スサ
2025-06-20 11:34:49
1520文字
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【鬼水】脇

脇毛を…最中に………という短い話です。例によってえぐさんの絵が…絵に…また……(いつもすみません!)

 もしゃ、と口に含んでみる。柔らかいような、固いような、繁って固くなった葉のような引っかかりそれらの感触に汗の塩辛さが混じって、けして美味いわけではないのだが、やめられない。癖になる。後を引く、味。
 汗でしめる胸に手を置いて、もっと多くを口に含んだところで、おい、と声がかかる。それだけでなく頭に手が置かれ、明確に止める素振りを見せてくる。力は、けして強くなかったが。
「変なもん、食うな
 上気した頬でこちらを見、水木が顔をしかめる。汗みずくの顔でそんな風にされて、恐れ入るどころか、鬼太郎の鼓動は興奮の方向に跳ねた。
っ、ば、ばか」
 怒っていた声がうろたえる。そうだろう、とどこか他人事のように思う。鬼太郎も大概酩酊したような状態だった。
「ごめんなさい」
 声は熱と湿り気を帯びていた。ぺろりと唇を舐めて、さらに湿らせる。てろりと光る唇に、水木の目が釘付けになるのがわかった。
 つながっているところが、より大きくなったから。それを責められて、つい興奮してしまう。
や、やめろ
 舌を伸ばし、執拗に脇を舐めれば本当に嫌そうな声で言われた。だがぱしぱしと上下するまつげを見ていたら、何も耳に入らなくなって。
「やめろって!」
 なおもぺろぺろと脇毛まで含めて舐めしゃぶれば、とうとう足が出た。
「ふ、ふふ」
 当たったところで、痛くも痒くもない。鬼太郎は腰をゆっくり回して。熱に浮かされたような声で、気持ちいい、と囁く。水木が困った顔をするのがわかった。唇がわなないているのは、何を言いたいのか。やめろ、かもしれない。ただ彼は、鬼太郎が嬉しそうだと遠慮する癖があるから
あ」
 舌を戻した時、歯に、明らかに何か硬質な、糸のように細いものが当たった。一瞬考えたが、どう考えても毛だ。それ以外にはない。
 ふふ、とまた笑って、その振動は水木にも伝わる。う、と小さく呻いた拍子、ぱさりと黒髪が散った。
ン、」
 ゆっくりと、触れられる限度の奥を目指す。もっと早い方がいい?、と合間に尋ねるも、水木は困ったような顔をするだけ。鬼太郎は微笑んで、じゃあ、このまま、とゆったりした律動を続ける。溶け合っていくような感覚が続き、ぬるま湯のようで、それはそれで気持ちが良かった。
 つながったまま顔をくっつけるのは少し難しい。水木がうんと背中を丸めて、鬼太郎がすごく背伸びをしたら何とかなるか、ならないか。けれど脇なら顔を埋められる。
 水木の手が伸び、一番近くにあった鬼太郎の手に触れた。顔を上げ目を合わせる。
 足りない、とは言えない水木が好きだ。そう思いながら鬼太郎は目を細める。
「もっと?」
 短く尋ねる。水木は二度瞬きし、ただ頷いた。
 鬼太郎も頷いて、もうすっかり覚えた好い所に当てるように腰を動かす。
 悩ましげな声が水木の口からこぼれるのに聞き入りながら、自分も高みを目指す。
「水木、みずきさん
 ぐっと眉間に力がこもる。ぐっと水木の体を抑える手に力がこもり、水木が一瞬鋭く喘いだ。たぶん痛かったのだろう。はっとするが、けれど、たらたらと体液をこぼしながら弛緩する性器を見れば口元がほころぶ。
「気持ちいい?」
……ん」
 まつげの先に水分をためて、水木は悩ましげに鬼太郎を見つめる。汗で張り付いた髪を直してやりたいと思い、はた、とまだ歯に絡まる感触に思い至る。
「また脇、なめていい?」
っ、それ、は、だめだ
 目を瞠った後、水木はむすっと顔をしかめた。
 男っぽいその顔が、今こうして揺さぶられていることとの当作的な差を思い知らせ──、鬼太郎は背中をぶるりと震わせた。