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桐谷リベル
2025-07-03 16:48:58
602文字
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諦めない者
TotK序盤のネタバレがあります。下地にうっっっすらリンゼル。
お題に沿って書くつもりだったものの成れの果てを勿体無い精神でUP。
二度目の知らない天井は、根に覆われた薄暗い遺跡だった。ぼんやりとした頭で、目覚める前の記憶を手繰る。
崩れ落ちる地下遺跡。瘴気を漂わせ嗤うミイラ。目の前で彼女が落ちて行くのを見ているだけだった、無力な自分。瘴気に朽ち、痛みを堪えながら伸ばした右腕は
…
驚愕と絶望に顔を染め、こちらに手を伸ばす彼女には届かなかった。100年前、厄災の宿るガーディアンの前で倒れたあの時から何も変わっていない。
自分はまた彼女を護れなかった。
視界に映る天井が滲むのを誤魔化すように、右腕で目を覆う。
…
右腕?あの時、瘴気によりマスターソード諸共呑み込まれ、赤黒く朽ちて激痛が走っていたはず
…
。
見覚えのない黒緑の腕は、所々に緑と金色の装飾が着いている。城の地下でミイラを封じていたあの腕と似ている気がした。
視界の端の、木の根の間で何かがきらりと光った。起き上がり、根をかき分けると、そこには見慣れた青い翼の意匠。薄汚れ、刃は黒く朽ち砕けてしまっている。だが、この剣はまだ諦めていないと本能的に思った。
そっと拾い上げ、柄を、刃を撫でる。
自分はまだ生きている。自分の手が届かなかったために暗闇に消えて行った彼女を探さなくては。
まだ終わっていない。
まずはここがどこなのか確かめなくてはならない。
辛うじて残っていた剣帯にマスターソードを括り付け、根の向こうに見える空間に向かうため、勇者は前へと踏み出した。
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