「このショーはお前の演出家としての課題で、役者側の課題じゃない。だから、オレから『ここが漏れてるんじゃないか?』とか『この意図がわからん』とかは、極力言わないつもりだ」
「その上で、これだけ聞かせてほしい。……この怪物に、特定のモデルは居るか?」
「ノーコメントだね。演出家として、今回はあえてモデルの情報は渡さない方が良いと思った」もっとも、演者が各々身近な人物やキャラクターと重ねる分には自由だけども。
本当に銃で撃ち抜かれた事なんて無い。けれど、主観的な重みを置き換えるならそれが最適だと思った。こういったトレースが大仰すぎやしないか、なんて気恥ずかしさも混じる。
いいや、このショー作りは、自伝を脚色して世に出すのではない。あくまで物語が主、そこに、体感してきた生の感情をひと匙かけるだけ。だから、人々に紛れ込んで生きた怪物の姿は、そっくりそのまま僕の生き写し、なんてことも無いのだ。
「怪物の食事・運動・睡眠、生活習慣から考えていくぞ!」
「眠る時間は、長いんじゃないか? 起きている時間が、つまらないから」
ちゃんと、『怪物』を見てくれている。……そう、そうだ。違う生を、
If you make a mistake, you can cancel it by pressing the reaction.