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三毛田
2025-07-18 22:24:13
1064文字
Public
1000字4
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57 057. 気怠い午後のカーテンを潜って
57日目
君にちょっとだけ甘やかしてもらう
くぁ。と、あくびを一つ。
ほうれん草の胡麻和え、ふわふわな食感の鶏肉、トマトソースがけ。炊き込みご飯のおにぎりに、俺の大好きな甘い卵焼き。それと、から揚げも一つ。
デザートに、購買のプリンも食べたのでいい感じにお腹が膨れて、眠い。
窓から入る風が、カータンを揺らして。
それが時折俺の頬をかすめるのだから、余計に眠い。
「ぐへ」
背中に突き刺さる尖ったもの。悲鳴は、何とか飲み込んだのだけれど、そのせいで唇を噛んでしまった。
「丹恒、なんで背中刺してきたんだよ」
休み時間になり、後ろの席を振り返りつつ唇を曲げ。
「お前が眠そうだったからな。いい眠気覚ましだっただろう」
悪戯が成功して嬉しそうな子供のように、口元に笑みを浮かべ。
「そうだけどさ。流石にシャーペンはなしでしょ」
「ボールペンだと、シャツに痕がついてしまうからな。芯は出していないから、安心しろ」
「シャツに関してはそうかもしれないけど、俺の背中は無事じゃないんだけど」
「それは悪かった。作ってあるムースを、お前に進呈しよう」
「作ったの!?」
「ああ。ヨーグルトムースだ。甘さは控えにしたつもりだったが、俺には少し甘かった。つまり、お前の口にはちょうどいいだろう」
「丹恒が作ったものは、何でも美味いもんな!」
「パムと俺なら?」
「丹恒。俺が選べるわけないだろう?」
俺がどや顔で告げると、ムニムニと頬を揉まれ。
「お前が、食べるのが大好きで俺の作ったものもパムが作ったものも好きなのは知っている」
「じゃあ聞かないで。あ。大好きなのは丹恒だから」
「ふふ。知っている」
俺の頬から手を離さず、彼は楽しそうに笑って。
「あと一授業だ。頑張れるだろう?」
「頑張れるも何も、俺が寝そうになったらお前が後ろからつついてくるだろ」
「ああ、もちろん」
そこは笑顔で頷くところじゃないだろ!?
叫んでつかみかかろうかと思ったところで、次の授業のチャイム。
反撃しようと思った手は、宙を切ってしまい。
諦めて、前へと向き直る。
「うーん
……
」
「よく頑張ったな」
「お前なあ」
時々ペン先が背中に触れていたのは、俺だけが知っている。というか、俺知らないはず。
俺だけが知っているべきだ。
「じゃあ、掃除して帰ろう」
「ああ」
今回は一緒の掃除場所なので、きちんと掃除すればちょっとイチャイチャしても許される。
「丹恒、ムースって俺にだけ?」
「お前には、皆より多く盛ってやろう」
「ありがとう! 大好き!」
「いつもそれだな」
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