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haruka037
2025-07-30 17:42:33
1215文字
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オレだけのモノ
不穏なスバイカ。
R18。
※書きかけの為全年齢です。
「都に帰る事になりました。舞手、あなたにはお世話になりましたね。どうかお元気で」
なんの前触れもなく、イカルガさんはそう言った。
イカルガさんが居なくなる。
その事実に愕然とする。
目の前が真っ暗になって、次いで頭に血が上った。
逃がさない。
どこへも行かせるものか。
無理矢理にでもオレのモノにして、里から逃げられないようにしてやる。
腹の中でふつふつと煮え滾る怒りにも似た感情。
それは間違いなくイカルガさんへの執着そのものだった。
腹の中でとぐろを巻く汚い感情をおくびにも出さずに微笑んで見せる。
「そうなんですね。イカルガさんが居なくなると寂しくなりますね
……
」
「そう言って貰えるとは思いませんでした。私も、あなたと会えなくなるのは寂しいですよ」
そう言ってイカルガさんは寂しそうに微笑んだ。
寂しいと思っているのなら帰らなければ良いじゃないか。
ずっとここにいれば良いのに
……
。
ドロドロとした感情が抑え込めない程に身内を駆け巡る。
オレは微笑んだまま言葉を紡いだ。
「イカルガさん。都に帰る前に龍神社に寄って行きませんか?お茶でも飲みながらお話したいです」
「ええ。構いませんよ。私もあなたとは離れ難いと思っていたので」
イカルガさんは柔らかく微笑んで見せた。
その顔をグチャグチャに歪ませて泣かせてやりたい。
その最奥にオレを刻み込んで離れられなくしてやりたい。
そんな事を思いながら笑顔を貼り付けて「行きましょう」とイカルガさんを促した。
◇◇◇
舞手と話をしながらゆっくりと冬の里を歩く。
慣れ親しんだこの里にも、別れを告げる時が来た。
それが少し寂しいが仕方ない。
「あなたとは、本当に色々ありましたね。一時は敵対していたというのに、こうして穏やかに会話できるようになって、今ではあなたは私の気の置けない友人ですよ」
「ははっ。友人ですか。そう言って貰えて嬉しいです」
そんな事を話していると、やがて龍神社に辿り着いた。
「どうぞ。中に入って寛いでください」
「ええ。お邪魔します」
龍神社に足を踏み入れると、舞手がふっと笑うのが見えた。
ギィッと扉が軋む音がして振り返れば、舞手が扉にかんぬきをしている所だった。
「どうして扉を閉めているのですか
……
?」
嫌な予感がする。
恐る恐る訊ねると、舞手はニコリと笑った。
「だって、邪魔が入ったら困るじゃないですか
……
。折角イカルガさんとふたりっきりになれたんですから。ねぇ?」
舞手が首を傾げる。
その顔は普段となんら変わらないのに、何故か寒気がした。
じりっと後ろに後退する。
舞手が笑みを貼り付けたまま、こちらににじり寄って来る。
「っ!来ないでください!」
「そんなに怖がらないで。二人でゆっくりお話しましょう。布団の上でね
……
」
薄暗い笑顔でそう言って、舞手は嗤った。
続く
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