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しるひ
2025-07-23 19:08:45
2009文字
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終・草露のえっちについて考える
ようやく終わり
キス以上のえっちについては保留ってことにしようね、で話はついた草露くん
話はついたが落ち着かない日々を過ごすリン
鉄平さんはこんな自分を必要としてくれる、強くて優しくて最高の人だけど、性欲は人並みに持ってることに気付かされてしまった
今はお付き合いしてる体でいるけれど、あまりにも長く清い関係でいたらいつかどこぞの馬の骨に誘惑されてしまうのでは?
悶々としながら日常を過ごし、それでも鉄平さんと会える日は幸福を感じていた矢先
副業としてネットの匿名占い師として稼いでいたリンは、ある相談者のLINEプロフィールに気づく
(鉄平さんの、お知り合い
…
?)
LINEは特に設定しない限り、電話番号同士の繋がりで第三者にも知人の知人の存在が分かるようになっている
相談者は自分と同年代の女性で、リンの話法に心酔した様子で人間関係や恋愛相談など、すっかり常連のひとりとなっていた
特に恋愛相談として話す相手の特徴が
――
「
…
鉄平さん、お話があります」
「リン、どうした?」
神妙な顔をしたリンを見て、鉄平さんはすぐに只事ではないと気付いた
「どうした、何があった?」
「これこれこういう女性と、お友達に?」
「ああ。○○高校の野球部のマネージャーやってたらしい。後輩たちの来年の甲子園攻略の参考になるかなと思って、連絡先交換したんだ」
「彼女は、それだけの関係とは思ってないようですが」
「え?」
そっとリンが鉄平さんの手を握る
「触れられましたか」
「いや
…
それどころか、大して話も」
戸惑った様子の鉄平を前に、リンの胸の内はぐらぐらと煮えている
やはりだめなのだ。この醜い世界は広すぎて、そこで生きる鉄平さんを清いままでいさせてくれはしない
それならいっそ、私のこの手で
「鉄平さん」
「リン?」
「ごめんなさい」
とん、と肩を押し、床に背中をついた鉄平さんのひと回り小さな体の上に
決して逃さないというように、リンはゆっくりとのしかかった
いつか来る日のために、知識だけは蓄えておいた
その通りにリンは動き、最初こそ戸惑っていた鉄平も途中からは何も言わずに夢中でリンの体を貪った
最愛の人の手で己の体が開かれていく。これに優る幸せはないと漠然と考えていたのに
呼吸だけが高熱にかかったときのように上がっていくその裏で、リンは自分の心が冷え切っているのを感じていた
行為が終わったあとも、ふたりはしばらく向かい合って横になったまま何も話さなかった
「
…
ごめんって、言ったよな」
「
…
」
「なあ、何があったんだ?」
「
…
」
「俺は頭がよくないから、ちゃんとお前の気持ちを伝えてくれないと分からない」
リンの肩が震える
「
…
鉄平さんが悪いわけじゃない」
「リン?」
「私が馬鹿なんです。鉄平さんに触れるのを恐れながら、誰かに触れられるのも許せない、私が愚かなんです」
「触れられる?誰に?」
「鉄平さんと連絡先を交換した、あの女性です」
「そんなことするわけないだろ!リンは俺のこと信じてないのか?」
「私が馬鹿なだけなんです。鉄平さんは悪くない、あの女性だってきっととばっちりです。私が勝手に不安になって、鉄平さんとろくに話もしないまま、こんなことまで
…
」
リンのすすり泣きが部屋に響く
「もう、自分が嫌すぎて、消えてしまいたい
…
」
鉄平さんの手が優しくリンの頭を撫でる
「リン、泣くな。これじゃ昔と逆じゃないか。負けて泣くのは俺で、お前がいつも励ます役だっただろ?」
「鉄平さんは
…
」
「俺は弱っちかったけど、いつもお前が側にいて助けてくれたから強くなったんだ」
「そんな
…
こと
…
」
「ある。だからリンももっと自信を持ってくれ」
小さな体が、縮こまっていた大きな体を抱きしめる
「リンじゃなきゃだめなんだ」
「
…
」
「他の誰かじゃだめなんだ。リン、お前は違うのか?」
ぶるぶると頭を左右に振るリン
「わ、私も!鉄平さんがいないと生きていけません
…
!」
「
…
ちょっと大げさじゃないか?」
「そんなこと!」
抱きしめられていた体を、抱き返す
「ごめんなさい、鉄平さん。ごめんなさい
…
」
「謝るな。俺がいじめられてるみたいだろ」
「あっ
…
ごめんなさ」
ぱっと口元を押さえると、鉄平が可笑しそうに笑った
「謝らないでいいから
…
やり直させてくれるか?」
「え?な、なにを
…
?」
「さっきの。リン、ぜんぜん気持ちよさそうじゃなかっただろ」
「え、え、えっ」
「上手くできる自信もないが
…
あれを初めてで終わらせるのは俺のプライドに関わる」
「そ、それは、申し訳ないと
…
」
「だからやり直す。いいか?」
もともと真っすぐで力強い鉄平さんの眼差しは、体を交える前よりさらに男らしく輝いて見えて
…
「は、はい
…
っ」
それを拒める意思をリンは持ち合わせていなかった
おしまい
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なにかあればどうぞ→
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