三毛田
2025-07-29 17:54:24
1084文字
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68 068. 答えに困る問いかけ

68日目
好きだからこそ困ってしまう

「丹恒は、俺のこと好き?」
「そうだな」
「ぶー」
 俺の返答が気に入らなかったようで、穹は不満そうに唇を曲げて。
 どうしてそんな、答えに困る問いかけを投げかけてくるのだろうか。
 いや。俺が素直に〝好き〟だと返せば済む話だ。
 けれど、そう出来ない事情がある。
 好きは好きでも、俺は穹が好きすぎるのだ。
 自制しなければ、オーラとして出てしまうくらい。
『丹恒。すごい漏れ出てる……
 鈍感だと思っていた、三月には引かれ。
『あんたが穹を好きなのは、列車の皆が知ってるわ。我慢しなくていいのよ?』
 姫子さんには、微笑ましそうな視線を向けられ。ちょっといたたまれない気持ちに
『丹恒。そういう気持ちは、きちんと伝えないと駄目だ』
 ヴェルトさんには諭され、それもそうだと思ったものの、中々踏み出せない。
「穹? どうした?」
 彼はこちらを見たまま、何も言わない。
 ただ、表情からは何か言いたげではあって。
「丹恒、本当に俺のこと好き?」
「ああ」
「じゃあ」
「穹」
 続きを告げようとしたけれど、そこで強く名前を読んで止める。
 開いた口が、すぐに閉じて。
「丹恒、目が光ってる」
「そうか」
「耳も、尖ってて」
「ああ」
「どうして、中途半端に、飲月に?」
 作業の手を止めて、穹の方へ。
「た、丹恒?」
「お前は、俺がお前を好きかどうかを知りたいんだよな」
「う、うん」
 頷いたので、彼の膝に乗る。ごくりと喉が動いて。
「好きだ」
「それなら」
「お前が好きだ。好きすぎて、きっとお前がこの気持ちを重いと感じてしまうであろうほど……好きだ」
「うっ。丹恒、待ってっ」
「何を待つ必要がある?」
「駄目だって!」
 尻を動かすと、悲鳴を上げて。俺から逃げようともがく。
「お前の全てが欲しい。体の中にも、穹を感じたい」
「ひえぇぇ」
 首に腕を回すと、今度は情けない悲鳴。
「穹」
「ひゃう」
「可愛いな」
 尻で股間をなぞると、ビクビク腰が震え。
「丹恒せんせぇ」
「なんだ?」
「恋人でもないのに、そういうことよくないってばぁ」
 ぐすぐすと鼻を鳴らし、そんなことを告げ。
 まさかそんな初々しいことを口にするとは思っておらず、数回瞬き。
「可愛い」
「だから、お尻押し付けないで!」
 初々しくて可愛くて、抱きしめながら股間を上から押したらまた悲鳴を。
「穹、好きだ。お前をこの中に欲しい」
「うぇん。積極的な丹恒先生怖いよぉ」
「む。先に質問してきたのはお前だ」
「そうだったとしても、いきなりエッチなことに持って行くのは違うじゃん!」