れんげ
2020-11-01 14:28:28
1069文字
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密室

まりななを応援する九龍の漫画のプロットのはずが小説ちっくになった(気力があれば漫画も描きたい)

二人の高校生は墓地の中にある小さな部屋で閉じ込められていた。
一方は、原子刀を得意とする真里野剣介。片方は図書委員の七瀬月魅。
「きっと、九龍さんが助けに来てくださいますよね。」
閉まっている扉のほうに話しかける。
しかし扉のほうからは返事がなかった。
「困ったな

あれは数刻前の出来事だった。爆弾で出現した隠し部屋に入り、真里野が壺を壊している最中の出来事だった。
隠し扉が更にあったのか、扉が急に現れた。
「ああっ!!そこにあったレバーを何気なく下げたら
九龍の間抜けな声が扉により途切れた。
は?」

座り込んで、どのくらい時間が経ったのだろうか。
どう話しかけたら良いのか迷っていると、七瀬はいつの間にか本を鞄から取り出しそのまま読み始めた。
「話しかける機会はついに失われてしまったか
ふぅとため息をつきなから、部屋の天井を見上げる。
天井に書かれている不思議な文字を数え始めることにしようかなんてぼんやり考え始めた。

「あ、ありました。真里野さん、この本。以前に借りてましたよね?」
しおりを挟み、本の表紙を掲げる。
「う、うむ確かに拙者も読んだことのある小説だが
それは時代小説で剣豪が自らの剣技で人助けをしていくという『しりーず物』である。
「私も一年生の時に読んだのですが、ここのシーンが好きなんですよね。」
「そうなのか!」
自分も気に入っている描写だったので、つい熱が入りそのまま語り始めた。

かのような楽しい時間を七瀬殿と過ごせるとはふと、正気に戻る。
「このまま、生を終えるのだろうか

「───!」
不意に、懐に入れていた『けいたいでんわ』が振動した。
けいたいでんわを開く。
「九龍からだ。」


件名:ごめん
本文:扉の仕掛けを解読したんだけどそろそろ開けてもいい?

なぜわざわざ聞くのだろうか、と疑問に思いつつも。
「開けてくれ」と返信した。
かくして二人は無事部屋から出られた。
七瀬と別れた後、男子寮の廊下を歩いていると九龍に話しかけられる。
「真里野の原子刀なら扉も斬れるかなぁと待ってたんだけど、なかなか出てこないから心配してたんだよ。」
背伸びをしながら話した。そして、
「七瀬とゆっくり話せたかい?」
「な─」
驚く自分と笑顔の九龍。
この人には一生勝てない気がした。

「真里野さんとこうして話が出来て、良かったです。」
自分に向けられたあの微笑みもまた見られるのだろうか。
「ふ、また図書室に行かねばな
ほんのりと心が温かくなるのを感じた。