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まきわ
2025-06-20 13:29:44
7258文字
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クロリン
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Tail Guardian
ケモ世界前提で、あるアイテムを中心として閃1〜4まで駆け抜けるみたいなやつです
シーン変わると時間飛んでますのでいそがしいですが、それでもそこそこ文字数あります
「好きな相手の尻尾の毛でキーホルダーを作ると両想いになれるらしいぜ」
放課後、教室で自習してると近くの席に座ってきたクロウが耳をぱたぱたさせながら楽しそうにそう言ったので、リィンは顔を青くした。
「ざ、残虐な話か
…
?」
思わず自分の長い尻尾を膝に抱え込む。
これを狩ってキーホルダーにするなんて、なんて残酷なまじないがあったものだろうか。
「違うっつーの」
クロウは自身の大きな尻尾でぺしっとリィンの脚にツッコミを入れた。
「換毛期とかの抜け毛で作るんだよ。つってもま、知り合いだとしても換毛した毛を誰かが持ってくとか気色わりぃけどなあ」
「あぁ
…
なるほど。まぁそうだな」
リィンはようやく力を抜いて尻尾を床にぽとりと落とした。
とはいえクロウの言う通り抜けた毛を持っていかれるというのもなかなかぞっとしない。
「頼んでもらう方がいいんじゃないか?」
「いやそりゃその時点で告白してるようなもんじゃねぇか。それでくれるんなら既に両想いだろ」
「う、そ、そうか」
どうもこういうことには疎い。
リィンが耳をしなりと下げるのを見つめつつクロウは考え込むように顎に手を当てた。
「逆だったらいいかもしれねぇけどな」
「逆って
……
自分の毛を渡してキーホルダーを作らせるのか!?」
「いやこえーよ。なんの儀式だよ。逆っつーか
…
想う相手に自分の毛で作ったキーホルダーを渡すとお守りになるとかよ」
「ああそれなら
…
」
大切な部分だけに、守ってくれる力は強そうだ。
リィンは反射的にちらりとクロウの灰銀色の尻尾に視線を向けた。
「なぁんだ?オレの尻尾のキーホルダーが欲しいのかよ?」
「くれるのか?!」
思わずぴんと耳を張るととクロウは呆れたように耳を下げた。
「なんでそこで喜ぶかよ。好きな相手のって言っただろ」
「?俺はクロウが好きだぞ?」
衒いもなくそう答えるとクロウは困ったような、曖昧な笑みを浮かべた。
「
…
ったくお前は。
…
仕方ねぇなぁ」
クロウは足元の鞄からブラシを取り出すと自分の尻尾を持ち上げて軽く梳いた。
折しも季節は秋に傾いてきていて、天高く抜け毛の舞う毎日だ。
「ほら」
クロウはブラシから取ったふわふわの毛をリィンの手を掴んで持たせた。
リィンは手のひらに乗せられた梳いたばかりの毛を見つめた。
窓から差し込む夕日を受けて、銀色に艶めいて宝物のようだった。
「めんどくせぇからキーホルダーには自分でしろ。いらなきゃ捨てな。あ、売るなよ?」
「売るわけないだろ。
…
ありがとう、クロウ」
「ほんっとお前意味わかって
……
まぁいいか」
クロウは何か言いたそうだったが、それ以上は何も言わなかった。
リィンはそれを持って帰ってキーホルダーの作り方を調べた。
出来上がったキーホルダーはなんだか本当に自分を守ってくれそうな気がして大切に持ち歩いた。
お礼に自分の尻尾も、と思いはしたがクロウが自分をどう思っているのかはよくわからない。
なんとなくそれを確かめるのも、無理に渡すのも躊躇われて先延ばしにしてしまった。
そして、その後本当に、本当に色々あった。
鈍色の曇り空の下、リィンは空と同じような色の墓石の前に立っていた。
俯けた顔の角度に添うように耳もぱたりと下がったまま風を受けている。
尻尾はどうでもいいというように地面に引きずられていた。
艶の無い毛並みは、心配をかけないようにかろうじてアルティナと会う時だけ体裁を保つ程度に梳いている。
だがろくに手入れをされていないのは誰が見てもわかるだろう。
「クロウ
…
」
リィンは俯いたまま墓の主の名を呼んで握った拳を胸の辺りに持ち上げた。
開いた掌の上には尻尾のキーホルダーが乗せられていた。
それはリィン自身の尻尾から作ったキーホルダーだ。
渡せたらと思いつつ、渡せないまま離れ離れになり、そしてあんなことになってしまった。
「
…
渡せてたら、俺はクロウを守れていたのかな」
ぽつりと呟いた声に答える者はない。
「おれっ
…
おれだけまもられてっ
…
あの時、もらってなければ俺もいっしょにっ
…
」
その後続けそうになった言葉を首を大きく振って振り払う。
「
……
ごめんっ
…
こんなこと言ったら皆
…
クロウも悲しむよな
…
。大丈夫、前に
…
前に進むから」
自分に言い聞かせるように唱えてリィンは無理やり尻尾を浮かせた。
そして手に持っていたキーホルダーをそっと墓の上に置いた。
傍にあった小石を重しにして飛ばされないようにする。
「
…
もう
…
意味はないかもしれないけど。せめて
…
せめて安らかであるように
…
」
声と同時にぱたりと頬を伝った雫がキーホルダーの横に落ちた。
「
…
っ、ふ、うっ
…
クロウっ
…
」
なんとか持ち上げたはずの尻尾は結局またぱたりと地に落ちた。
耳も倒れたまま頭に貼り付くようで、虎耳状斑の白が黒髪に白点が浮いたようにすら見えた。
そのままリィンはしばらくうずくまるような体勢で小さく嗚咽を零し続けた。
虫の鳴く声だけが、墓地には響いていた。
ジークフリードは人気が無いのを確認してから闇から姿を現わした。
こんな深夜に墓地を訪れる者などいないだろうが、その辺りの常識もなんとなくジークには曖昧になっていた。
ジークは迷いの無い足取りである墓石の元へ向かった。
「
………
」
昼間、ジークの監視対象であり興味の対象でもある灰色の騎士が一人ここを訪ねていた。
誰の墓なのか気になったが、墓碑銘が見えるほど近付けばあの気配に聡い青年は気付くだろうから夜が更けるのを待ってやってきたのだ。
「クロウ
…
アームブラスト
…
」
墓に刻まれた名前を読み上げてジークは眉をしかめた。
ざわざわとした根拠のない嫌悪感が胸に湧いてジークは苛立ったように尻尾で地面を数度叩いた。
「フン」
こんなことが気にかかった自分にまた苛立ってジークはぴりぴりと耳を後ろに向けた。
宥めるように柔らかな風が尻尾を撫でていったのを感じているとふと墓石の上に何か置かれているのに気付いた。
あまりに小さくて夜闇の中では気付かなかったのだ。
「
……
なんだこれは」
キーホルダー、のようだった。
ジークは重しにされていると思しき小石をよけて、キーホルダーを持ち上げた。
誰かの毛を加工してキーホルダーにしたもののようだ。
確かめるように鼻先に寄せて匂いを確かめたが、随分長い事ここにあったのか草木と風の匂いしかしなかった。
だがなんとなく、この毛の持ち主がわかるような気がした。
「
……
お前には、もう必要ないだろう?」
嘲るように墓に向けて言って、ジークはそれをコートのポケットに押し込んだ。
これが風に飛ばされて喪われることも、誰かに持っていかれることもなんだか耐え難かった。
ジークはまだもやつく胸の内を尻尾を大きく振って払うとまた闇の中へと消えていった。
深い深い地の底。
低く唸るような、耳鳴りのような音は風が吹き抜ける音だろうか。
黒の工房の連絡通路に立っていたクロウは手持無沙汰になってポケットに手を突っ込んだ。
「
…
んあ?」
何かが手に当たったのでそれを掴んで引っ張り出す。
指にぶら下がったそれは古びた尻尾のキーホルダーだった。
「なっ、なんですのそれっ!」
横に立っていたデュバリィがぶわっと毛を逆立てて後ろに飛び退った。
「し、し、し、尻尾のっ、アクセサリー!?まさか倒した相手の尻尾を戦利品に
…
!」
茶色の太め尻尾をぶわりと逆立ててふしゃーっと威嚇してくるデュバリィにクロウは呆れた顔を向けた。
「どこの蛮族なんだオレは。
…
ったくー筆頭ちゃんはもうちょい流行に気を向けた方がいいぜ?そんなんじゃモテねーぞ?」
「別にモテる必要なんかありませんわ。
…
そもそもそれと流行とどんな関係があるんですか。そんな気味の悪いものが流行ってるなんて黄昏以前に世も末ですわ」
「気色悪くねぇっての。あれだ、好きな相手の尻尾の毛でキーホルダーを作ってお守りに
……
あれ、違ったっけ?」
「こっちが聞いてるんですけど
…
」
クロウは風に尋ねでもするように耳を流れに沿ってぴくぴく動かした。
そもそもは両想いになれるとか、そんな話だった気もする。
それがどうしてお守りだなんて思ったのか、よく思い出せなかった。
「そもそもそれ、誰の毛なんですの?」
デュバリィは逆立った毛を戻そうとするように尻尾を手元に寄せて撫でている。
よほど気に障ったのか、耳はまだ緊張してぴんと立ったままだ。
「それは
……
」
クロウは反射的に通路の先に視線を向けた。
その奥の奥にある部屋では一人の青年が鎖に繋がれている。
解き放てばきっと、倒されるか体力尽きるまで暴れて果てるだろう。
「
………
」
クロウはそちらへ視線を向けたことを恥じるように無理やりキーホルダーを見つめた。
それはクロウが彼に渡したものとは別で、色味から察するに彼の尻尾から作られたものだと思えた。
無理やり上げていた尻尾が無意識に下がる。
この工房から支給されたコートは尻尾を上げるとコート後ろの切れ目の根元が尻尾に当たってあまり良くない。
自然と尻尾を下げてしまうのが、従えと言われているようで不快だったのでクロウは尻尾とコートの根元が当たる不快感に耐えて無理にでも尻尾を上げるようにしていた。
けれど、彼が墓にこれを置いた心を想えば自然とその意気も挫けてくる。
お守りは、間に合わなかったのだ。
「
…
いずれ、返さねぇとな」
尻尾は収まったのか、拳で耳の毛を整えていたデュバリィが不審そうにこちらに目を向けたので曖昧な笑みだけ返す。
これはもう、自分には意味のないものだ。
守るべき活きた命はここにはもうないのだから。
魔女の里の一室で、リィンは渡された着替えをベッドに置くと小さく息をついた。
否応なしに視界に入ってくる前髪は銀色をしていて、それが自分の弱さを突き付けてくるようで見える度に心臓が痛む。
憂鬱な気持ちを首を振って払うと、リィンはぼろぼろになった衣服を着替えようと、まずはポケットを探った。
工房で受け取った50ミラが出てくる。
クロウとは先ほど別れてしまったが「なくすなよ」と言われたし、そうでなくとも大切に持っておこうとそっと手近な机に置いておく。
反対側のポケットを探ると何かが指先に当たった。
「あ
………
」
引き出すと、灰銀の毛で作られたキーホルダーだった。
リィンはしばしそれを潤んだ瞳で見つめた後、そっと握って額に寄せた。
「いつも
…
守ってもらってばっかりだな
…
」
結局工房を出る時もとても助けてもらった。
お守りだけでなく、彼自身にも強く助けられていると心から思う。
リィンは胸に去来する想いをキーホルダーに伝えるように顔に寄せていたが、やがてぎゅっとそれを握り締めると50ミラコインの横にそっと置いた。
(今度は俺が必ず助ける。どんな状況だとしても)
真の贄となってようやく、リィンは相克がどんなものなのか、それを経た起動者がどうなるのかなんとなく理解し始めていた。
そしてクロウは恐らくそれを果たす為に自分を呼んだのだ。
(何がどうあろうと、このまま消えさせたりしないからなクロウ)
瞳に力を込めて、耳と尻尾をぴんと立てる。
尻尾はぼさぼさだから、着替えたら少し梳いてやろう。
リィンは鋭く呼気を吐いて勇ましく尻尾を振ると着替えを始めた。
カレイジャスの甲板から船内に入る途中振り返ると、遠ざかりつつある幻想機動要塞が見えた。
全てが終わっても機能停止しただけで変わった様子のないアレについては、地精であるジョルジュを中心としてローゼリアや技術者チームで対処を考えるらしい。
できることはなさそうだったからリィンはそのまま艦内へと入っていった。
「兄さま」
凛とした声をかけられてリィンが顔を向けるとエリゼが姿勢を正して立っていた。
潤んで赤くなった目元には彼女の心を苛んだ自分への心配が見て取れたので、リィンは思わず尻尾を下げた。
が、エリゼは気丈にぴんと耳を立てると深々と頭を下げた。
「無事のお戻り、心からお喜び申し上げます」
万感の籠ったその言葉にリィンは耳を下げてエリゼの肩に手を置いた。
「ありがとう。心配かけたな」
「はい
…
」
顔を上げたエリゼは感慨を込めてまた目を潤ませた。
一つ息を吐くと照れたように耳をぱたぱたと動かして目元を拭う。
エリゼ達シュバルツァー家の人々は高山に住むナキウサギの特徴を備えた獣人だ。
耳はネズミに似た丸型の大きなものだが、尻尾は通常のウサギよりかなり短い。
エリゼの尻尾もスカートの中に完全に隠れてしまっているので、見る事ができるのは着替えを共にする同性以外では彼女の恋人になる者くらいだろう。
「兄さま、全身埃と鉄錆の匂いでひどいです。どうぞお風呂を使われてお着換えなさってください」
「う、やっぱりそうか」
リィンは慌てて袖を鼻に寄せてかいでみたが、確かにかなり埃っぽい。
多分エリゼは言わないでくれたが汗の匂いもしていそうだ。
羞恥と、匂いを吹き飛ばそうとするかのように尻尾をぶんぶん振るとエリゼは小さく笑った。
「髪も瞳もその色に戻られましたから、そのお洋服ですと夜闇に紛れてしまいそうですし。どうぞ元のお洋服に」
「
…
ああ、そうだな」
リィンは視線を上げて自分の前髪を見た。
視線の動きにつられて耳がぴんと立つ。
久しぶりにこの黒を見た気がして、本当に戻ったのだとじわじわと実感が湧いてきた。
「じゃあ悪いけど、先に使わせてもらう。エリゼも
…
ゆっくり休んでくれ」
「はい」
エリゼは耳をぱたぱたっと嬉しそうに動かしてから、スカートをつまんで折り目正しく礼をした。
その耳の間をぽんと撫でてから、リィンは浴場へ足を向けた。
脱衣所。
教官服はエリゼが仕立て直しておいてくれたのでリィンは来ていた黒服を脱ごうとまずはポケットを探った。
もう驚きはしないが、ポケットからはコインとキーホルダーが出てきた。
(最後まで
…
守ってもらったのかな)
リィンは手のひらに乗ったその二つをしばし見つめてから着替えの上に置いて、入浴の準備を進めた。
入浴後、火照った体を冷ましたくてリィンはコートを腕に掛けたまま甲板に出た。
皆食堂の方などにいるようで、甲板には人気がなかった。
いや、一人分だけ佇む背中を見つけてリィンは息をのんだ。
クロウは大きな背中をこちらに向けて、何か手元を見つめているように見えた。
「
…
クロウ
…
?」
声を掛けたら消えてしまうとでもいうようにリィンは風に飛ばされそうな声で彼を呼んだ。
そろそろと尻尾を引きずるようにして近付いていくのに合わせてクロウはこちらを向いてにやりと笑った。
そして指先にぶらさげた何かをリィンに示してみせた。
「っ!それっ
……
」
古びてくすんでいるけどもリィンには確かに見覚えがあった。
「どうして
…
!」
確か墓前に供えたはずだ。
だがよく思い返せば、墓を掘り返した時に見た覚えが無い。
「ジークの野郎が回収したんだよ。だからそのままオレが持ってる」
「ジークが
…
」
なんだか不思議な気がした。
彼も、自分の事を想ってくれたのだろうか。
クロウは心の内を吐き出すかのように重い息を吐いた。
「
…
なんだかんだ、守られてたのかもな。ジークフリードも
…
オレも。今、ここにいるのも含めてな」
「
……
っ!」
その言葉に胸を衝くものがあって、リィンの瞳が見る間に潤んだ。
自分だけが守られているのかと思っていたけれど、ちゃんと自分の方も守っていたのか。
涙が流れ落ちるのと同時に耳がふにゃりと下がる。
悲しいわけじゃないから、尻尾が上がって先の方が風に乗るようにゆらゆら揺れた。
クロウは苦笑混じりにそれを見つめてふと空を見上げた。
風の流れに乗るようにクロウの耳がぱたぱたと揺れている。
「なんだかなぁー。オレらどっちもこのお守り持って相克に挑んでたんだぜ。知ったら鉄血はどう思ったかね」
「
…
ふふ、どうだろうな」
それを予想できるくらい、しっかり話がしたかったとリィンは思った。
涙を拭い切るとリィンは尻尾を揺らしながらクロウの隣に並んで空を見た。
「これ、どうするよ。実を言うと返そうと思ってたんだがな」
「どうしてだ?」
「だって不死者には必要ねぇだろ」
「不死者だって関係ないだろ。
……
持っててくれないか」
「どうしてだ?」
同じセリフを返されてリィンは苦笑した。
そもそもがこれは好きな相手に渡すと守ってくれるという体裁でもらったはずで、お互いに守られたと感じているということはお互いの気持ちはそういうことで。
けれどまだリィンはそういうことをきちんと考えられる精神状態になかった。
「
…
そうだな、担保として」
「うえ。利子のかよ?」
「そうだ。ちゃんと返してもらうぞ?
…
生きてるんだから」
自分の言葉に、不覚にもまた想いと涙が溢れてきた。
自分の分のキーホルダーを握った手でリィンはそれを拭った。
「ったく
…
。甘ったれめ」
「
…
いいだろ。俺も持っておくから」
「借金のカタに尻尾の毛むしられたのか?」
おどけて言った後、クロウはキーホルダーを持ったままの手でリィンの頭をぽんと撫でた。
「んじゃ今度ちゃんと作ってやるよ。それお前に作らせたからな。ご利益も半分だろ」
「
…
ふふ、半分でこれなら、とんでもない効果がありそうだな」
「実証されてんだろ?お前が作ってくれた、お前ので」
「え?」
クロウはリィンの尻尾から作ったキーホルダーを振って見せてから、生きて、暖かい手で頬の涙を拭ってくれて、リィンはその『実証』の意味を察した。
泣き笑いのような顔で頬に触れていたクロウの手を取った。
「それ、俺の力か?」
「ま、半分くらいな」
笑い合う二人を風が優しく撫でていく。
それに乗るように、二人の尻尾がゆらゆらと同じリズムで揺れていた。
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