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三毛田
2025-07-11 23:41:58
1091文字
Public
1000字4
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50 050. この手に握り締めたもの
50日目
君の手
無機質な部屋の中で目覚め、何もない手に握りしめたのは。
初めは、寄物のバット。
存護の焔を宿した槍。
先輩ナナシビトの想いを受け継ぐ帽子。
物語を綴る羽根ペン。
俺のためのものであり、共に戦う仲間を守るためのもの。
そして。
「丹恒」
彼の手は、誰よりも率先して俺やみんなを守ってくれる、逞しい手。
その手を、そっと握る。
「穹? どうした」
「いつも俺たちを守ってくれて、ありがとうって」
「そうか。ああ。お前の手も、俺たちを守ろうと頑張ってくれている。逞しい手だ」
俺よりも温度の低い手が、そっと触れて。それから撫でていき。
ヒヤッとして、ちょっと驚いたけれど丹恒に触れられていると嬉しい。
それと同時に、よくわからない感情も沸いてきて。
「丹恒」
「さっきからどうしたんだ」
「お前に触れていたいって思うんだけど、触れてると変な気持ちになるんだ」
「変な気持ち? 例えば?」
「腰の辺りがむずむずする」
「腰の辺り
……
」
と、丹恒の視線が腰っていうか股間に向けられ。
「お前にもそういう欲があるんだな」
なんて、ちょっと微笑ましそうに。
というか、そういう欲って何さ!
って叫びたかったけれど、我慢する。
した方がいい気がしたから。
「えーと
……
ぎゅってして」
「ぎゅ?」
「ハグってこと」
「何故?」
「ハグをするとストレスが軽減されるし、俺が嬉しい」
両手を広げると、困惑しつつ丹恒も腕を広げて。
「えいっ」
「わっ」
勢いよく抱き着くと、驚いた声。
でも、恐る恐る背中に腕が回され。
「これで軽減されるのか?」
「俺はされる。キスもして漏れたら、もっとストレスが減るかも?」
なんて調子に乗ったら、背中の肉をつままれた。
地味に痛いので、これからは気をつけようと決意。
「丹恒、ん!」
それ以降、俺が両手を広げると、仕方ないという表情をしながら抱きしめてくれて。
「近頃、ようやくお前の言っていた意味が分かった。確かに、抱きしめられるとストレスが軽減されるな」
羅浮以降、デレが前面に出てきた丹恒は、当たり前のように俺のハグを受け入れてくれるようになった。
「こら。押し付けるな」
腰を押し付けると、流石にグイっと顔を押され。
「エッチなことは、駄目?」
上目遣いにおねだりしてみるけれど、駄目みたい。
ケチ。
「そういうのは、恋仲になってからだろう」
「え? 俺と丹恒って恋人じゃなかった?」
「俺は、お前に言われたことはない」
「好き! 丹恒大好き!」
「
……
俺も、ああ。お前が好きだ」
と彼は微笑んで。
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