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kr0mm333
2024-10-29 20:51:42
2308文字
Public
バチ(腐)
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睡眠不足に要注意
以前投稿した柴宗と同じ世界線の話。
フォロワーさんとお話ししてる時に、柴さんに褒められる宗さんが見たいと言ってもらったので書いたものになります。
今回は割と平和は感じ……?
「う、ぐ
……
ぅっ
……
」
いつものように尋問という名の暴行が終わった。最近は犯されることが多かったので忘れていたわけではないが、今日はいつもより加減がなかったように思う。
そう思ってしまうほどに目の前の男から振るわれる暴力に慣れてしまっていること、そして、男の顔色がいつもよりも悪いことに気づいてしまっていることに嫌気がさす。
口内に広がる血の味が不快でティッシュに唾を吐く。
「はー
……
しんど」
消毒液をガーゼに染み込ませて傷口に当てられる。裂けた皮膚から流れ込んだ消毒液が肉の上に触れてビリビリと痛む。痛みが引いてきたかと思えばつぎはジクジクと脈打ち始め、少し強めに奥歯を噛み締めた。
尋問という名の暴力を振るった後、男は必ず宗也の体についた傷を治療する。放っておかれるものと思っていただけに最初は驚いたが、暴力を振るうのが好きというわけではないということ。そして情報を吐いてもらうまでは健康でいてもらわないと困ると言われたので殺されることはないのだろう。手を上げることに躊躇いはないが、必要だからするだけであって加虐趣味ではないというのが男の言い分である。おそらくそれが嘘でないこともわかってしまうくらいには、男のことを知ってしまったような気がして顔を歪めた。
「っつ!」
あまりの痛みに生理現象としての涙が滲む。宗也は元々戦士としては強者に分類されるが、痛みに耐えられるだけであって無効化したりはできないので許容量を超えるとやはり辛いものがあった。
すると、
「痛かったやろ。よう我慢したな」
ぽん、と頭に何かが乗る感触。
そう強い力でなく、髪を軽く揺らすように動くソレが男の手だと気づかなかった。幼い頃、父が褒めてくれた時にしていた仕草。弟達が生まれてから宗也もする側に回っていたし、大人と呼ばれる年齢になってからはもうされることもなくなった。なのに、目の前の男によって子供を褒めるように撫でられているのが理解できない。
男は自分のしていることに気づいていないらしく、宗也の頭を撫でながらすごいなぁ、と呟いた。
顔どころか頭と首まで熱くなった気がする。空調はしっかり効いているのに汗すらかいてきた気がして体温が上昇している。
なんだ、なにが、この男は何をしてーー
ほんの十数秒だったが、宗也には耐えられるものではなかった。褒められるのも子供扱いされるのもどうかと思うが、それ以上にそれをしている相手が自分に尋問をしてくる男、柴であることが一番気に食わない。
「や、」
「ん?」
「やめろァ!!」
頭を撫でる柴の手を思い切り手を叩き落とす。勢い余って少し痛そうな音はしていたが、柴自身も自分が何をしていたか気づいたらしくパチリと目を瞬かせてから悲鳴に似た声を上げた。
「え
……
うそォ!? 俺何してた!?」
「人の頭撫でて悦に入ってんじゃねぇよクソ野郎!!」
頭を撫でていたことを告げると、柴は絶望と信じられないという気持ちの入り混じった顔で自分の手のひらと宗也の顔を交互に見てから頭を抱えた。
「ホンマごめん!! 俺もしたくなかった!!」
「何でやったんだよテメェ!?」
「めっちゃ無意識にシャルちゃん褒めるノリでやってもうた!?」
「誰だよシャルちゃんって!!」
この間の女か!? と詰め寄れば、違いますー! と即座に否定された。そういえば、あのマンションで出会った女は違う名前で呼ばれていたことを唐突に思い出す。
「シャルちゃんお前の万倍えぇ子ですう!! ハクリくんとも仲ええしな!!」
「伯理が俺以外と仲良くしていいはずねぇだろァ!?」
「ええに決まっとるやろボケェ!!」
伯理の名が聞こえて即座に立ち上がる。ちゃん付けされるくらいなので確実に女。また、伯理が悪い女に騙されているのではないかと思ってドアに向かおうとした。
しかし柴に肩を掴まれ、手当ての際に座っていた椅子ではなくベッドに放り投げられる。
「出ようとすんなアホ! それに手当ても終わってないっちゅーの!」
「うるさい! 俺は行く!」
「だーかーら! 行かせん言うとるやろ!!」
「い゛っ!?」
柴を投げ返そうとするも仰向けであること、そして傷が痛んでしまい抵抗らしい抵抗はできない。漣家にいるときにこんなことはなかったので、監禁されている内に鈍ってしまったのだと気づく。
「はあ、はあ
……
とりあえず、手当だけするから、大人しくせぇや
……
!!」
押さえつけられ、手当が再開すると興奮したおかげで忘れていた痛みがまた蘇ってくる。
「俺からの要求は変わらん。お前が情報を渡すか、戦闘力として協力するか、そのどちらかや。そんで、外に出たとしても伯理くんやチヒロくん達に危害を加えやんこと」
伯理やチヒロ、そして先ほど名の上がったシャルちゃんとやらとマンションで出会った女。それらに危害を加えるなと言っているように聞こえる。
「お前には加えてもいいって聞こえるが?」
「俺かて嫌やわ。でも、尋問やなんやとやってるんや。仕返ししたいって言われてもそらしゃーないって」
負けるつもりはないけど、と付け加えると柴は手当に使った救急セットを片付けて立ち上がった。
「ほなな」
「二度と顔見せんな」
そうしてまた部屋を出る柴の背中を見送る。傷もある、体力も筋力も落ちた。ならば逃げようとして暴れるより、確実に出られるその時まで英気を養い自身の体を元に戻すことに専念しようと考える。
決して、撫でられたことが嬉しかったわけではない。そう自分に言い聞かせながら、宗也は柴の置いていったペットボトルを開封した。
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