夢子夢子参考までに
…海老名一道:神奈川ヤンキー
今日は、幼馴染みの一道と一緒にショッピングに来ている。
一道は荷物持ち担当だ。
「なぁ~、まだ決まらねぇの?」
一道が呆れたように肩をすくめる。
「だって~
…どっちの色も捨てがたいんだもん
…」
大好きなピンクも良いが、この水色も可愛い♡
やっぱり迷っちゃうよ~。
「そうか?こっちの方が似合うんじゃね?」
一道はいつも通り、ピンクのワンピースを私に宛がって聞く。
「う~ん
…確かに可愛いんだけど、いっつもピンクじゃん?」
「おまえが結局、いつもピンクを選ぶんだろ~がw」
「え~!そんな事ないよー!」
そんなやり取りを何度か繰り返していると、一道が急に立ち止まった。
そしてある一点を見つめている。
「あれ?アイツ
…」
その視線の先には、すっごく美人の女の子がいた。彼の視線を追ってみるが
…遠くてよくわからない。
隣にもう一人いる様な
…?
「誰か知り合い?」
と私が聞くと、一道は「ん~
…」と言いながら少し考え込んだ後、
「まぁ、いっか。邪魔しちゃ悪いし」
と気にも止めない様に視線を戻した。
******
「あ~、楽しかった!良い買い物出来たんじゃないかな♪」
グーっとノビをしながら、一道と帰路を歩く。
「そりゃ、良かったな」
一道は、興味なさそうに答える。
ちょっと!なに?その適当な返答は!
ぶんすこ怒りながら歩いていると、小さなカフェを見つけた。
「あ!ねぇ、ちょっと休憩していかない?」
「あー、そうだな」
結構歩き疲れていた事もあって、私達はその店に入る事にした。
店内は落ち着いた雰囲気で、客層も女性やカップルが多いようだ。
私達が席に着くと、店員さんが水を持って来てくれる。
「ご注文がお決まりになりましたらお呼び下さい」
そう言って去って行く。
私はメニューを開きながら一道に聞いた。
「私はメロンソーダかな?一道は何飲む?」
「コーヒー。ブラックで」
端的に伝えると、私に向かって聞いてきた。
「さっきさ
…知り合い見たじゃん?」
そう言われて、一瞬誰の事か分からなかったけど、すぐに思い出した。
「あ!さっきのキレイな女の人?」
私がそう聞くと、一道は「はぁ!?」という様な顔をして、
「女もいたけど、知り合いはその隣!」
と呆れたように言う。
「隣?」
私が聞き返すと、一道はまたも呆れた様に言った。
「隣に男居たの、気付かなかったのかよ?」
え!?男の人?確かに誰か居た気はしたけど
…よく見えなかったんだよね。
「そうなんだ?あんまり覚えてないや」
「おまえって、アレに目がいかねぇなんて
…面白い女だよなw」
一道は心底可笑しそうにククク
…と喉を鳴らす。
「どういう意味~?」
なんだか馬鹿にされてる様で、ちょっとムカつく
…。
「美女の横に居た、すげぇイケメンが俺の知り合い。
……コイツね」
一道はスマホの写真を探して見せてくれた。
うん、確かにイケメンかもしれない。
「ふーん
…」
「興味ねぇの?
…変わった奴w」
……なんて話しているうちに、注文した飲み物が運ばれてきたので私達はそれに口をつけた。
そして私は気になっていた事を聞いて見る事にした。
「で?そのイケメンがどうかしたの?」
「あー
…アイツ、すげぇモテるんだけどさ
…彼女とか作らないみたいなんだよな」
ふーん。まぁ、いくらモテても好きでもなければ彼女にはしないんじゃない?
「まぁ、好きな子じゃなければモテてもね~
…」
「まぁな。でも、付き合わないけど女には困らないって感じ?すげぇよな」
呆れてる様な感心する様な、微妙な表情でため息をつきながらコーヒーを飲む。
「どういう事?彼女はいないけど、女の子とは遊ぶって感じ?女友達みたいな物?」
「あ~
…相手が望めば
…朝まで?みたいなのもザラらしいぜ」
「朝まで!?それってセ○レって事?」
驚いて、つい大きな声で言ってしまった。
周りの人が一瞬こちらを見たが、すぐに自分達の会話に戻る。
一道は私を見て苦笑いしながら言った。
「そうじゃねぇの?でも、女の方が勝手に勘違いして惚れて告白するみたいな」
「何それ!最低じゃん!」
他人事だけど、なんだかムカッとしてしまう。何、その男
…!?
「
……ま~な。でも、おまえがムキになってどうするよw」
一道はニヤニヤと意地悪そうな笑みを浮かべる。
「べ、別にムキになんてなってないしっ!」
私は慌てて否定するが、顔が熱くなっていくのを感じてそっぽを向く。そして話を変える様に聞いた。
「そ、そういえば、あんたはどうなの?彼女作らないの?」
「は!?なんで俺!?」
一道は驚いた様にこちらを見る。私は続けて言った。
「だって、あんた強面だけどモテない訳じゃないし
…でも、浮いた話聞かないじゃない?」
「いや
……別に
…好きなヤツから言われれば
……じゃなくて!おまえはどうなんだよ!?」
顔を真っ赤にしてブツクサ言っていた一道が私に質問返しする。
「わ、私だって彼氏欲しいよ!でも
…モテないし
…」
私は少し口を尖らせながら言う。
「
…おまえの事、好きなヤツだって
…居ると思うけどな
…」
「何よ~
…適当な事、言わないでよ」
私が笑って言うと、一道もククッ
…と笑いながら続けた。
「ま~な。俺達は余り物同士だなw」
一道はケラケラ笑いながら言う。
悔しいけど、その通りなのだ
…。
******
「荷物持ちと送ってくれてありがと♪」
「おぅ」
一道がマンションまで送ってくれたので、笑顔でお礼を言う。
「お茶でも飲んでいく?」
一道は少し考えた後、苦笑いしながら、
「あー
……いや、いいわ」
と後ろ手に振りながら去っていく。
私は少しガッカリした気持ちになりながら、彼の後ろ姿を見送った。
******
数日後。
私は仕事帰りに行きつけのバーに来ていた。
ここは、私のお気に入りの店『Black'Tailor』。
マスターの作るカクテルが絶品で、いつもついつい長居をしてしまう。今日もカウンターに座って一人で飲んでいた。
「どうぞ」
マスターのブルーノさんが可愛らしい色のカクテルを出してくれる。
「ありがとう♪」
私はゆっくりとそれを飲みながら店内を見渡す。
そこには、最近見た人物が一人で飲んでいるのに気づいた。
彼は目が合うとそのまま席を立ち、こちらに歩いてくる。
「こんばんは。どこかで会ったかな?」
やばい。見すぎてたかな?
「
…あ
…いえ
…すみません
…」
慌てて答えたけど
…彼は気にもしない様に少し考える素振りをすると、にこやかに微笑む。
「キミ
…もしかして
夢子ちゃん?」
突然名前を呼ばれ、驚いて目を見開く。
「あ、突然ごめんね。間違ってたら申し訳ない。知り合いの話によく出てくる子に雰囲気が似てたもんだから」
ふふ
…っと頬杖をつきながら、素敵な笑顔を向けられる。イケメンだ
…。
「もしかして
…一道とお知り合いの?」
「キールです。よろしくね」
少し癖のある金髪がキラリと光る。
この人が、モテまくるのに彼女を作らない遊び人
…。
危ない
…この男は危ないぞ
…。
「あはは、そんなに警戒しないで?何もしないからさ
……君が望まない限りは、ね」
キールさんは人懐っこい笑顔で言う。
その笑顔がまた素敵で
……ちょっと警戒心が緩みそうになる。
「
……本当
…ですか?」
私が疑いの目を向けると、彼は苦笑いをする。
「一道くんはキミにどんな話をしたのかなwでも本当だよ?彼の話でよく聞くキミに興味があっただけ。想像よりも可愛くてビックリしたよ」
そんなストレートに言われてしまうとドキドキするじゃないか!このイケメンめ!!
私は赤くなった顔をごまかす様にカクテルを飲み干す。
すると彼が、
「マスター、彼女にもう一杯」
彼がそう言うと、グレープフルーツを使ったさっぱりとしたカクテルを出してくれる。
一口飲むと爽やかで甘い口当たりに思わずグラスが進んでしまう。
「
……美味しい!」
「良かった。これはオレからのプレゼント」
私の反応に、彼は嬉しそうに微笑んだ。
その表情に胸がキュンとする
……だめ!相手は複数のセ○レがいる遊び人だよ!?
「あの
…キールさん」
「ん?何?」
酔いも回ってきて、私は意を決して聞いてみる。
「キールさんって、セ○レがいっぱいいるって本当なんですか?」
すると彼は一瞬キョトンとした顔をした後、クスクスと笑い出した。そして私に向かって言う。
「あはは!キミって
…面白い事を聞くねw」
え!?違うの?でも一道はそう言ってたよね
……?
私が困惑していると彼は、
「まぁ、実際
…女の子に誘われれば断らないけど?」
と言いながら私を見つめる。その射抜く様な視線にドキリとした。
思わず目を逸らすとグラスの中で溶けた氷がカラン
…と音を立てるのが聞こえた。
「
……夢子ちゃんは?彼氏とかいないの?
…もしかして
…一道が彼氏?」
彼は内緒話でもする様に、耳元で囁く。
「い
…いません。
…一道も幼馴染みってだけで
…」
耳から聞こえる、少し高めのイケボに体がゾクゾクと震えた。
すると、彼はククッと笑うと顔を離して言った。
「耳まで真っ赤
……可愛いね♪」
そう言いながら私の頬を優しく撫でる。
私は思わずビクンッと体を震わせてしまうが、その手を振り払う事が出来なかった。
何故か彼の綺麗な青い瞳に見つめられると、頭がぼーっとしてくるし体が動かないのだ。
そんな私を見て彼はクスリと笑いながら言った。
「確かめてみる?」
悪戯っぽくウインクをして、私の手から優しくグラスを取りカウンターに置く。
固まってしまい、私が答えられずにいると
…彼は私の顎に手をかけクイッと持ち上げる。
そしてそのまま顔を近づけてきたので、私は慌てて目を瞑った。
「いいの?目を閉じちゃって
…」
クスリと近くで笑い声がすると、唇に柔らかいものが触れ
…チュッというリップ音と共に離れていく
……。
「え
……?」
驚いて目を開けると、目の前には彼の綺麗な顔があった。
「ふふ
……ごめんね。キス待ち顔が可愛いくて
……約束破っちゃった」
よしよし
…と髪を撫でられ見つめられる。
「ねぇ、どこか違う所に行かない?」
まだボーッとする頭で見つめ返すと、自然に手を取られ、店を後にした
…。
と
…ここまで!
この後は、皆さんの想像にお任せしますw
今回もお読み頂きまして、ありがとうございました。
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