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haruon1018
2025-07-25 18:35:56
2203文字
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オレのために塗ったリップ
受肉?転生した長晋が高校生活を満喫している話。
男子生徒が口紅塗る=首●かなというTLから発送を得ました
「森君、今日の僕はどこが違うでしょうか、」
いきなり面倒くさい彼女のテンプレート的な台詞でかけてきたのは森の恋人の高杉晋作だ。
晋作という名前の通り、彼女ではなく彼氏なのだが些細な問題である。
これでも妹達と自分は弟だと思っている妹みたいな蘭丸の兄である森にとってどこが違うでしょうと聞かれるのは日常茶飯事だ。
まずは足の爪先から頭の天辺までざっと見た後、違和感を感じる場所をみつけて注目すれば答えは自ずと見つかる。
他に姉妹がいる友人や級友からは「そのスキルが欲しい」と羨ましがられるが、こんな簡単なスキル誰でも出来るだろうと、首を傾げただけだった。
「でもね、お兄ちゃんや森君みたいに出来る彼氏なかなかいないのが現実なんだよね」と、なぜか高杉の妹にまで森君と呼ばれている森はほーんと口にしただけだった。
出来るスキルを持つ高杉はさぁ答えてみろとばかりにほくそ笑んでいて、正直ムカつくが答えずにいれば、喚くか変なテンションのまま落ち込むので「唇」とだけ答えた。
「唇が何?」
いつもは白い肌にうっすらと桃色に色づいている唇が真っ赤に染まっている。
例えるなら今が命の真っ盛りと燃えるような赤だが、その赤が妙に高杉に馴染んでいた。
どちらの意味でも目立つ高杉が、口紅を塗るために入ったトイレから森氏かもう残ってない夕暮れの教室まで、誰にも呼び止められることなく戻ってきたのがその証拠だ。
気づかれれば生徒は騒ぎ、教師は指摘するはずだ。
「なんか塗ってるだろ、それ確かプラムルージュとかCMしているやつだったか」
「メーカーまで当てるなんて流石だな、森君、正解。甘酸っぱい唇を貴方にお届け、つやつや長持ちリップだ」
謳い文句を口にする高杉は上機嫌にくるくると廻る。
「
……
さて、ではなんで僕が口紅を付けたか、分かるか森君」
人差し指を唇にかざしながら高杉が上目遣いに森を見る。
「オレのため?」
正確にはオレがテメェの首を挙げたときに見苦しくないため意味だが、森は簡潔に話す。
森には今世の他に、戦国時代の記憶とそことは別のここよりも近未来的な場所で古今東西を駆け巡った記憶がある。
前者はかつての自分と認識できるが、後者は映画を見ているような感覚になるのだから不思議だ。
高杉とは映画のような世界で出会って恋に落ちたような気がしている。
しているだけなのに、首を挙げたいと思っていたことは鮮明に覚えているし、現在進行形で挙げたい。
この現象を漫画や小説では前世というらしいが、まさか「実は前世の記憶でテメェとオレは恋人だった、首を挙げたい」などと云えば、次の日眼帯を渡されるのがオチである。
前髪を上げて眼帯など付けたら、一つ上の先輩が猛ダッシュで走ってきそうなので云わずにいるし、森は中二ではなく高校二年生である。
「せ、正解だ
……
森君いつの間に高杉晋作検定一級に合格したんだ」
「なんだよその検定、」
一級ということは高杉の全てを理解したことになるが、高杉に記憶があるのか分からないままだし、記憶よりも高杉がどこまで自分に惚れているか分からないからせいぜい三級止まりだろう。
そもそも恋に段位などあるのだろうかと考えていれば、高杉が思わせぶりな態度で目を閉じていた。
「正解じゃねぇけど、据え膳は貰っておく」
ちゅうと唇に吸い付けば、高杉は満足そうな顔をして笑っていた。
*
「森君、この前の唇がどうとかという問題だが」
「あったなそんな問題」
「オレのためって云っていたけど、オレのためになんだったの」
あれから暫くして、急に高杉が訊ねてきたので森は素直に答えた。
「オレに首挙げてほしいのかと思った、生き生きとした首を挙げたい、」
まるでその時作家はどう思っていたかという問いに、締め切りがヤバかったのではと答えるように返事をすれば高杉が大声を出す。
「首!やっぱりな森君にしては出来すぎる答えだと思っていたよ」
紆余曲折あり高杉にも前世というモノがあると分かった森だが、森がカルデアとかいう近未来の記憶が薄いのに対し、高杉は濃い、その更に前世の記憶も濃いのはカルデアがあった時代と高杉の時代が森ほど離れてなかったからだとか、森君を思う愛の力など好き放題言うが本当かどうかなど確かめようがない。
「接吻はしたんだから、殆ど正解みたいなもんだろ」
「そうだけど、うぅ
……
」
結局今世でも執着するの首かよと俯きため息を漏らす高杉に森は仕方がないと、高杉の顎を掴むと高杉の瞳を覗いた。
「
……
てめぇの云うこと一つ聞いてやる、それで許せ」
「本当か森君、ではこの口紅を塗って一緒に帰ろう」
件のリップを取り出した高杉は丁寧に森の唇に塗ると満足そうに笑う。
「でかい男にリップ、なかなか良い趣味
……
だ、」
紅を唇に馴染ませた森がすました顔で立ち上がると高杉は腰を抜かした。
精悍な顔に口紅など笑えるだけだと思ったが男前が増した。
このまま帰れば、女子生徒は勿論、男子生徒にも森の魅力に気づいてしまう。
今すぐ口紅を落とさないといけないのに力が入らずにいる、高杉に森はそっと顔を近づけた。
「っ
……
あ、森君
……
馬鹿、」
「しっくりこねぇから少し取るわ、高杉
……
?」
薄い高杉の唇に紅を移し、馴染むように指で唇をなぞれば高杉が床で溶けていた。
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