三毛田
2025-07-13 22:27:14
1076文字
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52 052. 眠りにつく前に

52日目
君と過ごすその時間

「丹恒、好き」
「何度も聞いている」
「何度でも言うさ。だって、大事なことだから」
 恋人になってから、寝る前に好きだと伝えている。
 最初の頃はなんだコイツ? って顔をしたり、呆れていたけれど、今は軽く流すだけ。
 けれど、時々嬉しそうに『俺も好きだ』って返してくれるので無駄じゃないとわかっている。
 ので、やめられない。溢れる思いを、止められない。
「お前は、もう少し好意というものを隠す努力をした方がいいかもしれないな」
「そう? だって、今はお前と二人きりだから、隠す必要はないし」
 胸を押すと、簡単にベッドに倒れて。
「丹恒、大好き」
 そっと彼の柔らかな胸に、顔を埋め。
 そのまま眠ってしまった。
「おはよう」
「おはようございます。ごめん。重かったよな」
 どうやら、一晩中丹恒の胸を枕に寝ていたようだ。
「いや。最近お前が新調した枕のおかげで、楽に眠れた」
「本当?」
「ああ。お前は、どうだ?」
「ぐっすり安眠でした。丹恒にふわふわおっぱいのおかげです」
「それならよかった」
 ふわふわと笑い、俺の額にキスをして。
 あ。
 これ、まだ寝ぼけてるな。
「パムの朝ご飯、食べに行こう」
「そうだな。行こう」
 とは言うものの、まだ眠いのか俺を抱きしめて体を揺するだけ。
 いつも寝起きが良くて、キリッとしている彼にしては珍しい。
 そういうところも可愛いけど。
 ベッドから下りて、食事のためにラウンジへ。
 俺は銀狼からマルチのお誘いがあったので、パソコンへ。丹恒はアーカイブの整理があるので資料室へと戻り。
 そして、夕飯時に合流して。一緒にお風呂に入って、またベッドに。
「穹。アーカイブにあった物語を、タブレットに移動させた。今日はそれを読み聞かせよう」
 どうやら、彼好みの物語を見つけたようで。そわそわウキウキとした表情で。
「飲み物用意するから、まって」
 これはキッと長くなりそうだからと、先制。
 二人分の飲み物を、ちょっと多めに用意してクッションを腰の下に入るように敷いて二人でタブレットをの覗き込む。
 丹恒の声色は、まるで子守歌で。気づいたら、眠っていた。
 寝た時はそのまま横に倒れたと思っていたのだが、起きたらまた丹恒の胸を枕にしていて。
「ひゃんほう?」
「おはよう。昨夜の続きは、今晩に」
「はぁい」
 優し眼差しで俺を見つめ、そっと指先で頬を撫でてくる。
「まま……
「残念だが俺はお前のママじゃない」
 と否定されてしまった。
 この大きな胸と包容力で、ママじゃないって本当だろうか?