【能楽鑑賞】#213 第15回 桑田貴志 能まつり

狂言「樋の酒」 能「道成寺」赤頭

第15回 桑田貴志 能まつり「道成寺」

観世能楽堂
2025年6月29日(日) 14:00開演

仕舞「籠太鼓」
観世喜正

仕舞→連吟「卒都婆小町」に変更
観世喜之

狂言「樋の酒」
太郎冠者:野村万作
  主人:福田成生
次郎冠者:高野和憲
  後見:岡聡史

能「道成寺」赤頭
白拍子/蛇体:桑田貴志
 道成寺住僧:福王和幸
    従僧:矢野昌平、村瀬慧
    能力:野村萬斎、野村裕基

  笛:松田弘之
 小鼓:観世新九郎
 大鼓:柿原弘和
 太鼓:小寺真佐人

 地頭:観世喜正

(狂言鐘後見:深田博治、中村修一、内藤連、飯田豪)

*・*・*

昨年に引き続き、今年も桑田貴志師の「能まつり」へ。

まずは仕舞から。観世喜正さんの仕舞は、いつ観ても美しくて魅入ってしまう😌

一方、観世喜之師の仕舞は、足腰の不調につき連吟に変更とのことで、春公演で観た野村萬さんと同じパターンや😰と思って心配になったものの、足腰以外はいつもと変わらずお元気そうでひと安心。

でも90歳過ぎても舞台に立てるって、やはり奇跡的なことなんだよなァと再確認しました。この界隈、スーパーおじいちゃんが多くて、色々とバグってしまう😅



狂言「樋の酒」

そんなスーパーおじいちゃんのひとり、万作さん。
今回も好調のようで何より😊

主人の留守中に次郎冠者と酒盛りしてしまうという、オーソドックスな狂言で何度か鑑賞している演目だが、今回は、万作さんと高野さんの師弟コンビ。橋掛かり寄りのお席だったので、お二人の表情も含めてよく観えました😊

が、この組合せ、過去のドキュメンタリーでリハ中に万作さんが高野さんにダメ出しして怒ってるところを見たことあるので、なんか観てて軽く緊張してしまうのよな😅

でも萬斎さんの息子に対するスパルタ教育は何度も見てるけど、だからといって、あの親子を観ても何も感じないので、不思議な感覚なのだが。血縁者じゃないガチの師弟の方が変にリアルに感じるものがあるのかも😅



能「道成寺」赤頭

気付けば道成寺も何度も観てる演目になりましたが(昨年もラッシュでしたが、今年は巳年なので引き続きラッシュのようです🙄)、今回は歌舞伎座と映画「国宝」にて、歌舞伎の「道成寺」にも触れた直後だったので、偶然とはいえ、タイムリーで良きでした。

歌舞伎の道成寺は舞踊で、恋する乙女の一面も描いてるので、華やかさがある分、やはりエンタメなんですね。なので、それを観た後だと、能の道成寺は、女の鐘への執念をストレートに描いてるんだなァと実感しました。

これは能と歌舞伎の「俊寛」を見比べた時にも感じたことだけど、余計なものは描かないことで、もっと内面的な、精神的な部分を見せられてる、時には問われてる様な感覚で、このシンプルさが能の魅力と個性であり、個人的に惹かれる部分のかな、と。

この感覚、料理で例えたら、タルタルソースをたっぷりかけたエビフライも美味しいけど、シンプルにそのまま塩焼きしても素材の味が活きてて美味しいよねーみたいな?😂w

同じ素材でも、出来上がったものはそれくらい別物でした、ということです。


さて、そんなこんなで解像度が上がった状態でしたので、今回は白拍子が鐘を見上げる度に、その執念がひしひしと伝わって来て、集中モードON!

緊張感漂う静寂な乱拍子から、執念を爆発させて急之舞へ移行する所は、シテはもちろん、地謡やお囃子の気合いも凄くて、観ているこちらもテンションMAX!

そして、桑田さんは体格の良いシテ方さんですが、迫力ある見事な鐘入りで綺麗に決まりました!👏👏👏

また今回は鐘の真横からの鑑賞だったのですが、綺麗に飛んで、かつ頭をぶつけないように瞬時に身体を屈めて鐘と共に綺麗に落ちて収まる瞬間が観れました👀

そして再び鐘の中から現れた時、白い衣に収まってる姿が、まるで卵のようで、そこからゆっくりと蛇体が姿を現した様は、まさに蛇が卵から孵ったかのようで、印象的でした。

今回は赤頭で、長袴も履きますから蛇感増々で、とても迫力があり見応えがありました。赤頭と緋色の袴が表すように、内面は鐘への執念を燃やして沸騰させているのだろうけれど、それを内にグッと秘めてハードに動かないところは、まさに蛇。

そんな蛇体に対して冷静に対処するワキの福王兄さんが、これまたカッコよくて、二人の攻防からは目が離せなかったです。

いつも以上に、道成寺の世界に入り込めた気がしました😌


あと、道成寺のアイを演ってる萬斎さんは、何度観ても可愛いですね🤗💕あの責任逃れをしようとするお調子者感は、萬斎さんのニンにとても合っています😂

鐘が落ちた瞬間のゴロゴロも、後見やお囃子にぶつからないように、微妙にカーブしてて器用だなァと思いました。


あと狂言鐘後見の皆様の仕事ぶりを観るのも好きなので、今回もしっかりと見守っておりました。皆様のあんな真剣な表情(カッコイイ)は本狂言ではなかなか観れませんからね。

てか、何気に一門の皆様、前日まで名古屋で「能 狂言 鬼滅の刃」を公演してて、休む間もなく都内で大仕事とは😅

今回は、お疲れ様でございました!🙇💦



第14回 桑田貴志 能まつり「融」感想⬇️
https://privatter.me/page/6682fe045f6b8

過去の観劇日記はコチラから⬇️
https://privatter.me/user/mijuppa
.