haru_haru0704
2025-07-01 12:11:22
1685文字
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哥舒臨と巨大生物

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哥舒臨さんが巨大生物と出会う話

「哥舒臨さん。今州南部の湖に、謎の巨大生物が現れたという情報が入りました。調査してきてくれませんか」
忌炎がそう言うと、哥舒臨はあからさまに「めんどくさ・・・」という顔をした。
今州南部は破陣基地から遠く離れているし、『謎の巨大生物』程度を見に行くためにわざわざこの俺が出向かなきゃならんのか?とでも考えているのだろう。
「・・・その巨大生物とやらは、一般の兵では対応できないほど強いのか?」
「分かりません。まだ数件の目撃情報があるのみで、襲われた民間人もいません。もしかすると、敵対生物ではない可能性も」
事実を伝えると、哥舒臨は余計につまらなさそうな顔になった。
・・・仕方ない。あまり嘘はつきたくないのだが、彼のやる気を引き出すためだ。
「・・・なんでも、その生物は口と背からキャノン砲を生やしているとか。それから、鋭く尖った牙と爪・・・」
「なんだと!?そんな面白そうな生物なのか!?」
「はい、そういう噂です。鹵獲・・・いや、捕獲?できるかもしれないので、調査をお願いできませんか」
「ふん、そういうことなら任せておけ。俺が手懐けてやる」
この人って案外ちょろいんだよな、と思いつつ忌炎は「頼もしいですね」と笑った。

*
哥舒臨はさっそく今州南部のとある村へと出向いた。
村人は今州人らしい穏やかな気質で、急に訪れたいかつい見た目の男にも快く巨大生物の噂を語ってくれた。
「あれはネッシーですよ!」
「ネッシー?」
「旧文明よりももっと昔からいたとされる、伝説の生き物です!」
「ほう、伝説の生き物か。面白い」
聞いてもいないのに、村人はネッシーについて熱く語り始めた。
曰く、全長は20メートルを優に超し、見た目は首長竜のようで、口から何かを吐き出し、夜な夜な不気味に鳴くのだとか。
哥舒臨はわくわくとしながら、村人に聞いた湖へと赴いた。
そこにはまだネッシーの姿は見えず、湖面は波ひとつ立っていない。
彼はしばらくの間、ネッシーの出現を待った。

「・・・飽きた!」
10分後、哥舒臨は早くも音を上げた。元々、じっと待つのはあまり得意ではない性格だ。
彼は湖全体が映るようにデバイスを設置し、録画を開始した。湖の監視はこいつに任せて、俺は俺でできることをしよう。

*
それから、哥舒臨は様々な方法でネッシーにアプローチした。
池に餌を設置してみたり、水面を叩いてみたり、水中に潜ってみたり、逆に何もせず静かにしてみたり。
そして、3日3晩に渡る激闘の末──

「忌炎、戻ったぞ」
「おかえりなさ・・・えっ、本当に捕まえたんですか?」
破陣基地に戻ってきた哥舒臨は、後ろに水色の生き物を連れていた。
体長は2.5m~3m程度、首長竜のような体をしていて、背にはゴツゴツとした甲羅を背負っている。
何故だか・・・そう、本当に何故だかは分からないのだが、『ラプラス』という名前がしっくりくる。
「ああ。なかなか可愛いやつだろう」
哥舒臨が頭を撫でると、ラプラスは「きゅ~」と嬉しそうに鳴いた。
「他にも、両肩からキャノン砲を生やしたでかい亀もいたぞ。2足歩行の」
「えっ・・・そんなのいるわけないでしょう」
「お前が最初に言ったんだろうが!キャノン砲が生えた巨大生物がいると!」
「そうだった・・・いえ、まさか本当にいるとは」
まさに嘘から出たまこと。瓢箪から駒。
何にせよ、適当に嘘をついたのがバレなくてよかった。
「こいつもでかい亀も、温厚な性格だから放っておいても人に危害を加えることはないだろう」
「そうですか。よかった」
「きゅい!」

こうして、キャノン砲が生えた巨大生物の謎は解かれた。
しかしその数日後、新たな巨大生物の目撃情報に忌炎は頭を悩ませることになる。
「ああ哥舒臨さん、丁度いいところに。また調査をお願いしたいんですが」
「今度は何だ」
「もふもふとした体に、鋭い爪を持つ巨大生物が現れたそうで・・・なんでも、『ととろ』と鳴くとか」
「ほう、ととろ。なんだか面白そうな気配がするぞ」
哥舒臨の巨大生物調査はまだまだ続く──。