ヒース
2020-11-22 20:52:08
4655文字
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『星の子の正体についての朧気な考察』

#Sky考察
『預言の季節』を迎えるにあたって、自分の考察を書き残した文章。
「星の子は天使に似てるんじゃないか?」という視点で書いてあります。


【テーマ提示】
「炎の魂が、地上へ降り立つ為に一時的に物理的な肉体を持った存在」
という風に私は星の子を考えています。

具体的には「キリスト教の熾天使セラフとよく似ていますが、熾天使と違い肉体を持つ存在」なのだと考えています。

これからこの文章で「星の子≒天使」という一つの観点から考察を述べさせていただきます。
どうぞお付き合いよろしくお願いします。



【論述】
・前提条件
まず前提として「Skyはオリジナル作品であり、神話要素はプレイヤーが物語を理解しやすくする為のエッセンスとして盛り込まれている」と、私は仮定しています。

ステージを人生の年代別に分けているのは、発達心理学の『エリクソンの自我の発達課題』がモチーフ。
天で罪を犯して追放された精霊が地上で国を興す事・王様が丸い光を口にする禁断の果実の壁画は、アブラハムの宗教がモチーフ。
輪廻転生を繰り返す事・菩薩のように他者を救う事は、仏教がモチーフ。

上記のように広い範囲から少しずつアイデアをもらっているように、私には推測されます。
(そして恐らくは、私が知らない分野のモチーフも沢山あって、他の考察勢の方々はそれを見つけていらっしゃるのだと思います)



・星の子の正体の考察
さて自分は「星の子はオリジナルの存在である」と前提条件を考えています。
ですがその一方で「星の子には、プレイヤーが理解しやすいようになんらかのモチーフ元があるだろう」とも考えています。

そして自分が知る範囲で「星の子のモチーフ元は何だろうか?」と考えますと
キリスト教の天使が一番近い存在に思われます。



・キリスト教の天使について
天使は以下のような性質を持つとされています。
「天使は下位ほど人間に近い存在で、肉体を持つ」
「天使は上位ほど人間からかけ離れた姿をしている」
「天使九階級の最上位セラフ(熾天使)は『愛の炎に燃え立つ熾火の体』を持つと言われている」
「天使九階級は『神に仕える上位三階級』『世界を運営する中位三階級』『人間に寄り添う下位三階級』が存在する」


またルネサンス期の叙述詩である『失楽園』においては、天使について以下のように作中で説明されています。

「天使は霊的な存在である」
「人間と天使は半分は同じ存在である」
「神の近くに存在するほど、霊的な存在となる」
「肉は霊へ昇華する」
「天使は人間の上位互換的存在であり、人間の肉体が持つ機能は天使の身体にも備わっている」
「天使は決まった形に囚われず、自在にその霊的身体を変化させる事ができる」



・改めて星の子の正体の考察
まず私は炎でできているという点から熾天使をモチーフ元として連想しました。
ですが星の子は物理的身体を持つという事を私は知っています。
なぜならば、星の子は硬いものの上を歩くとき、石のようにカツカツと足音を立てるからです。
ゆえに自分は「星の子は陶器・軽石のような硬い物質の身体を持つ」と考えます
そして人型をしている事から、精霊(人間)に寄り添った立場でありしかし精霊とは異なる身体を持つ、と考えられます。



【疑問】
私は今回、天使というスタート地点から星の子の正体を考察させていただきました。
ですがまあ当然「星の子=天使」では説明しきれない点も多々あるわけです。

1.星の子の服装インド風
2.メガバード唯一神というよりは集合意識・アニミズム的存在
3.堕ちた星の救済そもそも堕天使に救済はない
4.転生についてそもそもアブラハムの宗教に転生はない

例として4.について挙げると、アブラハムの宗教では輪廻転生は否定されています。
「人生は一度きりで価値が決まり、最後の審判で究極の終わりを神様から賜るのだ」という教義だからです。
もしもSkyがアブラハムの宗教のみをモチーフにしているのであれば「輪廻を繰り返すのはおかしい」という話になります。

つまりSkyの世界観はいずれか一つの神話体系にだけをモチーフにしているのではない為、一つの神話体系だけで説明しようとすると説明に齟齬が生じるのです。
Skyは本当にオリジナルの作品なのだと思います。

メタ読みで考えると、Skyディレクターのジェノヴァ・チェン氏は中国生まれアメリカ育ちですので、二つの大きく異なる文化の影響を受けて、幅広く複合的な視野をもっていらっしゃるのだと思います。



【結論】
以上の情報から私が考察する星の子の正体は、以下の結論を導き出します。

「星の子の本質は炎の魂であり、霊的な存在である。
 しかし地上へ降り立ち精霊たちの霊魂を救う為、一時的に精霊に似通った人型肉体に宿っている存在である。
 その有様は天使に似ているが、天使という一言では説明しきれないオリジナルの存在である」



上記を以って私の考察を締めさせていただきます。
なお引用文・考察元リンク集は最後尾に列挙させていただきますので、気になる方はご覧ください。
お付き合いくださりありがとうございました。










【あとがき】
というのが自分の考察でしたー!

いやぁ、恥ずかしくて考察なんて全然形に残せなかったんですが。
「明日『預言の季節』を迎えるんだなぁ」
「星の子の正体が明日公開されるかもしれないんだなぁ」
と思うと、居てもたってもいられなくて(˘ω˘)

今、自分が考えている星の子の正体を改めて書き残して確かめておきたかったのです。

明日『預言の季節』を見て、今日の考察と見比べて
笑ってこの考察を読み返したいと思いますwwww
(*2020年10月4日にこの文章は書かれました)



読んでくださってる方は、おそらくSkyの考察が好きな方だと思います。
私の視点は、Skyという一つの世界を万華鏡でのぞき込んだ、万華鏡の中の一片の鏡のようなものです。たくさんの見方の内の一つの窓です。

私の視点を皆様に共有することで、皆様のSkyワールドが広がってくださると幸いです。
そしてあわよくば、皆様の視点も私に見せていただきたいです!(/・▽・)/



最後に、粗削りな考察を読んでくださってありがとうございました。
それではまた!

ヒース @dauanelyuma
2020年10月4日




【蛇足の引用文】
『失楽園』では、ラファエルがアダムから食事をもてなされる時に天使の生活について語るシーンがあります。
その時、天使の肉体について以下のように語ります。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 われわれの祖アダムが、やがてこんな風に語り始めた。
「天の客人よ、この豊かな天の賜物をどうか召し上がってください。
 (中略)
 おそらくは天使の口には合わないかもしれません。しかし、私が知っている唯一のことは、唯一の天にいます父なる神が、すべての者にこれらを与え給うているということなのです」

 アダムに向かって天使が言った。
「まさにそうであるが故に、神が(ああ、神の御名は誉むべきかな!)半ば霊的な人間に与えておられるところのものは、純粋に霊的な天使にとっても、ありがたい食物となるのだ。
 理性的存在であるお前たちと同じように、純粋な叡智的存在であるわれわれにとっても、食物は必要なのだ。
 お前たちもわれわれも、体内に、いろんな下級に属する感覚の機能を持っており、それによって聞き、見、嗅ぎ、触れ、味わっている、――そして味わうことによって混ぜ合わせ、消化し、吸収し、やがて肉体的なものを霊的なものに変えてゆく。
 創造されたものは、それが何であれ、とにかく養われ維持されなければならぬということを、知ってもらいたい。
 (中略)
 だからわたしの好みが難しいなどとは考えないでもらいたい」
 彼らは、そこで、一緒に食卓に着き、食事を始めた。

引用元:『失楽園(上)』p243~p245 ジョン・ミルトン作(1667年) 平井正穂訳(1981年) 岩波文庫
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

上記の文章から
「天使は霊的な存在である」
「人間と天使は半分は同じ存在である」
という事を作者ミルトン氏が説明している事がわかります。

さらにラファエルはアダムに天国の食事について重ねて質問され、こう答えます。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「アダムよ、唯一人の全能なる神がこの世に在し給い、すべてはその神から生じ、また全より逸脱しない限り再び神へともどってゆく、――すべては、一つの現質料から出来ており、様々な形相、様々な段階を持つ内質、そして生けるものの場合には様々な段階の生命、をそれぞれ与えられている。
 しかし、各その独自の活動領域を定められているが、神の近くに位置を占めれば占めるほど、或は神の近くへと志向すればするほど、いっそう浄化されて霊化され純化されてゆき、さては、それぞれ定められた限界内においても、肉は霊へと上昇しようと力めるのだ。
 (中略)
 推論的なものであれ、直観的なものであれ、理性こそは霊魂の本質なのだ。推論はしばしばお前たちのものであり、後者はもっぱらわれわれのものだが、程度の差こそあれ結局は同じものなのだ。
 だから神が人間のために善しと見給うたものを、わたしが断るどころか、むしろお前たちと同様喜んで食べ、自分本来の内質に変えるのを訝しく思うのはよしてもらいたい。
 やがては人間も天使とともに食事をし、しかもその食事を、自分には適しないとか、余りに軽すぎるとか、思わなくなる日がこよう。
 そうなれば、このような肉体の糧から離れ、ある時間を経てお前たちの体は浄化されてやがて尽く霊となり、翼をえて、われわれのように空中高く飛翔することも、或は自分の好むままにこの地上なり、天井の楽園なりに、自由に住むこともできるようにおそらくなるであろう。」

p247~p248
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

上記の文章からは
「神に近しい存在程、霊的な存在となる」
「肉は霊へ変化する」
「天使は人間の上位互換的存在であり、人間の肉体が持つ機能は天使の肉体にも備わっている」
という事を作者ミルトン氏が説明している事がわかります。





【参考文献】
『Sky星を紡ぐ子どもたち』

『天使』wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A9%E4%BD%BF
『熾天使』wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%86%BE%E5%A4%A9%E4%BD%BF

『失楽園(上)』ジョン・ミルトン作(1667年) 平井正穂訳(1981年) 岩波文庫

『いつか「ゲーマー」という言葉がなくなってほしい――「風ノ旅ビト」「Sky」を作ったJenova Chen氏が語る,ゲームというエンターテイメントにかける想い』4Gamer.net 2019年10月16日インタビュー記事
https://www.4gamer.net/games/394/G039457/20191007043/


【修正】
・引用文の誤字修正 (2020年10月5日)
・あとがきの誤字を修正  (2020年10月5日)