三毛田
2025-07-07 22:06:03
1066文字
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46 046. 君の横顔を見つめてる

46日目
隙あらば

 真面目に黒板を見据えて、時々ノートにペンを走らせる横顔をチラチラと盗み見る。
 相変わらずイケメンで、美人だ。
 授業は話半分に聞いていたけれど、ノートに書き写すものは何だかんだちゃんと書いているのだから許して欲しい。
「穹。また話を聞いていなかっただろう」
 授業が終わり、大きく伸びをしていると隣から呆れた声。
「丹恒が美人だから、見惚れてた」
「それは理由にならない」
 だとしても、何だかんだテストで赤点を取ったことはないのだから、そこは大目に見てくれると嬉しいんだけどな。
「先生の話を聞いてるよりも、お前を見てる方が楽しいし」
……そんなことを口にするのは、お前だけだ」
「俺だけで十分だ。他の人にそんな言葉を言わせるわけないだろう?」
 手を伸ばし、耳に着けられたイヤーカフを指先で撫でる。
 不思議な形をしたそれは、彼が実家から持ってきた数少ない品で。
 気に入っているのか、よく着けているのを見かける。俺がプレゼントしたものだけを着けて欲しいと思ってしまうのは、きっと独占欲。
「穹、くすぐったい」
「丹恒。明日から、俺がプレゼントしたほうを着けて」
「わかった。わかったから、離してくれ。お前の体温は、くすぐったい」
 くすぐったそうに小さく体を動かし、他者からは無表情だと――でも、そこがまたいい――言われる顔は笑みが浮かんでいて。
 あ?……。今すぐキスしたい。
「丹恒。明日、お前を抱くから覚悟してて」
「っ」
 太腿に触れながら告げると、グッと肩を押されて。
 それ以降の丹恒は、俺の言葉で急にそわそわし出して。とても可愛い。
「今日もお疲れ。じゃあ、帰ろう。丹恒」
 残りの授業中も、チラチラと彼の横顔を眺めていた。
 それに気づいて、キッと睨みつけてきたけれど、やっぱり可愛いだけ。
「丹恒、待って~!」
 いつもならば、ちゃんと俺を待ってくれるのに。慌てて追いかける。
「なんで不機嫌なんだ?」
「別に不機嫌じゃない」
「え~?」
 歩く速度は速いし、俺の顔を見てくれない。
「お前が」
「ん?」
「学校で、あんなことを言うからっ」
「だって。明日が七夕なのを思い出したからさ」
 手をするっと撫でれば、軽く引っかかれ。
「無関係だろう」
「そう?」
 そういう行事に便乗したら、丹恒も少しは素直になれるかなって。
「それと。誘うなら、家にいる時にしてくれ」
「はーい」
 手の甲を指先で撫でていたら、ぎゅっと握られる。
 ふと視線を向ければ、照れているのか頬はほんのり赤く染まっていた。