<読み飛ばしてもいい導入>
まず、英語版グノーシアにおいて、基本的に「消す」の意味で使われている単語が以下の2つ。
・eliminate 〔人や物事を〕除外する、取り除く
・get rid of 〔気に入らない存在〕を取り除く
どちらも「取り除く」に対応する意味を持つ言葉ですが、eliminate は完全に排除するという強い意味があり、get rid of には完全性についての含意はありません(
参考)。
グノーシアによる襲撃は、その人を宇宙から完全に消してしまう(と認識されている)ので、eliminate の方が意味合いは近いのではないかと考えています。
人が変われば使う言葉も変わります。
ここを比較することで英語版グノーシア中でそれぞれのキャラクターがどういう意味を込めて「消す」と言っているのか分かって、キャラの解像度も上がるのでは?
……という期待を込めて、このまとめを作成しました。お楽しみください。
<注意書き>
※汎用セリフを列挙し、感想を述べるだけのまとめです。
作中のネタバレがあります
※日本語版におけるセリフとどう対応しているか、前後をぼかしつつ書いています
※
本まとめは「人間を消す・人間が消える」を示す言葉に特化しています。「制圧」「支配」「人間以外(星系など)を陥落させる」に類する言葉は含みません。またグノーシア側でのセリフに限定しています
※単語の意味は
英辞郎 on the WEBから引用しています
※シチュエーションごとに列挙しているので、単語・イディオムは重複することがあります
※
sbはsomebodyの略です。◯◯(名前)に対応します。基本的に名前部分がなくても成立するように列挙していますが、どうしても補わないと分かりづらい場合のみつけています
<簡易リンク>
セツ
ジナ
SQ
ラキオ
ステラ
しげみち
シピ
コメット
ジョナス
ククルシカ
オトメ
沙明
レムナン
夕里子
セツ
eliminate(襲撃相談「誰を消すべきかは〜」)
be gone(襲撃相談→成功時お礼 「狙い通り、◯◯が消えたね」)
take out(襲撃相談→成功時お礼「今まで何度、◯◯を消してきたんだろう」)
eliminate(乗員敗北「人間を消したい、という衝動」)
基本eliminate を使う。be gone はいなくなる、take out は排除する (取って外に出すニュアンスから)の意味合いがある。
せっちゃんは真面目だし、グノーシアとしての責務を忠実に果たそうとする印象があるので、get rid of よりもニュアンスが近いeliminate を使うのは納得。
だからこそ、色んな意味を持つ言葉であるtake out を使うのがちょっと意外だったりする。自分が指名した人が消えたときの、ちょっと哀しそうに笑っているシーンでのセリフなんですよね
……強い言葉を使えるほどの余裕は流石にないだろうな、少しずつ疲弊しているというか
……感傷的になっているのかも
……?
ジナ
get rid of(襲撃相談「ヒトを、消すんだね」)
eliminate(襲撃相談「誰を消すか、あなたに〜」)
disappear (襲撃相談→成功時お礼 「私が選んだヒトが、消えた
……」)
eliminate(グノ勝利「私たちは、ヒトを消す」)
eliminate(グノ完全勝利「他のみんなも、消さないと」)
基本はeliminate で、get rid of も使う。
納得の言葉の数々。ジナらしい、ストレートな言葉の使い方だなって思います。ジナはグノーシアとしてヒトを消すことに忌避感のあるタイプじゃないので尚更。
完全勝利でもそうでなくても、グノ勝利時にヒトを消すことに触れるのはジナ特有なんですよね。忌避感はないけど意識はしてるんだなぁ
……真面目だ
……。
SQ
kill(襲撃相談「◯◯を消すのが吉」「ホントに◯◯にするかは〜」)
be gone(グノ勝利「人間消しちゃう前に
……」)
襲撃相談ではあえてのこのワードチョイス。しかも2回も言ってる。
あの人の悪意たっぷりだ!
……と思ってたんですが、どうやらkillには殺意のニュアンスがなく(
参考)「消す」の意味としても普通に使えるらしい。下手するとeliminateより軽い気持ちで使えるのかもしれない。ネイティブじゃないのでそこまでニュアンス汲み取れてはいないんだけど
……。
消すことに触れているテキスト少ないなって思ったんですけど、アレだ、あの人は他者を甚振ることを優先しているから
……消したら甚振れないからですね
……。AC勝利にしても「それじゃ、一緒に遊ぼっか」だし
……。
ラキオ
be eliminated(グノーシア同士夜会話「誰が消えるンだろうね?」)
eliminate(襲撃相談「今夜誰を消すべきか」)
get rid of(襲撃相談「今回は◯◯を消すべきだ」)
基本はeliminate だけど、get rid of も使う。
eliminate 優先派だろうと踏んでいたのですが
……確か英語って同じワードを連続して使うことを避ける言語だったはずなので、そういう意味では納得。知性を感じる。ジナとかも恐らく同じタイプですね。逆に言うと同じ単語を連続で使っているSQちゃんは
……。
AC勝利とかでもそうなんだけど、基本的にグノーシアになった時に「上に立つ・支配する」欲求が強く引き出されている気がする。だから汎用セリフでは消すことにあまり触れられていないのかな。
ステラ
destroy(グノーシア同士夜会話「消し去ってご覧に入れますから」)
disappear(襲撃相談、「◯◯様に消えていただきませんか?」)
go and rest(AC勝利、「ゆっくりとお休みください」)
destroy は〔戦いで敵を〕粉砕する、打ち破る 〔動物などを〕殺す などの意味がある。killに破壊的ニュアンスが加わる。
なんというか、意外と殺意高い言葉を選択しているんだよなステラさん。「消えていただきませんか?」も、相手方の状況に焦点を当てて、自分の行為の主体性を曖昧にしている辺りに、有無を言わせずじわじわと追い詰めていく怖さを感じるんだよね。
あとこれは解釈分かれるところだと思うんだけど、AC勝利時の「ゆっくりとお休みください」相当部分。”go and 動詞” は「〜しに行く」の意味で、直訳気味だと「休みに行ってください」なんだけど。restって永眠とかそういう意味も含まれてるので
……これステラさんも消してくれてるのでは? 永遠にお休みって意味では? ただ労ってくれているだけの可能性もあるので一応参考程度に。
しげみち
take out(襲撃相談「今夜も誰か消さんと~」)
be gone(襲撃相談→成功時お礼「ホントに◯◯消えたのな」)
言葉のチョイスから、グノしげみちの気軽さが窺える。get rid of すら使わないのね。当たり障りなさがそれっぽくて良い。
というかグノ勝利・乗員敗北・AC勝利のいずれでも「人間を消したい」衝動を一片も見せないんですね、しげみちは。齢をとっている分の含蓄と言うか、丸さを感じる
……下手すると夕里子様並みの精神力なのかもしれない
……?
シピ
eliminate(襲撃相談「人間を消したくて消してるわけじゃねーとか」)
take out(襲撃相談「今夜は誰を消すかね」)
make it here(正直襲撃相談→成功時お礼「たどり着いてくれりゃいいんだけどな」)
make it には無事にやり遂げるなどの意味がある。後ろに場所を表す言葉が来ると、苦労して到達する、みたいな感じになる(
参考)。「消える」の亜種ということで参考程度に掲載。
……シピはグノース周りの諸々に気づいている人なのかな。
でもeliminate 派なんだなぁ。日本語版の語彙は当たり障りない感じだと思ってたから意外だ。でももしシピが気づいている側なら、確かにニュアンスが近いeliminate を使うだろうなぁ。
コメット
get rid of(グノーシア同士夜会話「◯◯は消したい奴とかいる?」)
take out(襲撃相談「今晩ダレ消そうかって?」)
kill(襲撃相談「どうせみんな消すんだし」)
get rid of(襲撃相談→成功時お礼「◯◯消すのって~」)
基本get rid of。
コメットがkill使うのは、出身惑星とその環境を鑑みると自然だと思う。killに殺意のニュアンスがなく、ただ維持されてきたものを停止させる現象を表すための言葉であるのと同じように
……死の感覚が常に間近にあったコメットにとって、ヒトを消すことにそれ以上の意味もそれ以下の意味もないんだと思う。どうせみんな消すんだから。
今気づいたんだけどtake out 使ってるのほとんどロジック中程度~低めの人じゃないですか? 私ロジック低めの場合は感情優先気味で議論している(→感情論だと場の意見が動きづらい)んだと思ってるんですけど、それを踏まえると高ロジックで唯一take out をつかうせっちゃん
……やっぱりあの時のせっちゃん、感傷に浸っているのでは
……。
ジョナス
be disappeared(襲撃相談、「今宵、消えるべきは誰か」)
a nice, crunchy lil' Gnosia snack(襲撃相談、「グノースへの捧げ物」)
sb gone(襲撃相談、「消えゆく◯◯」)
be with eternity(襲撃相談→成功時お礼「君は、永遠となったのだから
……」)
eradicate(AC勝利「我らグノーシアは、人間を消す」)
eradicate は「根絶する」相当の意味を持ち、eliminate やdestroy あたりと同程度の強さをはらんだ言葉と思われます。
言葉に癖がありすぎるんだよなジョナスは
……。襲撃成功時お礼セリフはカウントしていいのだろうか。多分いいはず。
基本的に「消す」という言葉を使わず、比喩的な表現を使ったりするジョナス。詩的、装飾過多な言葉。回りくどくて意図が掴みづらい感じしてそれっぽい。
あと、襲撃相談時に「消す」という主体的な言葉を使わないのはジョナスとステラさんだけなんですね。主従だ
……。
ククルシカ
eliminate(襲撃相談「今夜消す相手に~」)
have
sb out of the way(襲撃相談→成功時お礼「◯◯を消せたことが~」)
get rid of(AC勝利「私が消してあげるね」)
喋ってない割には語彙が豊富なククルシカ。いや、いくらククルシカが表現力豊かとはいえ、それら表現を受け取って解釈しているのは主人公なので、これは実質主人公の語彙なんだけど。
主人公がeliminate とget rid of で分けているってことは、微妙なニュアンスの違いをククルシカが表現できているってことだと思うんですよね。敵(ただの人間)と身内(AC主義者)の差とかもあるのかな? 敵には強めの「消す」、身内にはそこまで強くない「消す」を使っているので。
オトメ
eliminate(襲撃相談「今晩は◯◯さんを消したら~」)
オトメ少なッッッ!!!
汎用セリフだと人間を消すことに言及しているのは本当にこれだけで、後は乗員勝利の「もう誰も消えたりしないのです」と喜ぶセリフ1つだけです。いや分かる。消すこと自体には関心なさそうだもんねオトメ。グノーシアになった意味の方に興味が向いてるんだ。
心優しいオトメがeliminate 使うのか
……そこまで難しい・複雑な言葉の選択ができないと考えると、一番やることに合った言葉を選ぶのかな。
沙明
get the honor(襲撃相談「グノーシア杯、消えるのは誰だ!」)
get rid of(襲撃相談「◯◯でも消しときゃいいんじゃね?」
pick off(襲撃相談→成功時お礼「いかせてやろうぜ」)
take care of(グノ完全勝利「俺がケリつけとくからな」)
kill(グノ完全勝利「気持ち良くいかせてやろうや」)
婉曲表現の数が多い。基本的に軽い言葉を使って、陽動めいたステルス能力で生き残っている感じ。
思ったより語彙多いんだな沙明
……ジョナスみたいな比喩表現による語彙豊かさではなく、類義語の数の多さによる語彙豊かさというか。そういえばラキオのところで説明したアレを適用するなら、沙明も教養高めってことになるな。まあロジックとは別枠の賢さ発揮してるしな沙明は
……。
ところで沙明の襲撃相談は本当にイチオシなので共有しておきますね(推し贔屓)
レムナン
go away(襲撃相談「消えてほしく、ないです」)
eliminate(襲撃相談「◯◯さんを消すと
……」)
with
sb gone(襲撃相談→成功時お礼「
……◯◯さん、が、いなくなって」)
eliminate(AC勝利「僕が、責任を持って、消しますから」「自分で望んで、消えられる
……なんて」)
喋るのが苦手だからなのか、語彙は比較的少なめ。というか主体的な「消す」を意味する言葉がeliminate しかない。
しげみちやシピとは異なり、消すことに関するセリフが決して少なくない中でこれなので
……人と喋らないと言葉が咄嗟に出てこなくて、つい似たような言葉を使ってしまうのかな。もしかしたら教養が低めの線もあるかもしれない。
夕里子
eliminate(グノーシア同士夜会話「その者にまつわる全てを抹消できれば~」)
go(グノーシア同士夜会話「まず消えるべきは~」)(ニュアンスが微妙に変わっており、「私たちが行くべきなのでしょうね」みたいな感じ)
destroy(乗員敗北「この手で消してやろう」)
kill(AC勝利「お前を消さずにおいて〜」)
遠慮容赦のない「お前を消してやろう」じゃないですか夕里子様!!!!! 怖!!!!!
個人的に唸ったのはgo です。読み違えている可能性があるから話半分で読んでほしいんだけど、この「行く≒消える」はグノースの何たるかを知る夕里子様じゃないと出せないと思うんだ。
確かにgo にもある地点から(移動したことによって)いなくなる、みたいなニュアンスはある。だからこそせっちゃんのbe gone とかレムナンのgo away とかが「消える」の意味になってくるので。ただ、夕里子様の発言の流れを踏まえると、この場面の「消える」でgo 単体はそう使わないんじゃない
……? 他の人ならここはdisappear とかを使いそう。こんなところでグノースの真相の片鱗が見えると思ってなくてゾクッとしてしまった
……。
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