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syanpon
2025-07-18 03:23:17
1934文字
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「それそれ! そういうところ!」
オトスバ
現パロ
オットーが嫉妬深い話
「お前、スバルが絡むと嫉妬深すぎるのよ」
「は
……
」
スバルが席を外した時、彼の実の妹のベアトリスにそう声をかけられる。
だばり、口の端からコーヒーがこぼれた。ベアトリスはオットーに向けてティッシュを一枚取って投げつけてやるが残念なことに華奢な彼女から放たれるぴらぴらのティッシュはオットーにまで届くことなくひらひら虚しく机の上に落下する。
礼を言い、拾い上げたそれで口元を拭くとオットーはぽかんとした声で先ほど言われた言葉を復唱した。
「僕が、嫉妬深い
……
?」
「こいつ自覚がないかしら!?」
ぴゃとベアトリスがオットーを指差したまま距離をとる。器用なものだ。
大学生と高校生、なかなか予定が合わない二人の家デートにそんな爆弾を投げつけられオットーはしばし思考を止める。
『僕は嫉妬深くなんてないですけど!?』
***
恋人のスバルと一緒にいるところをよく見られているベアトリスに嫉妬深いと思われていたことにオットーはちょっと、いやかなり衝撃を受けていた。
言いたいことだけ言った彼女は「今日はペトラと遊びに行くかしら」と家をあとにしている。
ソファに座りスバルを後ろから抱きしめながら映画を見ているが正直全く頭に入ってこない。
「僕って嫉妬深いんですかね
……
」
「え、自覚ないの? お前、やば」
「兄妹揃って!?」
どうやらスバルもオットーのことを嫉妬深い男だと思っていたらしい。「いやでもそういうお前が俺好き。ちゃんと愛されているんだなって思う」なんて言葉をつづけられてしまえばそれ以上の追及なんてものはできなくて。
いや、いつもなら映画を停止してでも彼に自分の納得のいくまで説明を求めていたかもしれない。そう考えると自身が恋人に嫉妬深い男だと評されていたのに思った以上の衝撃を受けていたのだろうか。
もしくは、愛情に臆病で鈍感。更に受け取ることすらへたくそな男に自分の気持ちが伝わっていたことに満足してしまったのもあるかもしれない。
「でもそんなに嫉妬深いですか
…
?」
「え、まだその話続いてた? もうエンドロールだけどお前映画ちゃんと見てた?」
「どこにいるのかの場所把握も交友関係のチェックも自宅の防犯設備の点検も普通の範疇でしょうし
……
」
「ちょっと待て、あとでいくつか問いただす」
スバルの肩口に口元を沈めて首を捻る。
「今日これのせいで眠れないかもしれないです」
「子守歌歌ってやろうか?」
「僕の悩みを雑に左に受け流そうとしないでくれませんかね!?」
スバルはオットーが自分の腹の前で交差させて抱きしめている手を柔く握り返す。
「んーお前はさ」
「説明しようとしてくれている
……
」
「俺は別にさっきも言った通り別にいいんだけど。あー、うまく言えるか難しいな。
……
お前俺がいつもより下校遅かった時とかめっちゃその日のこと聞き出そうとするじゃん」
スバルは友達が多い方ではないが数少ない友人がちょっと、いやかなり個性的だ。
そのせいかトラブルに巻き込まれがちなことが多い。それに高校生と大学生、自分の知らないスバルの姿を少しでも埋めたいとその日の出来事を迎えに来たついでに聞き込んでしまうことはなくもない。
「で、だいたいそういう時お前俺のこと離してくれない」
「え」
「やっぱ気がついてなかった。俺からそういう話を聞き出している時俺、抱きしめられているか手を握られているかのどっちか。今もだけど」
思わず目を見開いてしまった。そんなことしてたの僕。でもスバルは抱きしめるとあたたかいから今は離したくない。がしかし、無意識にナツキさんを拘束しようとしていましたって言われているのと同義じゃないか。
そんでもってそういうこと今さらいうのかあんたは。
嫌じゃないのかそれ。
パクパクと口がうまく閉じ切らないし返す言葉もない。
今日一日でダメージ負いすぎじゃないですか僕。
死角から痛恨の一撃食らいすぎじゃありませんかね?
僕の内心の混乱なんて目もくれず腕の中で恋人はゆらゆらと頭を揺らしている。
「でもさっきも言ったんだけどさうれしいなって。
……
それだけオットーが俺のこと好きだってことかなって。俺のこと好きでいてくれる人がいるなんて思わなかったから
……
」
「
……
ナツキさんは好かれてますよ。たぶんあんたが思っている以上の人に」
一番あんたのことを好きでいるのは僕ですし、あんたにもそうであって欲しいと思っていますが 。
そうこぼすと目の前の男は僕を指さして笑った。
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