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傘道
2025-07-07 19:47:05
1440文字
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イトビリ
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星の川に願いを
znzrの🔦🔫です。
七夕のお話です。
もし星の川が恋路を妨げるなら。
私は全力で抗おう。
「ライトは神様って信じるか?」
「突然どうしたんすか、パイセン。」
郊外の澄み切った夜空。
天の川に目を奪われていると隣に居た恋人からの言葉に思わず天の川から目を逸らす。
恋人であるビリーは天の川を見つめたままだ。
「天の川って織姫と彦星の恋を邪魔するために意地悪な神様が置いたんだろう?俺がもしライトと1年に一度しか会えなくなるって考えたらすっげぇ嫌だぜ。そう考えたら俺たちの恋路を邪魔する神様って居るのかなと思ってさ
…
」
「パイセン
…
」
恋人と1年に一度しか会えない。
確かにこれだけ聞けばひどい神様だと思うだろう。
恋人が自分に会いたいという気持ちが嬉しいが
…
「あの
…
そもそも天の川置かれたのは彦星と織姫が恋に夢中になりすぎて仕事サボりまくったからですよ。」
「へ?」
「だから真面目に働けば年一回は合わせてやるっていう真面目に仕事しろよという教訓ってわけです。」
「そうだったのか!?ニコの親分が恋路を邪魔する意地悪神って言ってたからてっきり
…
」
どうやら天の川の話はニコから聞いたものだったらしい。
「そりゃサボってたら神様も怒るよなぁ。じゃあ仕事さぼらないで居たら
…
ずっとライトと居られるんだ。」
「
………
俺と一緒に居たいんですか?」
「そりゃずっとそばに居たいに決まってるだろ。俺、七夕の短冊に『ライトが長生きできますように。』って書いたぜ。」
長生きできますように。
ホロウ災害やエーテリアスの脅威。
そしてチャンピオンとしての責務。
長生きできる保証なんてないのに。
自分のためにじゃなくて恋人のために祈った。
どこか無邪気で眩しい機械人。
それがライトの恋人、ビリー・キッドであった。
「アンタはどこまで眩しいんだ
…
」
ボソリと呟いた言葉は機械人には届かなかった。
「郊外でも七夕の短冊が飾られるんですけど、その時は
…
『パイセンが長生きできますように。』って書きますよ。」
長生きできますように。
ホロウレイダーとしてホロウに潜り込み、エーテリアスと戦う日々。
長生きできる保証なんてないのに。
恋人のために願う。
「短冊だけじゃなくて
…
天の川にも願おうぜ。俺たち仕事さぼらないからずっと一緒に居させてくださいってさ。」
「まぁ、仮に神様が俺たちの恋路を邪魔するために星の川を置いたら
…
川を乗り越えてアンタを迎えに行きますよ。」
「ハハハ、俺のダーリンは頼もしいなぁ。」
二人で肩を寄せて星の川を見つめる。
どうか二人一緒に。
しわくちゃのおじいちゃんになっても。
ぼろぼろの身体になっても。
二人の愛は変わらない。
ずっと一緒に居たい気持ちは変わらない。
星の川に願いを。
「ところでどっちが彦星で織姫っすか?」
ライトはビリーに尋ねた。
答えなんて決まってるのに。
「彦星と織姫がどんなやつかわからないけど、織姫と恋仲になったってことは彦星は王子様なのか?王子様の格好をしたライトちょっと見てみたいぜ。」
彦星は王子様ではなくて牛飼いの青年なのだが、ライトはツッコミを入れなかった。
クスクスと笑うとビリーの鋼鉄の手をとり、指に口づけをする。
「じゃあパイセンは織姫ですね。俺のお姫様、今日はたっぷりエスコートしますよ。」
夜空の元でバイクに乗せて。
二人の愛の巣に帰って。
いっぱいいっぱいエスコートして。
愛を伝えよう。
今夜はとびっきりの夜になりそうだとライトは微笑んだ。
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