散歩の途中、降りだした雨。
厚い雲に隠れて月も星もみえやしないし、雨宿り先もみつからなくて、すっかり濡れ鼠みたいになっていて。ここまで濡れてしまえば、傘も雨宿りもいらない気がして。雨に打たれながら、何となく思い出した昔の映画の歌を口遊む。
――I'm singing in the rain (雨に歌えば)
Just singing in the rain(雨の中、ただ歌えば)
と、そこまで歌って思い出したのは、これが愛の歌だったなぁ
…なんて事で。歩きながら手を伸ばし、掌で雨粒を受け止めながら、つい笑ってしまう。
――What a glorious feelin'(なんて、素敵)
I'm happy again (幸せがこみあげる)
そういえば、この映画...誰と見たんだっけ? うっすらとしか残らない遠い記憶。映画自体は九十九堂に預けられていた頃だった気はするけれど、いつも通り今の家族の誰か、かな? 一時期、なんかいっぱい見ていた古い映画のひとつな気もする。嗚呼、あれも誰が言いだした事だっけ。
――I’m laughing at clouds(雲を見て笑ってる)
So dark up above(頭上の暗い雲を)
その映画の有名なシーン。雨の中、傘をさすのを止め、濡れながら愛の喜びを歌い踊る彼は印象的で。なんとなく記憶に残っている。まぁ、ボクの身体能力じゃ、タップなんて踏めないし。出来てリズムを取りながら、こっそりと歌う事くらいだけど。
――The sun’s in my heart (僕の心には太陽があるんだ)
And I’m ready for love (愛する準備はできてる)
外つ国の発音は、どちらかというと苦手。でも
――家族と見た映画で、気に入った何曲かは頑張って覚えて、歌詞を日本語にして
…とかやったのは、嗚呼、そうだ。千颯が英語を覚えるのなら、そういうのが良いよっていったからだ。
なんとなく思い出してスッキリして、暗い雨雲へと顔を向ける。額に頬に鼻先に、雨粒は落ちる先を選ばない。気紛れに落ちては伝い、地面へと還っていく。また空へと戻る為に。その一部にはなれないボクは、ただ濡れ鼠になったまま、家族に会いたくなってきて踵を返す。濡れ鼠がバレると怒られそうだから、お風呂に入っている間にでも「帰って来て」って連絡をいれよう。そうしよう。
なんて、思った旅路の果て。
家に入る前に丁度帰ってきた二人に見つかり、家に居たらしい同居人にも見つかって、三人分怒られたのは愛されてる証拠だと思う事にした。そしてバッチリ翌日風邪をひいて、追加で怒られた。うん、反省はちょっとした。
~終
…?~
独り言
ただ、雨の中歌ってる画を文字にしたかっただけ(๑❛ڡ❛๑)テヘペロ☆
正しくは「雨に唄えば」。1950年代に作られたミュージカル映画。とても好きな曲。
www.youtube.com/watch?v=edvN1DfRTZI
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