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もち粉
2025-07-17 20:04:37
918文字
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午後も、夜も、明日も、
カブミス
同棲1日目 ポエム
朝、目が覚めたら、となりに君がいた。
ちゃんと隣に。ちゃんと、同じベッドに。
昨日から、ここはふたりの部屋だ。ベッドも、ふたりで選んだ新しいやつ。
君が目を開けて、「おはよう」と笑って、キスをくれた。
触れるだけの、朝のキス。昨日自分が塗り込んでやった、香油の匂い。
昨日、寝る前の自分に教えてやりたい。
お前が感じた"世界一のしあわせ"は、今朝さっそく更新されました。
お互いに朝食を作れるようなスキルはないから、屋台に行こう。
お粥? シチュー? サンドイッチ?
湯気と、香辛料と、肉の焼ける匂い。
いたずら気に君が指差した魔物料理は却下です。
賑やかな屋台の連なりに、道にはみ出して設けられた机で朝食を食べる。
朝のざわめきが、心地よい。
君の喉がこくりと動く音が聞こえる。
君が食べてるのを見るだけで、しあわせだ。
まだ鍋も包丁もなんにもないけど、君となら、並んで料理に挑戦してもいい。
帰り道、手をつないだ。
坂の向こうに海が見える。
午前の海って、こんなに青いんだ。
君の国は、あの海のむこう。僕の国は、ここになる。
君のひんやりとした手に、僕の熱が移って同じ温度になってゆく。
いつもと違う足音がする。
君がサンダルを履いていた。
骨ばった足の甲が日に透けて、白くて、まぶしい。
外で貴方の素足を見るのって、落ち着かないな。
午前中の陽光に照らされながら、ソファに座って書類に目を通す。
仕事は休みだけど、ちょっとだけ。
隣に君が、静かに座ってくる。
声もかけず、そっとこちらをうかがってくる。その耳がちょっとだけ下がってる。
わざと視線を動かさず、手だけを伸ばして、君の頭をひざに倒す。
ほんの少し驚いた君は、くすくす笑って上を向いた。
ひとつしかない黒い目を、ふにゃりと溶かして見上げてくる。
その顔に、たまらなくなって、唇を額に落とした。
まだ午前中だ。
こんなにしあわせなのに、まだ午前。
午後も、夜も、明日も
――
きっとずっと、こうしていられる。
今、世界一しあわせ。
夜までに、何回更新されるかな。
今日の貴方との幸福の総数を、ひとつひとつ数えて眠りにつこう。
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