ながみね
2025-06-17 00:27:29
597文字
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どうにもならない二人

immortal thor のソーとロキで、あったかもしれない終わりの話。ワンシーンのみ。

この路線での終わり方は確実になさそうなので、好き勝手やりました。シリーズ完結前で正史が確定していない今がチャンス。
まだ21号までしか読んでません。

「最期に言い残すことはあるか?」

 むしろ事務的な口調でロキは問う。これからソーの命を終わらせようというのに、スカルドとしてのロキに高揚はない。容赦もない。
 それに、まったく楽しそうではなかった。
(つまりロキなりの温情か)
 必要なことを遂行する前の、べつに必要ではない余分の会話。
 この場に勝者はいない。ソーは最善の策として自分自身を代償とする手段を選び、同様にロキも自ら手を下すことを決めた。必要だったからだ。
 だから最後の言葉としては、恨み言も労いの言葉も筋違いだろう。
……
 さて、何を言ったものか。ロキは急かすことなく返事を待っている。
 普段の軽薄な道化ぶりとは正反対の、冷徹な真のスカルド。ソーにとって必要な敵。
 だが、結局ロキはロキだ。またしても一人で遺していくことになる、我が妹であり弟。長く穏やかな秋の時代の終わりに、「敵としても信じるのか」と切実な目で問いかけてきたお前よ。あの時には今日という日が訪れることを覚悟していたのか?
 恨んではいない。信じている、しっかりやれ、この兄がいなくなった後も──、
「愛しているぞ、ロキ」
 自然と言葉があふれた。くだらない戯言と思ったのか、スカルドはぎろりとソーを睨む。本気にしないならそれでもいい。だが本気かどうかぐらい分かるだろう。
 やがてロキは息をつき、不器用に表情を緩めて「知ってるよ」と返した。