなれず支払いを済ませ、残ったなけなしの金を見て、テーブルに突っ伏した。
これじゃあ気を紛らわせるためにギャンブルに逃避する元手にもならない。
「女王特権で、チャラにしてもらえねぇかな
……
」
下げられていく空の皿をボーッと見ながら、大きなため息を吐いた。心臓がうるさくなって、頬に熱が集まる。
あまりにも今更すぎるだろ、こんなの。散々喧嘩して、軽口たたいて、抱き合って、それでも友人のような、わけわからん距離でここまで来といて。
「次、どんな顔してアイツに会えばいいんだよ」
俺の弱々しい呟きは、波音に攫われ、消えて行った。
end
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