マスターが紅いロフトバードに乗って空を飛ぶ時、ファイは剣に戻っているので、どのような景色をマスターが見ているのか、ファイは知りません。
マスターは一緒に飛ぼうと提案されますが、ファイがマスターとともに飛ぶ必要性は0%なので、マスターが飛ぶ際はファイは剣から出ません。
それでも、マスターはファイを誘います。必要性なら僕にはあるのだと言います。必要性はないのですが、ファイは不思議と、マスターの言うように必要性があるのではないかと感じて来ています。
「ねぇ見てよファイ、風が気持ちいいよ!一緒に飛ぼう!」
笑顔のマスターが背中の剣のファイに呼び掛け、ファイは具現化しました。
「いいえ、マスターとファイが共に飛ぶ必要性、0%です。」
そっか…と少し表情が曇ったマスターに、胸のあたりに不思議なモヤモヤしたものを感じました。
「…0%ですが、マスターが見ている景色をファイも見てみたくなりました。」
そう続けると、マスターはみるみるうちに破顔し、ファイに飛び付こうとしました。ファイは実体が無いので、背後の地面にべしゃりと落ちていましたが。
マスターの笑顔を見ると、ファイの胸のあたりがほわほわとします。
これが何なのか、ファイには理解できません。
マスターにそれを伝えると、マスターは笑顔で「それは嬉しいって感情じゃないかなぁ」と言いました。
精霊であるファイには感情はありません。嬉しいと感じるはずがありません。ですが、笑顔のマスターを見るとほわほわするので、ファイは嬉しいのでしょう。
同時に、マスターが終焉の者を封印した後、ファイも眠りに就きます。その時、マスターが悲しい顔をするのだろうな、とファイは想像し、マスターには笑顔を見せてほしい、とファイは思いました。
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