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RINGO
2025-07-26 16:11:17
1230文字
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境界の灯
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境界の灯2-4
初稿です
『原因は分かっている。俺たちがこうなった原因の魔法
—
―
共生の魔法だ。』
エリオットは、食べていたサンドイッチを口から静かに離した。
真面目な顔で頷き、話を促す。
「確か君の仲間がかけたもの、だったよね?」
『あぁ、俺の仲間のフギンという魔族が、もしもの為にかけていた魔法だ。こいつはフギン個人の
――
完全に新しく作成された魔法なんだが
――
』
それを聞いて、エリオットは驚きで目を丸くした。
「それは
……
すごいな。魔法は知識しかないけれど、他人の体に対象の魂を入れる魔法だろう?その人
……
いや、魔族はとても優秀な方だったんだね。」
それに対して、フェンリルはどこか悲しそうに鼻を鳴らした。
『その言葉を本人に伝えてやりたかったよ。
――
……
まぁ、ともかくだ。この魔法がお前の体に悪さをしていることは明白だ。スクロールを見直して、書き直す。それが一番利口だろうな。』
「あの、フェンリル。」
エリオットは、どこかバツが悪そうに視線を下げた。
「僕が魔法を使えないことは知ってると思うけど
……
そのせいで初級中級魔法の知識しか、家から教えて貰えてないんだ。
……
スクロールっていうのは?」
『確かにスクロールは複雑な魔法で使われるから、人間基準では上級魔法になるのか。』
ふぅん、とフェンリルは興味なさげに相槌を打った。
『別に知識なんて必要なければ知る事もない、必要があれば知ればいいだけの話だ。だから、そんな顔しなくて良い。
――
スクロールっていうのは、ようは魔法の設計図だ。』
「設計図
……
?」
『あぁ、上級魔法はとにかくあれこれ指示することが多いから、何個も何個も魔法を重ねる。あまりにも多いと、術者も魔法を解く時なんかに面倒だ。だから、それを書き留めた『魔法の設計図』ってところだな。』
説明を受けて、エリオットには一つ疑問が出てくる。
「あれ?でも、それは術者以外に見られたら
……
。」
『台無しだが、俺のもしもの為の魔法なのに、俺が見れなくてどうする。それに、そのもしもには、フギンがいなくなってる事も入ってるだろうよ。』
「もしもの、もしもって事か。」
『そういう事だ。正直な所、魔法に対して神経質だったあいつのするようなミスじゃないんだけどな。』
フン、とフェンリルは息を吐く。
『共生の魔法のスクロールは、お前の身体の主導権が俺に移った時間にしか見れないし、直せない。当分の間、その時間は長時間お前の体を使わせてもらう。構わないか?』
「もちろん、構わないよ。ほかに僕が出来ることはある?」
エリオットがそう言うと、フェンリルは『そうだな』とエリオットの体を動かして、サンドイッチを見つめた。
『この中にある草を抜いてくれ。青臭いから。』
「それは断るよ。人間には必要なものだからね。」
エリオットは、くすくすと笑った。
そして、これがフェンリルの人間としての第一歩であるとでも言うように、大きな口でサンドイッチにかぶりついた。
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