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三毛田
2025-06-21 22:54:43
1084文字
Public
1000字4
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30 030. 青空のその先
30日目
その先には、何がある?
「
……
」
雲一つない青空が眩しい。
この青空の先には、何があるのだろう。
大気圏とか、宇宙とか、そんなありきたりの答えは求めていない。
そう告げたら、わがままだと言われそう。
「穹。帽子をかぶるか、日傘を差せ」
「うん」
俺がなおざりに頷くと、呆れたため息をついてから帽子をかぶせてくる。
「えへへ。丹恒、ありがとう」
「どういたしまして。早く帰ろう」
「うん」
荷物を抱え直し、二人で帰路を急ぐ。
夏に近づくこの季節、空は綺麗だ。
「丹恒」
「どうした?」
「アイス食べたい」
「一度荷物を置いてから、買いに行こう。生ものがあるからな」
「そうだった。アイスを買うの忘れたから仕方ない」
二人で顔を見合わせ、苦笑。
「青空の向こうって、何があるんだろう」
「さあな。ただ、ありきたりな答えでよければ、大気圏。その先には宇宙だ」
「うん」
「星々は煌めいているだろうし、もしかしたら
……
」
「もしかしたら?」
「その星に、俺たちの知らない文明を持っている人々が住んでいる。かもしれない」
「うん。いい想像だ」
俺が頷くと、ちょっと照れたように頬をかいて。
「荒唐無稽ってわけでもなさそうだろ? 実際、地球以外にも、生命体がいたみたいな話もあるし」
「
……
」
「丹恒?」
「お前の、そういうところに
……
俺は、救われている」
「俺だって、丹恒に助けられてるし、心を救われているよ」
今すぐ抱きしめたいのを我慢して、ちょっと早歩き。
「ただいま~」
「ただいま」
靴を脱ぎ、さっさと荷物を冷蔵庫へとしまってまた家を出る。
手を繋ぐと、ちょっと熱かった。
丹恒にしては、珍しい。
コンビニでアイスを買い、ゆっくり食べながら歩いて帰る。
「丹恒はさ、別の背系の記憶みたいなものがあるって言ったらさ、信じる?」
「少し前の俺だったら、信じなかっただろう。が、信じよう」
こちらを向いた彼の唇には、ミルクアイスが。
「っ」
ペロッと舐めたら、肩が跳ね。
「き、穹!」
「丹恒が無防備だから。家出、もっと過激な方がよかった?」
「こ、これで我慢してくれ
……
」
「うん」
今にも消えそうな、か細い声。
ああ。
抱きしめるだけじゃ、足りない。
体の奥まで俺で満たして、トロトロにしてしまいたい。そんな衝動。
それを、アイスと共に飲み込み、溶けたアイスがついた指も舐める。
「きゅう」
「アイス、無くなっちゃうから早く食べよう」
「うん」
促すと、素直に頷いてアイスを舐めて。
その姿すら、俺の欲をそそるのだと、彼は気付いているだろうか?
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